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コールセンターシステムとは?機能や選び方・CTIとの違い

最終更新日:(記事の情報は現在から485日前のものです)
コールセンターシステムとは、問い合わせを受けた際に顧客の情報を表示させたり問い合わせの履歴を確認したりするシステムを指します。コールセンターシステムの機能や種類、メリット、選び方を解説します。

コールセンターシステムとは

コールセンターシステムとは、電話で顧客からの問い合わせやクレームを受ける際に、顧客情報や問い合わせ履歴を表示するシステムのことです。コンタクトセンターシステムと呼ばれることもあります。電話に関する幅広い業務を効率化できるため、さまざまな企業にて導入が進んでいます。

コールセンターシステムは、CTIの電話とコンピューターを連携させる機能で運用するものです。コールセンターシステムはCTIとよく混同されますが、CTIはコールセンターシステムの一部であり同一ではありません。CTIの詳細については後述します。

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コールセンターとヘルプデスクの違い

コールセンターとヘルプデスクの違いとしては、コールセンターは業務の範囲が広く、ヘルプデスクは専門的な業務に特化している、といった点が挙げられます。まずコールセンターは業務内容が多岐に渡ります。顧客からの問い合わせや商品の注文、クレーム対応のほか、オペレーターがユーザーに電話をかけて営業活動を行うなど、その内容はさまざまです。

一方、ヘルプデスクは、ユーザーが困っていることを解決する業務に特化したものです。より専門的な知識が必要であり、コールセンターから業務を回されることも多くあります。どちらも電話対応で顧客をサポートする役割がありますが、その業務内容は、それぞれ大きく異なるといえるでしょう。

ヘルプデスクについては次の記事で詳しく解説しています。

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コールセンターシステムを構築する機能

コールセンターシステムを構築するシステムの機能は次のとおりです。

  • CTI
  • PBX
  • CRM
  • FAQシステム

それぞれの機能について説明します。

CTI

CTIとは「Computer Telephony Integration」の略で、電話とコンピューターを統合させたシステムのことです。問い合わせが入るとCTIが起動し顧客情報を通知してくれます。電話に対応しながら情報を確認・入力できるため、顧客管理と顧客対応を同時に行えます。

CTIについて詳しく知りたい方や、おすすめのCTIシステムの比較については、次の記事を参考にしてください。

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PBX

PBX(Private Branch eXchanger)とは 電話交換機をさし、外線の接続を管理・制御したり、内線同士を無料でつなげたりするシステムです。会社の代表番号に電話をかけると、多くの場合はPBXにつながり内線へと転送されます。

近年では、Webで利用するクラウドPBXを導入する企業が増えています。

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CRM

CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、「顧客管理」「顧客関係管理」を意味します。顧客の名前や連絡先、購買履歴、問い合わせ履歴などの情報を一元管理したり、チームで共有したりするシステムです。

着信時に通話相手の顧客情報を表示することで、最適な提案や回答ができるようになります。

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FAQシステム

FAQシステムとは、「Frequently Asked Questions」の略で、よくある質問を整理、分析して、的確な回答を事前に用意するシステムです。ユーザーに検索してもらうことで、自己解決をサポートします。

またコールセンターの場合、オペレーターが回答例や対応方法を参照するのに利用される場合もあります。

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コールセンターシステムの種類

コールセンターシステムには、受電の「インバウンド型」と架電の「アウトバウンド型」があります。

インバウンドとアウトバウンドでは、電話をかける主体が異なるのがポイントです。インバウンドは顧客からの電話をコールセンターが受電します。一方でアウトバウンドはコールセンターから顧客に架電します。

インバウンド型コールセンターシステム

インバウンド型コールセンターは、顧客や見込み客からの電話対応を行います。顧客の質問に対する回答や、商品の受注、予約受付などの業務が中心です。数多くの問い合わせを効率よくさばく必要があるため、これらをサポートする機能が豊富です。

たとえば着信の自動振り分けが行える「ACD」や、自動音声ガイダンスを行う「IVR」といった機能があります。

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アウトバウンド型コールセンターシステム

アウトバウンド型コールセンターは、コールセンターから顧客や見込み客に電話を発信します。いわゆるテレアポと呼ばれる営業活動や、市場調査、送付済みのデータ・資料に対する問い合わせ業務などが該当します。

数多くの相手に対して電話を架電する必要があるため、これをサポートする機能が豊富です。たとえばリストアップした番号へ一斉発信する「オートコール」、クリック1つで架電できる「クリックコール」といった機能があります。

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コールセンターシステムの導入形態

コールセンターシステムは、導入形態によって「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類にわけられます。クラウド型は費用負担が少なく、オンプレミス型はカスタマイズ性やセキュリティが高いため、それぞれの特徴をふまえて導入を検討しましょう。

クラウド型コールセンターシステム

クラウド型はコールセンターシステムを提供している会社のサーバーを借りて利用する方法です。中小企業やベンチャー企業で広く利用されています。インターネット環境があればどこからでも利用でき、数万円からスタートできるため予算に余裕のない企業でも導入可能です。

小規模のコールセンターはクラウド型システムがおすすめです。

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オンプレミス型コールセンターシステム

オンプレミス型のコールセンターシステムは、自社のサーバーにシステムをインストールするタイプで、主に大企業に多く導入されています。システムを独自にカスタマイズをしたい場合や、社内ネットワーク運用でセキュリティを高めたい場合に利用されています。ただし初期費用が高くサーバー管理費用もかかるため注意が必要です。

コールセンターシステムの機能

コールセンターシステムには、通信録音機能や電話制御機能など数多くの機能があります。コールセンターシステムの多岐にわたる機能をまとめて解説します。

利用するシステムによっては搭載されていない機能もあるので注意してください。

通信録音機能

通話した内容を録音する機能です。トラブルが起こったときや通話内容を振り返るときに使用されます。話した内容がデータとして保存されるため、言った言わないの水掛け論になった場合にも、証拠として役立ちます。

電話制御機能

空いているオペレーターが対応できるように、着信を振り分ける制御機能です。コールセンターでは複数人で電話に対応するケースが多いため、着信を振り分ける機能は必須といえます。電話を引き継ぐ際には顧客情報を共有できます。

IVR(音声自動応答)機能

IVRとは「Interactive Voice Response System」の略で、日本語では音声自動応答システム、音声自動応答装置と訳されています。顧客からの電話を自動音声(ガイダンス)で受け、要件ごとにシステムで対応したりオペレーターに接続したりします。

稼働状況のリアルタイム表示

オペレーターの稼働状況を一覧で確認できる機能です。どのオペレーターが受電しているか待機しているかがわかります。管理者がオペレーターの状況を一目で把握できるため、的確に業務の振り分けが行え効率を上げられます。

稼働状況のレポート

コールセンターの業務をどれだけこなせているのかが、データでわかる機能です。どれくらいのペースで稼働できているか、オペレーターの調子に問題はないかを数値としてわかりやすくチェックできます。

通話履歴の通知

電話を受けた際に、電話番号をもとに過去のやりとりを履歴として表示します。過去の通話内容を踏まえて対応できるようになるため、顧客満足度を向上できます。

クラウド型コールセンターシステムのメリット

クラウドのコールセンターシステムは、PBXが不要なので容易に導入できます。コールセンターシステムの中でもクラウド型のシステムを導入するメリットは次のとおりです。

  • オペレーターの負担軽減
  • コスト削減
  • 顧客応対の品質が上がる
  • 新人の定着率向上

それぞれの内容について解説します。

オペレーターの負担軽減

クラウド型のコールセンターシステムは、業務の効率化をサポートする機能が豊富に搭載されているので、オペレーターの負担を軽減できます。

従来のコールセンターでは、オペレーターの過剰な業務負担が課題でした。コールセンターシステムを利用すると、回答テンプレートを用いた対応の省力化や、システム連携による顧客情報・応対記録の入力支援が可能です。

また、オペレーターの稼働状況や対応状況をリアルタイムで把握できるため、マネジメントも行いやすく、管理者の負担も減らせるでしょう。

コスト削減

クラウドのコールセンターシステムはコストの削減に役立ちます。まず、上記のように効率化をサポートする機能によって作業にかかる工数が減り、人件費を削減できます。

また回線の使用量を抑えられるため、余計な設備投資にかかる費用が削減可能です。さらに顧客情報を瞬時に出力できるため、通信にかかる時間や費用も減らせるなど、さまざまな部分での経費削減が期待できます。

なおクラウド型コールセンターシステムは、オンプレミス型と比較して初期費用が少ないことから、導入にかかる負担も軽減可能です。

顧客応対の品質が上がる

クラウド型コールセンターシステムを使うと、さまざまな情報の確認や共有が簡単にできるため、顧客応対の品質を上げられます。通話時であれば、通話相手の顧客情報や通話履歴を表示しながら対応ができるため、的確な回答や提案が可能です。

またトークスプリプトや模範解答例といったノウハウも共有・確認しやすいので、オペレーターごとに差が出やすい応対品質も均一化できるでしょう。

問い合わせ状況は一元管理され、一覧で確認できることから、対応漏れや重複対応も防止できます。

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新人の定着率向上

クラウド型のコールセンターシステムは、新人のサポートを行いやすく、オペレーターの定着率向上にも期待できます。従来のコールセンターでは新人オペレーターは覚えることが多く、1人前になるまで時間がかかることから、離職率の高さが大きな課題となっていました。

しかしコールセンターシステムを導入することで、通話録音によるフィードバックや、チャットによる同僚やスーパーバイザーへの相談などが行えます。

模範解答といったノウハウもシステムで共有できるため、戦力化するまでのスピードを早め、オペレーターに自信をつけさせることで定着率を上げられるでしょう。

コールセンターシステムの選び方

コールセンターシステムを導入する際は比較すべき点を明確にすべきです。次の7点は確実にチェックしましょう。

  • インバウンド型か・アウトバウンド型か
  • クラウド型か・オンプレミス型か
  • 必要な機能を洗い出す
  • 回線数またはアカウント数
  • 価格・費用
  • 連携サービス
  • セキュリティ体制

インバウンド型か・アウトバウンド型か

コールセンターシステムを導入する目的によって、インバウンド型、アウトバウンド型のどちらのタイプにするかを決めましょう。前述したようにインバウンド型は顧客からの着信対応を、アウトバウンド型はコールセンターから顧客への架電業務をサポートします。

たとえば、問い合わせや受注受付への対応が目的であればインバウンド型システムを、営業力強化が目的であれば、アウトバウンド型のコールセンターシステムを比較検討しましょう。

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クラウド型か・オンプレミス型か

導入形態は、クラウド・オンプレミスのメリット・デメリットをふまえたうえで検討します。クラウドは導入がしやすく、コストも抑えられますがカスタマイズ性が低くネット環境にされやすいのが特徴です。

またオンプレミスは柔軟にカスタマイズができ、オフライン環境でも利用できる一方で、導入に手間がかかり初期費用も高いのが特徴です。

大手などの大企業であればカスタマイズのしやすいオンプレミスを、中小企業ならミニマムなコストで始められるクラウドを利用するケースが多くあります。ただし、クラウドは導入のしやすさから大手企業でも導入されるケースが増えています。

必要な機能を洗い出す

どのような機能が必要かを洗い出し、必要な機能が搭載されたシステムを選びましょう。一口にコールセンターシステムといっても、搭載されている機能はさまざまです。

自動音声に対応させたいか、CRM機能は充実させるべきか、FAQは必要かなど、目的や規模によっても導入すべきコールセンターシステムは異なります。必要な機能を明らかにし、システムを比較検討しましょう。

回線数またはアカウント数

コールセンターシステムは回線数またはアカウント数によって料金が異なる場合もあるため、比較や確認を行うことが大切です。

事前にオペレーターの人数を把握し、システムの条件内に収まるかチェックします。数が増えるとコストパフォーマンスが良くなるシステムもあるため、選定の際には注意して比較しましょう。

価格・費用

コールセンターシステムを導入する際、かかる費用にはさまざまな要素があるため、注意が必要です。初期費用のかかるオンプレミス型と、月額や年額費用がかかるクラウド型で大きな違いがあります。

上記の回線数・アカウント数にくわえ、初期費用や運用コスト、従量課金などを総合し、予算に見合ったシステムを探しましょう。また小規模コールセンターの場合は、不要な機能が搭載されていないかを確認し、費用対効果を重視するのも大切です。

無料トライアルを実施しているコールセンターシステムもあるので、まずは使用感を試してみるといいでしょう。

連携サービス

コールセンターシステムには、他のサービスと連携できるものも多くあるため、既存システムとの連携ができるか確認してください。たとえばCRMSFAと連携すれば、営業とのやりとりがスムーズになり顧客満足度の向上といった相乗効果が期待できるからです。

ただしコールセンターシステムには横断的に機能を搭載していることもあり、他サービスと連携するか、機能が豊富なシステムを利用するかはよく検討してください。

セキュリティ体制

コールセンターシステムは、セキュリティに定評のあるものを選びましょう。システムには顧客とのやり取りや、個人情報も多く保存されているからです。情報が漏えいしてからでは取り返しがつきません。セキュリティ体制については、入念にチェックを行ってください。

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こちらの動画では、コールセンターシステムの選び方とおすすめのクラウドサービスを紹介しています。

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コールセンターシステムの導入事例

コールセンターシステムの導入事例を紹介します。コールセンターシステムはサービスによって違いが大きいため、導入事例を参考にしながら自社にあったサービスを検討しましょう。

小規模から大手企業まで、幅広い企業規模で導入されています。

スカイツアーズの導入事例

スカイツアーズ業種:旅行業
従業員数:約60名

スカイツアーズが運営しているe-myHOLiDAYは、ネット上で旅行を予約できるサイトです。

課題:顧客の問い合わせに間に合わない

スカイツアーズでは、今まではビジネスフォン用のPBXを利用し顧客に対応していました。しかし、増え続ける問い合わせに間に合わなくなりクラウド型コールセンターシステムを導入しました。

効果:総通話時間が15%減少

コールセンターシステムで、通話時間やコール数をカウントしデータ化しました。数値をもとに研修やシフト変更を実施し、総通話時間を15%以上短縮。インターネットさえあれば通話できるため、災害対策も同時に実現しています。

ラクオリア創薬の導入事例

ラクオリア創薬業種:製造業
従業員数:約70名

製薬会社であるラクオリア創薬は、医薬品の研究・開発や、医薬品・臨床開発候補品に関する基盤技術の知的財産を販売・管理しています。

顧客ニーズの迅速な解消を目的にコールセンターシステムを強化しました。自動音声応答システムをはじめ、顧客にとって短時間で応答できるシステムメンテナンスに成功しています。

課題:広範囲に渡る顧客対応に迫られた

ラクオリア創薬では、株式市場への上場や新規事業の拡大に伴い、問い合わせの増加が予測されていました。そのため拡張性の高いコールセンターシステムを導入し備えることにしました。

効果:広範囲に渡る顧客対応とメンテナンスが充実

コールセンターシステムにより、顧客からの着信を短時間で自動的に最適なオペレーターへつなげられるようになりました。座席数やチャネル数の変更、内線番号の設定が容易にできる点もメリットでした。

コールセンターシステムで顧客対応を効率化しよう

最近では、コールセンターの中でもとくにインバウンドコールセンターを、コールセンターシステムを活用して効率化する企業が増えています。

インバウンドコールセンターとは、問い合わせやクレーム対応の電話に対応するコールセンターです。この対応を改善させることで、業務の効率化や売上アップが期待できます。

コールセンターシステムの特徴や費用を比較して、企業にあったサービスの導入を検討してください。

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