問い合わせ対応を効率化する方法とは?課題や解決策・おすすめシステム
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問い合わせ対応の種類
問い合わせ対応の種類は、主に「社外問い合わせ対応」と「社内問い合わせ対応」の2種類にわかれます。まずはそれぞれの種類を詳しく紹介します。
社外問い合わせ対応
社外問い合わせ対応とは、主に連絡をしてきた顧客に対し、担当者やカスタマーサポートが行う対応です。具体的には、商品の使い方や不具合に対する相談、接客への不満、契約内容の確認や変更などが挙げられます。
社外問い合わせ対応は以前、電話対応やメール対応が一般的でした。しかし、現在は後述するチャットボットもよく利用されるようになってきています。社外問い合わせ対応を効率化させて対応品質が向上すれば、顧客満足度の向上や、継続的な商品の購入、リピーターの獲得につなげられます。
社内問い合わせ対応
社内問い合わせ対応は、連絡をしてきた社員に対し、情報システム部門や経理部門が行う対応です。社内ヘルプデスク、もしくは単純にヘルプデスクとも呼ばれます。具体的には利用しているシステムの使い方や不具合に対する相談、経費精算の方法、ログインに必要なID・パスワードの紛失などが挙げられます。
社外問い合わせ対応よりも質問者との距離が近いため、チャットやメール、そして対面での対応が一般的です。しかし、ヘルプデスクは兼任や少人数で担当していることも多く、次々と寄せられる問い合わせに対応しきれないことも多々あります。そのため、社外問い合わせ対応と同様に、チャットボットやFAQシステムの導入や、マニュアル作成などによる業務改善が必要です。
代表的な問い合わせ内容や業種による違い
問い合わせ内容や対応方法は、業種によって大きく異なります。
たとえば、EC サイトでは、注文、配送、返品に関する問い合わせが多く、金融機関では、口座開設、ローン、投資信託などに関する問い合わせが中心です。IT企業では、ソフトウェアやクラウドサービスの使用方法、不具合に関する問い合わせが多くなります。
また、BtoC企業では、個人客からの問い合わせが主であるのに対し、BtoB企業では、法人客からの問い合わせが中心になります。そのため、業種や顧客層にあわせた問い合わせ対応体制の構築が重要です。
問い合わせ対応はなぜ重要?
問い合わせ対応は、企業にとって単なる業務の一つではなく、重要な戦略的役割を果たしています。次に、問い合わせ対応が重要である理由を詳しく紹介します。
顧客満足度の向上
問い合わせ対応の質は、顧客満足度に直結する欠かせない要素です。
顧客の問い合わせに迅速かつ適切に対応することで、顧客は要望や問題が真摯に受け止められていると感じ、企業に対する信頼や好感度が高まります。逆に、問い合わせ対応が不十分だと、顧客はフラストレーションを感じ、企業に対する評価を下げかねません。
したがって、高品質な問い合わせ対応は、顧客満足度を向上させ、ひいては企業の評判やブランドイメージ向上につながる要素といえます。
顧客ロイヤルティの醸成
問い合わせ対応は、数少ない顧客とのコミュニケーションの機会です。この機会を活かして、顧客一人ひとりのニーズを理解し、きめ細かい対応を行うことで、顧客のロイヤルティを高められます。
たとえば、問い合わせ対応を通じて顧客との関係性を築き、信頼を得ることで、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得につなげられます。
顧客ロイヤルティは、企業における安定的な成長や収益性の向上に不可欠な要素であり、問い合わせ対応は顧客ロイヤルティの醸成に大きく貢献する原点です。
製品・サービスの改善
問い合わせ対応は、顧客からの生の声を収集できる貴重な機会でもあります。顧客から寄せられる問い合わせ内容を分析することで、製品やサービスの改善点や新たなニーズを発見可能です。
たとえば、特定の機能に関する問い合わせが多い場合、機能の使い勝手に問題がある可能性もあります。こうした気づきを製品・サービスの改善に活かすことで、顧客満足度の向上やニーズにあった新商品の開発につなげられます。
このように、問い合わせ対応は企業における継続的な改善と成長を支える重要な情報源です。
問い合わせ対応の課題
問い合わせ対応の効率化が求められる理由としては、次の7つの課題が挙げられます。
- 問い合わせの数が多すぎる
- 1件当たりの対応に時間がかかり平均処理時間(AHT)が長い
- 担当者によって対応する内容や品質の差が出る
- 同じような内容の問い合わせが頻繁に発生している
- 問い合わせ対応にかかるコストの負担が大きい
- 問い合わせチャネルが多岐にわたる
- 問い合わせ対応の評価指標が不明確
それぞれの課題について説明します。
問い合わせの数が多すぎる
ビジネスの拡大やサービスの多様化に伴い、問い合わせ件数が増加傾向にある企業は多いです。
しかし、問い合わせ対応にかける人的リソースには限りがあるため、件数増加に対応できず、応答率の低下や顧客満足度の低下を招く恐れがあります。
とくに、繁忙期やキャンペーン期間中は問い合わせが集中し、対応が追いつかなくなるケースもあります。問い合わせ数の増加に対して、いかに効率的に対応できる体制を整えるかが重要な課題です。
1件当たりの対応に時間がかかり平均処理時間(AHT)が長い
問い合わせ内容が複雑化・多様化したり、必要な情報が不足していたりすると、1件あたりの対応時間が長引く傾向にあります。
平均処理時間(AHT:Average Handing Time)が長いと、応答率の低下や顧客満足度の低下につながります。また、オペレーターの生産性も下がり、結果的に人件費といったコストがかさみかねません。
もし長い問い合わせ対応が新たな売り上げ創出につながるのならば、AHTが長いのも仕方ないかもしれません。しかし大抵の場合はオペレーションの不備が原因であるため、コスト削減、顧客満足度向上のためにAHTの最適化を行う必要があります。
担当者によって対応する内容や品質の差が出る
問い合わせ対応は、担当者の知識やスキル、経験によって、回答内容や品質にばらつきが出ることもあります。これは、顧客に不公平感や不信感を与えてしまう原因です。
さらに、担当者が不在の場合や離職した場合、ノウハウが引き継がれず、対応品質の低下を招くリスクもあります。マニュアルの整備や定期的な教育、ナレッジマネジメントの強化などにより、担当者間の対応品質を平準化することが重要です。
同じような内容の問い合わせが頻繁に発生している
Webサイトやマニュアルの情報不足、製品・サービスの不具合など、同じような内容の問い合わせが繰り返し発生することもあります。
これは、問い合わせ対応の業務効率を下げるだけでなく、根本的な問題の解決にもつながりません。
問い合わせ内容を分析し、FAQの整備、Webサイトやマニュアルの改善、製品・サービスの品質向上などに活かすことで、問い合わせ自体を減らす取り組みが必要です。
問い合わせ対応のコスト負担が大きい
問い合わせ対応には、人件費、システム導入費、通信費など、さまざまなコストがかかります。とくに、問い合わせ件数の増加に伴い、コストが増大する傾向にあります。
そのため、限られた予算の中でいかに効果的かつ効率的に問い合わせ対応を行うかが課題です。自動化やセルフサービス化の推進、アウトソーシングの活用などにより、コスト最適化を図ることが求められます。
問い合わせチャネルが多岐にわたる
現代では問い合わせの手法も増え、電話、メール、チャット、SNSなど、問い合わせチャネルが多様化しています。しかし、チャネルごとに対応方法やツールが異なると、オペレーターの負担が増大し、作業効率が低下しかねません。
また、顧客にとってもチャネルごとに対応品質にばらつきがあると、不満を感じる原因になります。チャネルを横断した一元的な対応体制の構築と、チャネル間の対応品質の平準化も問い合わせ対応における課題です。
問い合わせ対応の評価指標が不明確
問い合わせ対応の評価指標や目標設定が不明確だと、業務改善の方向性が定まらず、効率化が進みません。単に応答率やAHTを重視するだけでは、顧客満足度の向上につながらない場合もあります。
顧客満足度、ファーストコンタクト解決率、売り上げ貢献度など、多面的な評価指標を設定し、PDCAサイクルを回すことが重要です。
問い合わせ対応を効率化させる方法
問い合わせ対応を効率化させるためには、次の3つの観点で改善を試みましょう。
- 問い合わせ自体を減らす
- 1件あたりの対応時間を減らす
- 問い合わせ対応の品質を整える
まずは、それぞれの方法について簡単に説明します。
問い合わせ自体を減らす
問い合わせ対応を効率化するためには、まず問い合わせ自体を減らすことが重要です。問い合わせ数が少ないほど、1日あたりの問い合わせ数の上振れ、下振れは少なくなります。
また、問い合わせ自体を減らすことで、オペレーターの負担が軽減され、効率化を図れます。
1件あたりの対応時間を減らす
1件あたりの対応時間を減らすことも、問い合わせ効率化のためには有効です。
対応時間を減らすためには、顧客との対話時間を減らす、もしくは対話前後に行う対応履歴作成のような、作業時間を減らすアプローチが考えられます。
ただし、1件あたりの対応時間をただ減らすだけだと、対応履歴の入力ミスや顧客満足度の低下などにもつながるため注意が必要です。
問い合わせ対応の品質を整える
問い合わせ対応の効率化を進めるうえでは、品質を維持・向上することも欠かせません。そのためには、オペレーターの教育・研修を充実させ、対応スキルを向上させることが重要です。
品質の高い問い合わせ対応は、顧客満足度の向上につながり、ひいては問い合わせ自体の減少にも寄与します。
問い合わせ自体を減らす方法
問い合わせ自体を減らすためには、次の手法が効果的です。
- FAQを充実させる
- チャットボットを導入する
- 製品・サービス自体を改良する
- ユーザーガイドや製品マニュアルを充実させる
それぞれの施策について説明します。
FAQを充実させる
FAQを充実させることは、問い合わせ自体を減らすために非常に有効な方法です。よくある質問と回答を網羅的にまとめ、わかりやすく整理することで、顧客はみずから答えを見つけられるようになります。
FAQを作成する際は、問い合わせ内容を分析し、頻度の高いものから優先的に取り上げましょう。また、定期的にFAQを更新し、最新の情報を提供することも欠かせません。
FAQを充実させることで、問い合わせ件数の削減と顧客満足度の向上を同時に実現できます。
チャットボットを導入する
チャットボットとは、ユーザーからの質問に対してシステムが自動で返答するツールです。チャットボットを導入することで、よくある問い合わせには自動で応答できるようになり、問い合わせ件数を大幅に削減できます。
チャットボットは24時間365日稼働するため、顧客は好きな時間に問い合わせができ、即時に回答を得られます。また、チャットボットによる応対は一貫性があり、人的ミスも起こりにくいといった点もメリットです。
チャットボットを導入する際は、シナリオを綿密に設計し、自然な会話ができるようにチューニングしましょう。
製品・サービス自体を改良する
製品やサービスの品質を向上させることも、問い合わせ自体を減らすための根本的な解決策です。使いやすさや機能性を高め、不具合を減らすことで、顧客が抱える疑問や不満を未然に防げます。
また、新機能の追加や改善点をわかりやすく説明することで、問い合わせの発生をさらに抑えられます。
製品・サービスの改良には時間と労力を要しますが、顧客満足度の向上と問い合わせ件数の削減に大きく貢献する重要な施策です。
ユーザーガイドや製品マニュアルを充実させる
ユーザーガイドや製品マニュアルを充実させることも、問い合わせ自体を減らすために有効な方法です。製品の特徴や使い方、よくある質問への回答などを詳しく記載することで、顧客はみずから疑問を解決できるようになります。
ガイドやマニュアルは、紙媒体だけでなく、オンラインでも提供し、いつでも閲覧できるようにすることが大切です。また、動画やイラストを活用し、視覚的にわかりやすく説明することも効果的です。
充実したガイドやマニュアルは、顧客の自己解決を促し、問い合わせ件数の削減につながります。
1件あたりの対応時間を減らす方法
問い合わせ1件あたりの対応時間を減らしたい場合、次のような手法が考えられます。
- 問い合わせ情報を一元管理する
- 対応状況を可視化する
- テンプレートを活用する
- IVRで適切な窓口に誘導する
- 問い合わせ内容の分析と改善を図る
- AIやRPAを活用した自動化
問い合わせ情報を一元管理する
問い合わせ情報を一元管理することで、オペレーターは必要な情報にすぐにアクセスでき、対応時間を短縮可能です。
顧客情報、問い合わせ履歴、対応ログなどを一つのシステムで管理することで、オペレーター間の情報共有も円滑になります。また、一元管理されたデータを分析することで、問い合わせ内容の傾向や課題を把握し、業務改善に役立てられます。
問い合わせ情報の一元管理は、対応品質の向上と業務効率化に不可欠な取り組みです。
対応状況を可視化する
対応状況を可視化することで、オペレーターは問い合わせの進捗状況を常に把握でき、優先度の高い案件から効率的に処理できます。また、対応の遅れや滞留を早期に発見したうえでの、適切な対策も可能です。
問い合わせ対応には、顧客からの問い合わせに対応する時間だけではなく、オペレーター同士で情報共有したり、対応状況を確認したりする時間も必要です。このとき対応状況を可視化できていれば、確認にかかる作業は削減できます。
対応状況の可視化は、オペレーターのモチベーション向上にもつながり、問い合わせ対応の生産性を高められます。また、対応状況を可視化することにより、不注意による連絡ミスや対応が困難な案件を見逃すリスクも軽減可能です。
テンプレートを活用する
よくある問い合わせには、回答テンプレートを用意することで、対応時間を大幅に短縮できます。テンプレートには、問い合わせ内容に応じた標準的な回答文や、関連する情報へのリンクなどを盛り込むことが重要です。
問い合わせケースごとにテンプレートを整備できれば、社内での情報共有や別のオペレーターへの申し送りの準備といった、反復的に行う業務の時間を削減できます。
テンプレート作成や帳票整備は資金をかけずにできるだけでなく、すぐ効果を得られやすいといったメリットがあります。この施策は、問い合わせ効率化のための第一歩としてとくにおすすめです。
IVRで適切な窓口に誘導する
IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答システム)を活用し、問い合わせ内容に応じて適切な窓口に誘導することで、無駄な転送を防ぎ、対応時間を短縮できます。
コールセンターで受ける質問の範囲が広い場合、オペレーターごとに担当分野がわかれていることも少なくなりません。こういったコールセンターでは、一次対応するオペレーターのところで問い合わせが滞留する可能性もあります。
そこでIVRを活用すれば、たとえば製品の不具合に関する問い合わせは技術サポート部門に、請求に関する問い合わせは経理部門にといった形で、自動的に振りわけ可能です。
また、IVRで問い合わせ内容をあらかじめ絞り込むことで、オペレーターもより効率的に対応可能です。IVRの導入には一定のコストがかかるものの、対応時間の短縮と顧客満足度の向上に大きく貢献します。
問い合わせ内容の分析と改善を図る
問い合わせ内容を定期的に分析し、傾向や課題を把握することでも、対応時間の短縮につなげられます。
たとえば、特定の製品や機能に関する問い合わせが多い場合、マニュアルやFAQを改善することで、問い合わせ自体の削減が可能です。また、オペレーターの対応内容を分析し、ベストプラクティスを共有することで、対応品質の向上と時間短縮を図れます。
チャットボットであれば、最後の回答に対し「この回答は役に立ちましたか?」といったアンケートを実施するのもおすすめです。回答の表示回数が多いにもかかわらず、「役に立たなかった」の回答が多い場合は、回答の内容を修正することで効率化が図れます。
AIやRPAを活用した自動化
AIやRPA(Robotic Process Automation)を活用することで、問い合わせ対応の自動化を進め、対応時間を大幅に短縮できます。
たとえば、AIを用いて問い合わせ内容を自動で分類し、適切な回答テンプレートを提示可能です。また、RPAを活用して、定型的な処理や情報入力を自動化することで、オペレーターの負担を軽減できます。
AIやRPAの導入には専門的な知識とコストが必要なものの、業務効率化と対応品質の向上に大きく貢献します。
問い合わせ対応の品質を整える方法
問い合わせ品質を整えるためには、人材の教育やインフラ整備も必要です。具体的には、次のような施策が必要です。
- マニュアルやフローチャートを整備する
- 教育・研修でオペレーターのレベルを上げる
- 対応事例を共有する
- アウトソーシングを活用する
それぞれの施策について説明します。
マニュアルやフローチャートを整備する
問い合わせ対応の品質を整えるためには、マニュアルやフローチャートの整備も重要です。マニュアルには、問い合わせ対応の基本的な手順や注意点、よくある質問への回答例などを記載しましょう。
また、フローチャートを用いて、問い合わせ内容に応じた対応の流れを視覚的に表現することで、オペレーターは適切な対応ができるようになります。
マニュアルやフローチャートは、定期的に見直し、最新の情報に更新することが必要です。これらのドキュメントの整備は、オペレーター間の対応品質の平準化にも役立ちます。
さらに、対応の均質化ができれば、顧客の反応をもとにマニュアルやフローチャートを見直しやすくなる点もメリットです。定期的に改善ができれば、さらに高品質かつ効率的な問い合わせ対応を目指せます。
教育・研修でオペレーターのレベルを上げる
オペレーターの教育・研修を充実させることは、問い合わせ対応の品質向上に不可欠です。
新人オペレーターには、基礎的な対応スキルや製品知識の習得を目的とした研修を実施します。また、経験豊富なオペレーターに対しては、より高度な対応スキルやコミュニケーション能力の向上を図るための研修を行います。
定期的なロールプレイングや事例検討会を通じて、オペレーターの実践的なスキルを磨くことも効果的です。また、外部の研修に通うのはもちろん、社内で高い接遇力をもったオペレーターの対応を分析し、ノウハウを部署全体に共有するのもおすすめです。
教育・研修の成果を評価し、継続的な改善につなげましょう。
対応事例を共有する
問い合わせへの対応品質を管理する際に、頭を悩ませるのがイレギュラーな問い合わせへの対応です。
定型的な問い合わせはマニュアルを整備し練習すれば、経験の浅いオペレーターでもある程度対応できます。しかし頻度の低い問い合わせについてマニュアルを整備し、オペレーターを教育するのは簡単にいきません。
こうした問い合わせについては、対応事例を共有することが効果的です。イレギュラーな問い合わせに対する優れた対応事例や失敗事例を共有することで、オペレーター間で知識やノウハウを共有し、対応品質の向上を図れます。
事例共有の方法としては、定期的な勉強会やミーティングの開催、社内ポータルサイトでの事例公開などが考えられます。事例共有の際は、対応の良かった点や改善点を明確にし、オペレーターが実践に活かせるようにすることが大切です。
また、優れた対応ができたオペレーターを表彰することで、モチベーションの向上にもつなげられます。対応事例の共有は、組織全体の問題解決力の向上にもつながる施策です。
アウトソーシングを活用する
必要に応じてコールセンター業務をアウトソーシングするのもおすすめです。コールセンターは内製化できれば最善ですが、そもそもコールセンター運営のノウハウがない、もしくは任せられる管理者が存在しない場合も考えられます。
この場合、コールセンター業務のノウハウをもった企業が業務を行うことで、一定の対応品質が担保できます。また社内で人員を雇用しなくていいため、コールセンターの規模を縮小する場合も、融通を利かせやすいのは大きなメリットです。繁忙期や閑散期の調整も容易になり、安定的なサービス提供が可能になります。
ただし、コールセンター業務をアウトソーシングすると、社内に問い合わせ対応のノウハウが蓄積されない点には注意しましょう。
問い合わせ対応の効率化におすすめのツール
問い合わせ対応の効率化におすすめのサービスを紹介します。
- 初期費用0円、月額1,500円※から利用できるチャットシステム
- 簡単にチャットボットの設定・運用ができる
- ボットとオペレーターが協働して顧客対応できる
チャットプラスは、カスタマーサポート効率化するチャットシステムです。業界別のテンプレートが充実しており、シナリオが簡単に設計できる仕様であるため、プログラミングの知識がない方でもチャットボットを作成できます。
またチャットボットに問い合わせ対応を任せるだけではなく、途中で有人対応への切り替えが行えます。
※出典:チャットプラス「【月額1,500円~ 】チャットボット導入実績No.1|チャットプラス」(2024年4月14日閲覧)
Salesforce Service Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 複数チャネルからの問い合わせを一元管理できる
- ワークフロー、承認機能で問い合わせ対応効率を向上
- 分析機能が充実、問い合わせ対応の効率を見える化
Service Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供しているカスタマーサポート効率化システムです。
Salesforceシリーズのコンタクトセンター向けシステムで、問い合わせ管理やCTI、ナレッジ管理といった機能を搭載しています。「Einstein」と呼ばれるAIによって、対応記録の文字起こしや担当者の振りわけ、チャットボットによる顧客対応が可能であり、オペレーターの業務負担削減にも貢献します。
- 問い合わせ進捗管理が効率的に行える
- 7種類のサービスがあり、複合的に使用して大幅な業務効率改善が見込める
- 連携できる他アプリが豊富
Zendeskは、カスタマーサポート効率化システムです。
問い合わせ管理の「Zendesk Support」、ナレッジベースの「Zendesk Guide」、チャットツールの「Zendesk Chat」といったように機能別に7つのツールが存在します。
MiiTel Phone - 株式会社RevComm
- 工事不要で導入できるビジネス向けのスマート電話
- IVR機能で着信先を振りわけられる
- 話す速度、ラリー回数、被せ率などでAIが話し方を評価
MiiTel Phoneは、IP電話と録音・文字起こし・音声解析が一つになったビジネス向けのスマート電話です。スマート電話にコールセンター向けのさまざまな機能が搭載されており、売り上げ・商談数UPや教育・ノウハウ蓄積、データ可視化・連携といった効果が期待できます。
インターネット電話のため固定電話や工事が不要で導入できます。スマートフォンアプリを使えばテレワークも可能です。Salesforceやkintoneなどのツールと自動連携できるため、他部署との情報共有も容易です。
- さまざまな規模のコールセンターに対応したクラウド型CTI
- カスタマイズは基本0円※、追加作業費がほとんど発生しない料金設計
- コールセンターに求められるさまざまな機能を標準搭載
CT-e1/SaaSは、IP電話や既設PBX、スマートフォンなど設備にあわせて柔軟に導入できるクラウドサービスです。
着信順番を管理する待ち呼や、音声ガイダンスを再生するIVRなどコールセンターで必要な機能が搭載されています。クラウド型でありながら開発スタッフが専門設計にかかわるため、各社のニーズにあわせて細やかなカスタマイズを行えるのが特徴です。
※出典:コムデザイン「料金・導入フロー | これからのテレフォニープラットフォーム クラウドCTI "CT-e1/SaaS" | コムデザイン」(2024年4月14日閲覧)
問い合わせ対応の効率化を進めるステップ
問い合わせ対応の効率化を進める際は、次のようなステップで進めましょう。
現状分析と課題の特定
まず、現状の問い合わせ対応プロセスを詳細に分析し、どこに問題があるのかを特定します。問い合わせ件数、平均対応時間、顧客満足度など、定量的なデータを把握することが重要です。また、オペレーターへのヒアリングを通じて、現場の生の声を収集することも欠かせません。
目標の設定
現状分析を踏まえて、達成すべき目標を設定します。設定する目標は現実的でありながらも、ある程度の挑戦性をもったものにしましょう。また、長期的な目標と短期的な目標を設定することで、段階的に効率化を進められます。
問い合わせ対応効率化の定量的な目標設定の重要性
問い合わせ対応の効率化を進めるうえで、定量的な目標設定は欠かせません。漠然と「効率化を進める」だけでは、具体的な行動に移しにくく、進捗状況も把握しづらいからです。
たとえば、「1年で問い合わせ件数を20%削減する」「平均対応時間を3分短縮する」といった具体的な数値目標を設定することで、目指すべき方向性が明確になります。また、定期的に目標の達成状況を確認することで、施策の効果を検証し、必要に応じて軌道修正できます。
このようにPDCAサイクルを回すことが、効率化を着実に進めるうえで重要です。定量的な目標設定は、効率化のスタート地点となる重要な役割を果たします。目標設定の際は現状の数値を把握したうえで、達成可能でありながらも、ある程度の挑戦性のある目標を設定することが大切です。
また、目標は全社的な目標と、部署ごとの目標、個人ごとの目標といったように、階層別に設定することが効果的です。全社的な目標を達成するために、各部署や個人がどのような目標を設定し、行動すべきかを明確にすることで、組織全体で効率化に取り組めます。
定量的な目標設定は、問い合わせ対応の効率化に限らず、あらゆる業務改善において重要な役割を果たします。効率化を進める際は、まず目標設定から始めましょう。
施策の立案と実行
目標達成に向けて、具体的な施策を立案します。FAQの整備、チャットボットの導入、オペレーターの教育など、多角的なアプローチが必要です。施策の立案に際しては、コストと効果のバランスを考慮し、優先順位をつけることが重要です。また、施策の実行に際しては、関係部署との連携を密にし、全社一丸となって取り組むことが求められます。
効果の検証と改善
施策の実行後は、効果検証を実施しましょう。目標の達成状況を確認し、施策の有効性を評価します。うまくいった点、うまくいかなかった点を分析し、次の改善につなげることが重要です。また、定期的にオペレーターの声を収集し、現場の状況を把握することも欠かせません。
継続的な改善
効率化は一朝一夕で実現できるものではありません。継続的な改善の積み重ねが重要です。上記のステップを繰り返し、PDCAサイクルを回すことで、問い合わせ対応の効率化を着実に進められます。また、定期的に目標や施策の見直しを行い、変化する環境や顧客ニーズに適応することも大切です。
問い合わせ対応の効率化にはシステム導入がおすすめ
問い合わせ対応を効率化すると、コールセンターのコスト削減、顧客満足度の向上といったメリットがあります。顧客への対応窓口として、コールセンターが大きな役割を果たしている企業は、積極的に効率化を進めましょう。問い合わせ対応を効率化する際は、次のような観点から施策を検討すべきです。
- 問い合わせ自体を減らす
- 1件あたりの対応時間を減らす
- 問い合わせ対応の品質を整える
問い合わせ対応を効率化させるシステムについてより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較しましょう。
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