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経費精算とは?経費の対象・精算のやり方・システムで効率化する方法

最終更新日:(記事の情報は現在から575日前のものです)
経費精算とは、従業員が業務にかかった費用を申請し、会社から払い戻してもらう仕組みのことです。経費精算の用語や経費の対象と勘定科目、精算の流れとやり方、経費精算システムなど経理業務を効率化する方法を解説します。経理や会計業務の生産性向上にお役立てください。

経費精算とは

経費精算とは、従業員が業務に使った費用を申請し、会社から払い戻してもらうことを指します。

経費精算には大きく分けて小口精算、交通費精算、旅費精算の3種類が存在し、それぞれ経費を使った用途に応じて分類されます。

経費精算の運用は企業によってさまざまです。申請方法が紙やExcel、経費精算システムのいずれなのか、精算する際は現金を手渡しするのか、給料と同時に振り込むのかといった違いがあります。また、金額や内容によっては、事前に稟議が必要なケースもあります。詳しくは経理担当者に確認しましょう。

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小口精算とは

小口精算」とは、従業員が業務上必要な少額の経費を立て替えた後、領収書や明細書を部署の会計係に提出してその都度現金精算してもらう方法です。

小口精算を行うには、部署や店舗ごとに少額の現金である「小口現金」を用意しておく必要があります。小口精算は、「小口現金出納帳」を使用してその都度入出金を記録し、小口現金との残高を照合します。

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立替経費とは

経費精算において、会社経費を従業員が一時的に立て替えた費用を「立替経費」といいます。立替経費は従業員の金銭的負担となるため、適宜「仮払金」で事前におおよその費用を支払う運用がおすすめです。

立替経費は、所得には該当せず、所得税の対象にもなりません。立替経費を給与と一緒に支払う場合には、立替経費から源泉徴収したり社会保険料を差し引いたりする必要はありません。

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経費の対象

経費とは、会社が事業を営むうえで必要な売上に紐づいている費用全般を指します。代表的な経費の勘定科目には次のような項目が挙げられます。

勘定科目
給料賃金 正社員やパートに支払った給料、賃金、退職金
法定福利費 健康保険や厚生年金保険、労災保険で会社が負担すべき費用
地代家賃 事務所や店舗、駐車場のために支払った賃料
減価償却費 自動車やパソコンなどの設備を耐用年数に合わせて分割した経費
旅費交通費 営業や出張に使用した交通料金や宿泊代
消耗品費 文房具や用紙など取得価額が10万円未満か使用可能期間が1年未満の消耗品購入費用
接待交際費 取引先との会食の飲食費、贈答品の費用など
広告宣伝費 新聞や雑誌、メディアなどの掲載料、広告のための費用
外注工賃 外部に仕事を業務委託した費用
新聞図書費 仕事で使う新聞や書籍の代金
租税公課 固定資産税や自動車税などの税金
支払手数料 振込手数料や代引き手数料、仲介手数料
水道光熱費 水道、ガス、電気料金
通信費 電話料金や切手代
雑費 どれにも当てはまらない事業に必要な経費

経費の対象外となるもの

経費の対象外となるものは、事業を営むのに不要な売上に紐づいていない出費です。たとえば、役員や従業員がプライベートで行った旅費や私物の購入代金は、もちろん経費となりません。

また、会社の利益に対してかかる法人税、住民税、事業税は、経費ではないため経費精算の対象になりません。一定以上の接待交際費、駐車禁止で発生した罰金なども経費の対象外となります。

なお、税務会計上は経費としては扱わずとも、規則によっては会社から従業員に給付される場合はあります。

経費精算の方法・やり方

経費精算の手順として、一般的に次の7段階が考えられます。これらには、上長の事前承認が必要だったり、経費精算システムによって割愛できたりするケースはあります。いずれにしても会社の規則に則った経費精算を行いましょう。

1. 従業員が経費を立替

従業員が、交通費や接待交際費、備品の購入費などの費用を会社に代わって支払います。金額によっては上長や経理担当者などの事前決裁が求められるケースもあるでしょう。また、支払いが現金ではなくコーポレートカードの場合もありえます。

なお、月またぎの経費になった場合、税法上は処理可能です。民法166条では経費精算の時効が10年または5年とされているため、時効の期間内であれば精算可能です。

2. 従業員が領収書を受領

従業員が、サービス提供者から領収書を受け取ります。支払った金額や日付、明細などが記載されていれば、レシートであっても税法上は有効です。

なお、領収証やレシートなど支払ったことを証明する書類はまとめて「証憑」と呼ばれます。

3. 従業員が経費精算書を作成

従業員が経費精算書を作成して会社に申請します。

この際「2. 従業員が領収書を受領」で受け取った領収書を忘れずに添付しましょう。経費精算システムを導入している場合は、経費精算書の代わりにシステムで申請、領収書原本の代わりにデジタル画像で申請といったケースもあります。

4. 上長が経費を承認

上長が、従業員の申請した経費を、必要があれば押印をして承認します。

企業によって承認の必要な上長の数や相手は異なるので、確認が必要です。経費精算システムではなく、紙による申請で上長が出張で不在の場合には、この段階でフローの止まるケースが多くあります。

5. 経理担当者が経費を承認

続いて経理担当者が、経費精算規定の申請期限内に申請された経費の承認可否を判断します。

必要に応じて、何に使用した費用なのかといったヒアリングも実施。ルールと照らし合わせて間違いがなければ、経費が承認され無事に精算が決定します。

6. 経理担当者が立替を精算

経理担当者が、経費精算規定の精算日に申請者に対して経費を精算します。

現金を手渡しするケース、給料日にまとめて口座へ振り込むケースなどが一般的です。ただし、申請方法と同様に精算方法も企業によって形式はさまざまです。

7. 経理担当者が書類を保管

経理担当者が、申請された内容を仕訳して会計システムへ入力します。

経費精算の書類は決算の際に使用するため、税務調査の際には証憑として提出できるよう準備が必要です。最低7年間は法律によって領収書の保管が求められているので、紛失しないように注意しましょう。

経費精算書の種類

経費精算時に使う代表的な書類としては、「仮払経費申請書」「仮払経費精算書」「出張旅費精算書/旅費精算書」の3種類があります。ただし、実際は企業ごとで運用が異なり、より細分化されていたり、経費精算システムで入力するため不要だったりします。

仮払経費申請書

仮払経費申請書は、高額な立替経費が発生すると予測される時点で申請する書類です。主に出張の移動費や宿泊費などで用いられます。

会社から一時的に概算の経費を前払いしてもらうために使用します。会社から仮払金を受け取るためには、経費の内容や概算について説明する必要があります。

仮払経費精算書

仮払経費精算書は、仮払いで受け取った現金を具体的に何に使用し、過不足がどの程度発生したのかを申告するための書類です。

一般的には、仮払経費申請書と仮払経費精算書はセットで運用されます。申請期限や書類に記載する内容は企業によって異なるため、精算規則を確認しておきましょう。

出張旅費精算書/旅費精算書

出張旅費精算書・旅費精算書は、旅費精算に使用する経費精算書です。

企業によっては通常の経費精算とは別に旅費や出張の規定が定められており、別途申請を求められます。宿泊費の上限が決まっていたり、日当が発生したりと、企業によってルールが異なるケースも多いので、これらの経費精算の規定の確認は必須です。

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経費精算を効率化する方法

経費精算を効率化してコストを削減するためには、「BPO・アウトソーシング」「Excel」「経費精算システム」の3つが主に考えられます。経費精算は経理業務の中でもっとも負担になりやすい業務の一つです。効率化してほかの重要な業務に時間を回しましょう。

BPO・アウトソーシング

経理業務の一部もしくはすべてを、アウトソーシングして効率化する方法です。中小企業で経費担当者が不足しているケース、年末調整をはじめ繁忙期に臨時で依頼するケースなどが存在します。

小規模な経理業務からアウトソーシング可能なBPOサービスも存在するので、状況に合わせてメリットがあるか検討するとよいでしょう。

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Excelの使用

経理の経費精算業務は、Excelを使用すれば効率化できます。紙の書類と比べてデータで処理でき、書類を紛失するリスクも低減できます。Officeソフトをすでに使っていれば、導入費用がかからないため、すぐに経費精算の効率化に取り組みたい企業にとっておすすめです。

経費精算システムの導入

経費精算システムは、経費精算、交通費精算、旅費精算を効率化するためのシステムです。

経費精算システムは、書類の申請、領収書ファイルの添付、振り込み金額の計算などをシステムで一括で行うため、経費の申請から精算までを大幅にスピードアップできます。グローバルな展開を考えている場合は、英語で利用できるシステムも検討するとよいでしょう。

会計ソフトや給与計算ソフトとの連携する場合は、さらなる効率化を実現できるため、ぜひシステム導入を検討しましょう。

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次では具体的に、クラウド経費精算システムのメリットについて詳しく解説していきます。

クラウド経費精算システムのメリット

経費精算システムでは、次のようなメリットがあるクラウド経費精算システムを導入するのがおすすめです。

経費申請の手間が減る

クラウド経費精算システムによっては、従業員がスマートフォンのアプリからレシートや領収書を撮影するだけで、OCR機能を利用して自動的に経費申請ができます。クラウド対応なので、外出先や出張先でも迅速に申請可能です。

クラウド経費精算システムには、ICカード連携、定期区間の自動排除、経路検索による最短経路の特定といった交通費精算を効率化する機能も備わっています。法人向けクレジットカードや銀行システムと連携して、決済データを取り込めるシステムもあります。

処理するべきデータが少量であればExcelでも管理できるものの、大量のデータを扱う場合はシステムを使って時間やコストを減らしたほうがメリットが大きいでしょう。

承認手続きの迅速化

クラウド経費精算システムは、経費承認のワークフローが可視化され、進捗状況がオンラインで把握できます。経理担当による領収書の突合作業も減らせるため、承認手続きが迅速になります。

経理業務の負担低減

クラウド経費精算システムは、経理業務の負担軽減が大きなメリットです。経理担当による、申請書類の内容、領収書確認といった煩雑な業務を削減します。紙の書類や領収書の管理・保管、手作業での検索にかかる労力、紛失のリスクも減らせます。

経費精算システムと会計ソフトとの連携により、会計仕訳と振込作業を自動化でき、経理業務が格段に合理化されるでしょう。

不正防止

クラウド経費精算システムは、ICカードや法人クレジットカードと連携して正確なデータを取得するため、従業員の経費の不正申請を防止できます。また、経費精算がリアルタイム化するため、お金の動きが追跡しやすくなり、経費の不正利用を防ぐことにつながります。

電子帳簿保存法に対応

電子帳簿保存法に対応したクラウド経費精算システムを導入すれば、紙の領収書の原本保存が不要となり、経理担当の負担が低減されます。会社のペーパーレス化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも寄与します。

導入にあたっては、「JIIMA認証」の電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得した、クラウド経費精算システムを選ぶようにしましょう。

参考:国税庁 JIIMA認証情報リスト

クラウド経費精算システムのデメリット

導入まで時間がかかる

クラウド型システムは必要事項を入力すればすぐに利用開始できますが、実際に従業員が使えるようになるまではマニュアルを用意したり、レクチャーが必要だったりと時間がかかります。マニュアル作成や事前レクチャーの時間をあらかじめ見積もっておきましょう。

自社にあったシステムを選ぶのに時間がかかる

クラウド型経費システムはさまざまなタイプがあります。自社の経費精算フローを洗い出し、どのような機能が必要かリストアップしてから選ぶようにしましょう。

経費精算システムを導入して経費精算を効率化しよう

経費精算とは、業務のために支出した費用を精算する業務を指します。経理担当者の業務のなかでも他者とのコミュニケーションが多く発生し、負担になりやすい業務のため、効率化がもとめられます。

また、経費精算システムであれば、会計ソフトや給与計算システムとの連携によって工数の削減可能。具体的な経費精算システムの内容については次の記事を確認してください。

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