社内向けチャットボット比較!導入メリットや選び方
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社内向けチャットボットとは
チャットボットとは、「chat(チャット)」と「bot(ボット)」を組み合わせた言葉で、チャット上で動く自動会話プログラムのことです。社内向けチャットボットは、チャットボットの中でも社内からの問い合わせに対し、自動でFAQやナレッジを参照して回答するボットを指します。
社内ヘルプデスクやバックオフィスは、社員数が多いと質問に回答するだけの業務でも多く時間を割かれるため、社内向けチャットボットを導入することで業務効率化が期待できます。
社内向けチャットボットの主な機能
社内向けチャットボットでできること、利用できる機能は次のとおりです。
【基本的な機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| シナリオ設定機能 | ユーザーが必要な情報にたどり着くまでのシナリオを設計できる機能 |
| ダッシュボード機能 | 利用状況を可視化できる機能 |
| ログ解析・レポート機能 | 問い合わせ内容を記録して分析、レポートの抽出が可能な機能 |
| テンプレート機能 | よくある質問と回答のテンプレートを利用できる機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 機械学習・自動学習(AI型) | 蓄積したデータを解析して精度の高い回答ができる機能 |
| サジェスト機能(AI型) | ユーザーが入力するときに自動で質問の候補を表示する機能 |
| 聞き返し機能(AI型) | 入力された質問に聞き返しをして回答を絞り込む機能 |
| カスタム質問機能 | テンプレートにない独自の質問を登録して対応できるようにする機能 |
| CSVインポート機能 | 質問や回答をCSVで一括登録できる機能 |
| 有人チャット機能 | チャットボットで対応できない問い合わせに返信できる機能 |
| 外部ツールとの連携機能 | ビジネスチャットツールや既存のCRM、SFAなどと連携が可能な機能 |
社内の問い合わせ業務を効率化したい場合はテンプレート機能が、社外向けにも利用したい場合や社内の利用率を上げたい場合は外部ツールとの連携機能を搭載しているサービスがおすすめです。
社内チャットボット導入前の課題とは
社内向けチャットボット導入前のよくある課題は次の3つです。
- 社員が社内FAQを活用できていない
- 優先すべきコア業務に集中できない
- 問い合わせ業務の属人化や時間の制限
それぞれの課題について詳しく紹介します。
社員が社内FAQを活用できていない
社内FAQやマニュアルに必要な情報はあるにもかかわらず、これらの内容に関する質問が、社内ヘルプデスクやバックオフィスに寄せられているのが大きな課題です。
しかし社員側からすれば、FAQが使いにくい、マニュアルの場所がわからないといった問題を抱えているケースが多々あります。
これにより、従業員は「自分で答えを探すよりも問い合わせた方が早い」といった結論に達します。そのため、より使いやすく素早く答えにたどり着ける体制の整備が重要です。
優先すべきコア業務に集中できない
社内のバックオフィスや社内ヘルプデスクには多くの部署から毎日質問が届くため、精神的な負担が大きく、コア業務に集中できないことも大きな課題です。質問数は多くても、内容が類似しており、マニュアルを確認すればすぐに解決できるものが大半です。
また、電話やメール、ビジネスチャットから毎日数多くの問い合わせに対応していれば、本来集中すべき業務が中断され、時間がとられるため作業効率も低下します。
コア業務が後回しにされれば、残業時間が増えて生産性も下がります。そのため、企業としては簡単に回答できる数の多い質問を、効率よく処理するかが求められるでしょう。
問い合わせ業務の属人化や時間の制限
問い合わせ業務をすべて人で行っていると、対応の質に差が出やすいことも問題です。対応者の経験値やスキルによって、対応できない問い合わせや品質にばらつきが出ると、対応者がいない時間や休みをとっている際に正確な回答ができず、社員を待たせてしまいます。
また、経験値やスキルの高い対応者に問い合わせが集中するため、負担が偏ることもあります。社員を待たせず、均一な品質で回答を提供するための手段が必要です。
社内向けチャットボットの利用シーン
社内向けチャットボットは、主に次のようなシーンで利用されます。
- 社内ヘルプデスク・情報シス部門
- 人事・総務・経理部門
- ナレッジの利用促進
それぞれ詳しく解説します。
社内ヘルプデスク・情報シス部門
情報システム部門は、社内ヘルプデスクと兼ねているケースが多く、社内からの問い合わせを受ける機会もあります。そのため、社内向けチャットボットを導入することで、大幅な業務改善が期待できます。
社内から来る問い合わせの多くは、業務システムの使い方や機材トラブルの解決など、マニュアルを見れば解消できる単純なものがほとんどです。その結果、業務時間の多くを問い合わせ対応に割かれ、本来行うべきコア業務に十分な時間を割けないケースも少なくありません。
しかし社内向けチャットボットを導入すれば、問い合わせ対応が自動化でき、簡単な質問は自己解決できるようになります。その結果、ヘルプデスク対応時間を大幅に削減でき、本来行うべき業務に集中しやすくなります。
人事・総務・経理部門
人事・総務・経理部門といったバックオフィスも、情報システム部門と同様に問い合わせが集中しやすいため、社内向けチャットボットの導入により業務の効率化を図れます。
バックオフィスには、手続きや労務などに関連した問い合わせが多く寄せられます。とくに、年末調整の時期や新入社員の入社時期には問い合わせ対応が増加し、担当者の負担になるケースが少なくありません。
しかし、この場合も基本的には案内用紙やマニュアルを見れば、解決できるものが多くを占めています。そのため、これらの簡単な問い合わせ対応を自動化できれば、担当者の負担が軽減され、繁忙期に増加しがちな残業時間を大幅に削減できます。
ナレッジの利用促進
社内向けチャットボットは、社内にあるナレッジを蓄積し、利用を促進するのにも有効です。社内にはマニュアルや社内規則のほかに、業務に役立つ知識やノウハウ、過去の成功事例・失敗事例なども存在します。
しかし、これらの情報は部署や個人の脳内、PCなどに散在しているケースが多く、情報を求めている従業員に届かないケースも少なくありません。
一方、社内向けチャットボットを導入し、情報が同じ場所に蓄積されるようになれば、問い合わせるだけで、いつでも必要なナレッジを引き出せるようになります。
そのため、従業員のスキル向上や、各自が抱える業務課題の自律的な解決を促進したい企業に適しています。
社内向けチャットボットの選び方
社内向けチャットボットは、用途や組織の環境によって適したツールが異なります。導入時に注目したい、具体的な比較ポイントを紹介します。
社内FAQやマニュアルとの連携が可能か確認しよう
チャットボットを社内に定着させるには、情報の一元化とアクセスのしやすさが重要です。たとえば、日々の業務に必要なルールや手順がすぐに確認できるようになると、社員の利便性が大きく向上します。
導入時には、既存の社内FAQやマニュアルと連携できるかをチェックすることが大切です。ドキュメント管理ツールやファイルサーバー、社内ポータルとの接続実績の有無や、読み取り形式を確認しておくと安心です。
利用部門が増えても管理しやすいか
チャットボットは1つの部門から始まり、徐々に人事、総務、情報システムなど全社に広がっていくケースが多く見られます。導入初期は問題がなくても、部門が増えることで管理が煩雑になると、運用コストが大きくなります。
運用のしやすさを見極めるには「アカウントや権限の管理が柔軟にできるか」「複数部署での質問管理や回答登録がスムーズに行えるか」の確認が大切です。また、分析機能やログの出力形式も管理のしやすさに直結します。
社内システムとの連携も重要
チャットボット単体では、業務効率化の効果に限界があります。既存の社内システムと連携することで、業務の自動化や情報の一元管理が進み、導入効果が高まります。
グループウェアや勤怠管理、経費精算、社内ポータルなどとの連携確認が大切です。ほかに、APIの有無やノーコードでの連携設定も判断材料にします。
社内セキュリティポリシーに適合するかも要確認
社内向けチャットボットは、業務データや従業員情報を扱うため、セキュリティ要件を満たしていることが必須です。とくに情報システム部門が関与する場合、セキュリティ基準をクリアしていなければ導入できないこともあります。
チェックポイントは、通信の暗号化、データ保存の方式、アクセス制限の設定などです。自社のセキュリティポリシーに照らして、導入前にベンダーへ確認を取ることも大切です。
サポート体制はどうか
チャットボットは、導入して終わりではありません。導入を成功させるには、運用開始後のサポートがカギを握ります。社内運用を定着させるには、設定やシナリオの調整など継続的な支援があると安心です。
ベンダー選定時には、導入時の初期設定サポートがあるか、専任担当者がつくか、問い合わせの対応スピードや範囲などの確認が大切です。運用フェーズに合わせた継続支援があるかも見ておくと、長期的に安定したサービスを受けられます。
社内向けに特化させるか、社内と社外の両方に使うか
チャットボットには、社内業務に特化したものと、社内や社外の問い合わせに幅広く対応できるものがあります。どちらを選ぶかで、必要な機能や設計思想が変わってきます。
仮に社内専用の場合は、認証や社内ネットワークとの連携、ナレッジ管理などが重要です。一方、社外向けも視野に入れる場合は、外部チャネルへの対応や多言語表示、問い合わせチケット連携といった外部接点への配慮が必要です。どの範囲で活用するかを事前に整理します。
社内向けチャットボットの料金・価格相場
社内向けチャットボットの料金は、AIが搭載されているタイプか非搭載タイプかで異なります。タイプ別の費用相場は、次のとおりです。
| 項目 | AI型の費用・価格 | 非AI型の費用・価格 |
|---|---|---|
| 初期費用 ・FAQ作成 ・初期学習サポート費用 ・運用コンサルティングなど |
10万〜50万円 | 3万〜10万円 |
| 月額料金 | 3万〜10万円 | 1万〜5万円 |
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おすすめ社内向けチャットボット比較
おすすめの社内向けチャットボットツールを比較紹介します。AIチャットボットのサービスも紹介しており、それぞれの特徴を比較しているため、サービスを選定する際の参考としてご活用ください。
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それぞれのサービスについて詳しく紹介します。
- 質問と回答の事前学習によって初期構築の工数を削減
- 回答可能な領域の拡張や回答精度の調整を自動で対応
- 導入、定着、分析を専任チームが徹底サポート
HiTTOは、社内情報の一元化管理と問い合わせ対応が可能なサービスです。
膨大な量の質問パターンと回答を事前に学習しているため、初期構築でのFAQデータやシナリオの作成は不要です。勤怠管理や経費精算など、学習済みのカテゴリ内で必要な回答を選択すれば登録が完了します。
回答の領域は自動で拡張されるほか、回答精度もAIが自動で調整します。追加すべき回答をAIが提案してくれるため、メンテナンスの手間も最小限に抑えたい企業におすすめです。
企業ごとに専任のサポートチームがつくため、導入や運用の手厚いサポートを受けられます。
公式サイト:HiTTO
- 一般的な問い合わせをテンプレート化し完備
- 修正すべき項目を可視化してくれる特許出願機能
- SlackやLINE WORKS、Microsoft Teamsなどのビジネスチャットツールと連携可能
HRBrain AIチャットボットは、AIチャットボットが社内の問い合わせに自動対応してくれるサービスです。質問と回答内容のテンプレートを利用でき、個社特有の質問も追加可能です。
問い合わせの傾向や回答の不足をダッシュボードで可視化できるため、バックオフィス業務の改善にも役立ちます。
公式サイト:HRBrain AIチャットボット
- AIによる自動学習でメンテナンスや調整を自動化
- アバターは業務にあわせて自由にカスタマイズ可能
- LINE連携に対応
AIさくらさんは、AIを搭載したアバターが問い合わせに対応してくれるサービスです。社内ルールや業務マニュアル、システムに関する問い合わせに対応可能です。
問い合わせ内容や利用者ごとのログを一元管理し、対応履歴から課題点を可視化できるため、業務改善にも役立ちます。ニーズに応じて柔軟にカスタマイズでき、自社に最適なチャットボットを導入できます。
公式サイト:AIさくらさん
- 基本的な質問や回答を学習済みで、すぐに利用可能
- コンサルティングスタッフによる充実した導入支援
- Q&A作成や精度向上を任せられるAI育成代行サービス
AI-Q(アイキュー)は、IBM Watson日本語版を活用して構築された社内問い合わせシステムです。
IBM WatsonとはIBMが提供するAIのことで、顧客対応や人材育成、医療、教育など幅広い分野で利用されています。想定される問い合わせ内容を事前に学習しているため、AI学習にかかる時間や手間をカットできます。
専任のコンサルティングスタッフがニーズをヒアリングし、スケジュール管理や運用方法のアドバイス、AI運用のレポート作成などを行うのも特徴です。
オプションの代行サービスを利用すれば、AI学習に必要な作業や回答精度の向上業務を専任スタッフに任せられます。
公式サイト:AI-Q
WisTalk
- パナソニックが独自開発したAIを搭載
- グループ内での大規模運用の知見を反映
- 豊富なテンプレートやサポートでメンテナンス工数を削減
WisTalkは、パナソニックが独自開発したAIエンジンを使った、社内問い合わせ特化型のチャットボットです。高い回答精度と幅広い質問への回答を実現し、最新の生成AIによるドキュメントからの要約回答にも対応しています。
また、パナソニックグループ内での大規模運用で得た知見が反映されたサービスであることも特徴です。
チャットボット導入後に多い、他部門やグループ企業への横展開や、複数部門で運用する際に便利な管理機能を搭載しており、部門ごとや会社ごとに別のチャットボットとして運用できます。
そのため、部門数が多い企業や子会社が多い大規模な企業におすすめです。
公式サイト:WisTalk
- Q&Aを簡単にチャットボット化できる
- チャットツールを呼び出して利用できる
- ユーザー辞書で業界特有のワードや専門用語にも柔軟に対応
PEPは、Q&Aを簡単にチャットボット化できる業務改善ツールです。
元々あるFAQサイトや社内ポータルサイトに、チャットボットを設置するだけで利用できるため、導入のハードルが高い新たな業務システムへの乗り換えが不要です。
また、LINE WORKSやSlackなど豊富なチャットツールとの連携もできます。チャットボットから、これらのツールをすぐに呼び出して利用できるため、業務効率化に適しています。
ユーザー辞書を利用すれば、業界特有のワードにも対応可能です。
公式サイト:PEP
sAI Chat
- 事前の学習で導入時から高い回答精度を実現
- カスタマーサクセスチームが一貫して運用を支援
- 入力中でも質問文のサジェストが表示され、使いやすさを追求
sAI Chatは、高性能な人工知能と手厚い運用サポートをセットにしたAIチャットボットサービスです。
FAQの類似表現をあらかじめ学習させることで導入から高い回答精度が期待できるため、従業員に利用してもらいやすくなります。
また、専任のカスタマーサクセスチームが、一貫して運用を支援してくれるのもポイントです。
利用率向上施策やFAQの改善案、KPI管理などを行ってくれるため、チャットボットが現場に定着しやすい環境を作りたい方に向いています。
公式サイト:sAI Chat
CorporateOn - 株式会社LegalOn Technologies
- 法務や税務の知識をAIが即答
- 社内規程やFAQを簡単に連携
- 適切な相談先の提案も可能
CorporateOnは、社内に寄せられる問い合わせに対して、専門知識とAI技術を活用してスピーディに回答できる法人向けチャットボットです。
経費精算や稟議といった日常業務から、法務、税務、知財などの専門的な相談まで対応し、ナレッジ検索と回答提示をワンクリックで行えます。
弁護士や会計士などが監修した知識ベースを搭載しており、アップロードした自社のマニュアルやガイドラインにも対応できます。AIが適切な相談先をレコメンドし、社内連携の効率化とミスの削減に貢献します。
公式サイト:CorporateOn
クウゼンAIエージェント - 株式会社クウゼン
- 自律的に業務を実行するAIエージェント
- ノーコードで業務ワークフローを構築
- CRMや外部システムと柔軟に連携可能
クウゼンAIエージェントは、目標達成に向けて自律的に業務を遂行できるAIソリューションです。
マーケティング資料の作成、財務分析、人事対応、法務文書の処理など、部門横断的な業務に対応しています。ワークフロー構築や外部システム連携によって業務の自動化を実現します。
生成AIと専用プロダクト「クウゼン」を組み合わせることで、スピーディな導入と運用が可能です。専属のサポートチームが導入から活用まで伴走し、業務改善を支援します。
公式サイト:クウゼンAIエージェント
RICOH デジタルバディ - 株式会社リコー
- 社内データの生成AI活用を支援
- 業務、部門ごとに柔軟に導入可能
- 利用状況の可視化で継続改善が可能
RICOH デジタルバディは、社内データを活用した生成AIサービスで、業務や部門単位でAIを活用できる環境を提供します。
就業規則やマニュアルなどの資料をアップロードするだけで、質問に対して該当箇所をもとに、正確な回答を自動生成できます。
また、ユーザーライセンス不要の料金体系や、カスタマイズに柔軟に対応してくれる点も魅力です。情報更新の自動反映やRAG技術により、常に最新で信頼性の高い回答を提供してくれます。
公式サイト:RICOH デジタルバディ
PKSHA AI ヘルプデスク - 株式会社 PKSHA Technology
- Teams連携で社内問い合わせを一元化
- 生成AIでナレッジ管理と自動回答
- FAQの自動生成で運用の手間を削減
PKSHA AI ヘルプデスクは、社内問い合わせ対応の自動化とナレッジ活用を両立するAIチャットボットです。
Teams上に窓口を集約し、FAQ、社内ドキュメント、有人対応の3ステップで、効率的かつ正確な回答プロセスを実現します。
高精度な自動回答に加え、SharePointとの連携やFAQの自動生成機能も備えており、情報管理の負担を軽減できます。社員の生産性向上や属人化防止に貢献できる点も強みです。
公式サイト:PKSHA AI ヘルプデスク
社内と社外の両方におすすめのチャットボット
社内向けだけでなく、社外向けにも活用できるチャットボットを紹介します。
Salesforce Service Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- カスタマーサポートに特化したAIを搭載
- ナレッジ検索でオペレーターの対応を支援
- 顧客からの問い合わせ負担も軽減可能
Salesforce Service Cloudは、顧客管理システムの開発で有名なセールスフォース社が提供するカスタマーサポートソリューションです。
搭載されたAIチャットボットは外部向け・社内向けのどちらにも対応しており、カスタマーサポートがオペレーターを支援するための機能もあります。キーワードを入力するだけで即座にナレッジを確認できるため、スムーズに最適な顧客対応が行えます。
また、自社サイトでFAQとして公開すれば、顧客の自己解決を促せるため、オペレーターの負担軽減にもおすすめです。
公式サイト:Salesforce Service Cloud
- 人事業務に特化したAIを搭載
- 有人対応の支援機能も充実
- コンテンツの作成も支援可能
Zendeskは、人事業務に特化したデータでトレーニングを行ったAIが搭載されたチャットボットサービスです。人事や労務に関連した問い合わせへの高い回答精度に期待できます。
また、有人対応を行うための支援機能が充実しているのも魅力です。チャットボットがメールアドレスや問い合わせの種類などを自動で登録し、チャットボット自体が対応できない場合は、適切な担当者へ自動で振り分けてくれます。
加えて、チケットによる問い合わせ管理機能で対応状況のステータスを可視化できるため、対応漏れを防ぎたい方にもおすすめです。
公式サイト:Zendesk
- 情報をアップロードするだけで利用可能
- 高い検索精度で回答を導き出す
- どのような質問の仕方でも回答に到達させる
OfficeBotは、情報をアップロードするだけで利用できるチャットボットツールです。自社のFAQや商品情報、マニュアル、社内規定といったさまざまな情報をアップロードするだけで、自動で質問に答えてくれます。
ツールでは、最先端のAIサービスを統合して利用しており、独自の設定やチューニングを行うことで高い検索性能を実現しています。
また、研究や検証を重ねて考案した独自の仕組みにより、回答に至るプロセスを最適化し、文脈を考慮した対話が可能です。
公式サイト:OfficeBot
ChatPlus(チャットプラス) - チャットプラス株式会社
- 約5,000の機能を搭載した多機能型
- 自社データを活用した生成AI回答
- 幅広い業種、業務に柔軟に対応
チャットプラスは、FAQ自動応答から大規模コンタクトセンターでの活用まで対応できる多機能AIチャットボットです。自社データと連携し、高精度なAI回答を実現できます。
多言語対応や有人チャット切り替え、ダッシュボードによる運用管理など、現場重視の多機能なツールです。ハルシネーション抑制技術や導入時の専任サポート体制も特徴で、生成AIの業務活用に役立つ機能です。
公式サイト:チャットプラス
OPTiM AIRES - 株式会社オプティム
- 最短5分でAIチャットボットを作成
- ドキュメントやURLをそのまま登録可能
- AI回答の信頼度を調整、制御できる
OPTiM AIRESは、Q&Aやマニュアル、WebサイトのURLを登録するだけで、運用開始できるAIエージェント型チャットボットです。
社内外での活用を想定し、フィードバック機能やダッシュボード、有人対応への切り替えもサポートされています。
また、誤回答を防ぐ信頼度調整機能や参照元表示により、AIの回答精度と信頼性を確保できます。運用負担を抑えながら高品質なユーザー対応を実現できる点も特徴です。
公式サイト:OPTiM AIRES
社内問い合わせ対応にチャットボットを導入するメリット
社内問い合わせ対応にチャットボットを導入すると、次のメリットを得られます。
- 問い合わせ対応の手間、コスト削減
- 24時間いつでも気軽に質問できる
- 属人化の解消
社内向けチャットボットの導入は、問い合わせに対応する側はもちろん、質問する側の社員にとってもメリットがあります。それぞれについて詳しく紹介します。
>>チャットボットの導入メリット!活用方法や導入で失敗しない注意点
問い合わせ対応の手間・コスト削減
社内向けチャットボットを導入し、従業員がよくある質問と回答を自身で解決できるようになると、問い合わせ対応の手間やコストを削減できます。
従業員からの問い合わせはタイミングが不規則のため、取り組んでいた作業を中断して対応を行うことも珍しくありません。問い合わせが増えると業務を中断する回数も多くなり、集中力の低下や業務効率の悪化につながります。
しかし社内向けチャットボットは、担当者の代わりにマニュアルや社内FAQを参照し、社員の質問に回答してくれます。そのため、担当者は着手すべき業務に集中しやすくなり、残業時間の減少や人件費の削減にもつながるでしょう。
近年では、AIを搭載したAIチャットボットも登場しており、より柔軟かつ幅広い問い合わせにも対応できるため、大幅な業務改善をしたい企業に向いています。
24時間いつでも気軽に質問可能
働き方の多様化につれて、作業に取り組む時間が社員ごとに異なるケースも増えています。
たとえば質問したい従業員が夜勤で、対応する社内ヘルプデスクの勤務時間が昼間だと、従業員が質問を投げかけても、すぐに回答は返ってきません。そのため、従業員の業務が滞ってしまい、業務効率が悪くなる恐れがあります。
しかし、社内向けチャットボットの場合は24時間いつでも利用可能です。疑問を即座に解決できるため、回答を待つ時間によって業務が滞る回数を抑えられます。
属人化の解消
特定の担当者しか質問に回答できない状況では、担当者が不在のときに待ち時間が発生します。しかし、社内向けチャットボットを導入し、ベテランスタッフのもつ知識やノウハウをチャットボットに蓄積し、誰もが情報にアクセスできる状態にできれば、これらの問題は解消可能です。
また、社内のナレッジをチャットボットにまとめると、回答の内容を均一化できるメリットもあります。チャットボットは、決められたルールのもとで自動返信する仕組みのため、「担当者によって回答が違う」状態を防げます。
さらに詳しく社内向けチャットボットについて知りたい方は、次の動画をチェックしましょう。
社内向けチャットボット「HiTTO」を提供するHiTTO株式会社監修のもと、社内向けチャットボットのメリットや活用方法、FAQとの違いについて解説しています。
社内向けチャットボットの導入失敗事例と対策ポイント
社内向けチャットボットを導入しても、対策不足によって期待していた効果を得られないケースがあります。主な失敗事例は、次の4点です。
- シナリオの設計不足で成果が得られない
- メンテナンスできず利用率が下がる
- チャットボットの導入自体が目的化している
- 使い方がわからずに放置されている
社内でチャットボットを活用するには、よくある失敗事例を理解して対策を打つことが大切です。失敗する原因と、予防するためのポイントを詳しく紹介します。
シナリオの設計不足で成果が得られない
社内向けチャットボットの導入がうまくいかない原因として、シナリオの設計不足が挙げられます。シナリオとは、ユーザーを求める情報まで誘導する導線のことです。
シナリオをユーザー目線で設計しないと、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかったり、利用している社員が途中で離脱したりします。社内向けチャットボットを導入して成果を得るには、シナリオの重要性を理解することが大切です。
失敗を防ぐ導入ポイント
シナリオの設計不足による失敗を防ぐには、ユーザーニーズを把握したうえでシナリオを考えることが大切です。社員のチャットボット利用場面を想像し、次の2点を満たしているかどうかを見直しましょう。
- 使いやすい設計がされている
- 回答までのステップ数は最小限に
長文は読みにくく不便になるため、質問と回答は自然な会話形式にし、短く簡潔にまとめることが重要です。また、シナリオの選択肢が増えすぎると、社員が利用する際にストレスを感じやすくなるため、できるだけ短いルートで回答までたどり着ける設計にします。
質問数が多くて選択肢が増える場合は、一問一答で答えられるAIチャットボットの導入がおすすめです。質問内容を考えるときは、問い合わせの多い質問を網羅するために、過去の問い合わせ内容を分析し、ユーザーが求める情報を組み込むことが大切です。
メンテナンスできず利用率が下がる
チャットボットの運用を開始すると、想定外の問い合わせが入ることも考えられます。質問パターンが増えた際は、メンテナンスを行って回答内容を更新し、精度を高めなければなりません。
また、質問に対する回答が用意されている場合でも、案内したリンクや情報が古いケースもあります。回答が得られない場合や回答が正しい情報でなかった場合、社員は不信感をもち、チャットボットを利用しなくなります。
失敗を防ぐ導入ポイント
運用開始後もチャットボットの利用率を高くするには、定期メンテナンスが重要です。メンテナンス時のチェックポイントは、次の2つです。
- ユーザーは回答に満足できているか
- 想定外のエラーが発生していないか
ユーザーはチャットボットに対して、スムーズかつ的確な回答を求めています。常に適切な回答ができる状態を維持するには、問い合わせ内容と回答をチェックして精度を上げる必要があります。
可能であれば専任の担当者を配置し、定期メンテナンスを継続的に行いましょう。実際に利用する社員へのアンケート実施や、回答の最後に「あなたはこの回答に満足しましたか?」といったアンケートを設置するのも効果的です。
使い勝手やエラーなどをフィードバックしてもらい、使いやすい状態へ継続的に改善を重ねることが重要です。
チャットボットの導入自体が目的化している
他社の成功事例だけを見て導入すると、うまくツールを運用できず失敗するケースもあります。
社内にチャットボットを導入すれば「課題を解決できるのか」「チャットボットで対応できる内容かどうか」を精査するところからはじめることが大切です。
失敗を防ぐ導入ポイント
次の内容に当てはまっていないか確認することで、失敗を防げます。
- 有名なツールだが社外向けのチャットボットサービスだった
- 他のツールと連携させて使いたかったが対応していなかった
- 課題を解決する機能がついていない
社内の業務効率化に使える機能の有無や、管理部門が導入しているツールのリストアップ、連携対応の確認などを行うことが大切です。
チャットボットツールの導入にあたり、従業員間でコミュニケーションを取りながら、「何がしたいのか」「どこを効率化したいのか」を明確にします。
使い方がわからずに放置されている
高機能なチャットボットを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。使い方がわからずにユーザーの求める回答数が集まらなかったり、問題解決できなかったりして担当者に問い合わせが入るようでは本来の目的を果たせません。
質問する側も操作方法が複雑で質問することが難しい場合、最初からチャットボットを使わずに、以前と同様の方法で問い合わせを行った方がよいケースもあります。
失敗を防ぐ導入ポイント
使い方のマニュアル作成や説明会を実施し、従業員がスムーズに操作できるように支援します。導入支援を行うサービスもあるため、活用することが大切です。
また、支援の時間を軽減するために誰でも扱える、使い勝手のよいチャットボットを導入することもおすすめです。無料トライアルやデモなどを利用すれば、費用をかけずに使用感が把握できます。誰もが直感的に使えそうな、チャットボットを選ぶことが重要です。
社内向けチャットボットの導入事例
社内向けチャットボットの導入を検討している方の参考になるよう、社内向けチャットボットを導入し、成功した事例を3社紹介します。
ウエルシア薬局株式会社
全国に店舗を展開する大手ドラッグストアチェーンのウエルシア薬局は、社内向けチャットボットの導入により大幅な業務効率の向上を実現しました。
ウエルシア薬局では、これまで約2,000店舗、従業員5万人の問い合わせを人事本部50人で対応していたため、担当者に大きな負担がかかっていたそうです。
また、ウエルシアは深夜営業を行っており、早朝や深夜の問い合わせにはスピーディーに対応できませんでした。これらの課題を解消するために、チャットボットを導入しました。
人事や労務関連の質問を中心に、幅広く自動で回答できるようになったため、月間利用数は5,000件を超えました。人事本部に寄せられる問い合わせの件数は70%減少し、1か月あたり187.5時間もの対応工数を削減しました。
また、本社の営業時間外での利用率も高く、本社人事が対応できない時間帯も対応してくれるため、会社への貢献につながっています。
※出典:HiTTO「導入事例詳細|ウエルシア薬局株式会社」(2025年12月5日閲覧)
株式会社大京
マンション開発や再開発などを行っている不動産会社の大京では、社内向けチャットボットの導入により、業務効率の向上やナレッジの活用促進を実現しました。
元々、IT関連の問い合わせ先が決まっていなかったため、従業員が問い合わせても、たらい回しにされることもあったそうです。
しかし、ITヘルプデスクへ寄せられた質問内容を調査したところ、全体の約30%がFAQサイトを見れば解決できる内容だったことが判明します。毎月の入電件数も1,500件だったため、社内向けチャットボットの導入を決めました。
導入後は、社内イントラのトップ画面に「チャットで質問」といったバナーを設置して、全体周知を行いながら利用を促進し、開始後3か月で入電件数を約30%減らすことに成功しました。
また、これまでは社内にドキュメント(ナレッジ)があっても、保存場所がわからない従業員が多かったため、有効活用されていませんでした。
しかし、社内向けのチャットボットでは、質問するだけで該当するドキュメントのURLを表示してくれるため、有効活用しやすい環境になったそうです。
※出典:HiTTO「導入事例詳細|株式会社大京」(2025年12月5日閲覧)
株式会社インターメスティック
アイウエアブランド「Zoff(ゾフ)」を運営するインターメスティックは、社内向けチャットボットの導入により、ヘルプデスクの負担を大幅に軽減しました。
インターメスティックの情報システム部はこれまで、繁忙期やシステムの入れ替え時期は、問い合わせ応対だけでパンク状態でした。
そこで応対の負担を軽減するために、約2か月かけて、社内向けAIチャットボットを導入することに。社内ポータルサイトで、全面的に告知を行って利用促進を促しました。
結果、導入後の大型連休中も入電問い合わせはほぼ0になり、LINE WORKSを通した個別チャットでの問い合わせも、3割以上削減できました。
加えて、これまで問い合わせ対応に追われていた担当者が、負担が軽減されたことで別のプロジェクトへアサインされる「副次的な効果」もあったそうです。
※出典:ギブリー「導入2か月で担当者の工数を80-100時間削減」(2025年12月5日閲覧)
社内向けチャットボットと社外向けとの違い
社内向けチャットボットと社外向けチャットボットでは、機能面において次のような違いがあります。
- 社内問い合わせ用のテンプレートが搭載されている
- 社内向けにチューニングされている
- 社内ツールと連携して利用率を向上できる
社内問い合わせ用のテンプレートが搭載されている
社内向けチャットボットには、社内からの問い合わせ用テンプレートが搭載されています。社内の問い合わせ業務を削減するには、情報を網羅したFAQの導入が必要です。
しかし、網羅されたFAQの質問と回答を作成するには、手間や時間がかかり、なかなか運用を開始できません。
一方、社内向けチャットボットには、社内問い合わせ用のテンプレートとして基本的な質問や回答データがあらかじめ用意されています。そのため、テンプレートを簡単に修正するだけで運用可能です。
社内向けにチューニングされている
AIを搭載した社内向けチャットボットの中には、 社内向け問い合わせ事例をすでに学習した状態で提供されているものもあります。
通常であれば回答精度を高めるため、導入時にチューニングします。
しかし、あらかじめチューニングされている製品を導入すれば、質問のパターンが網羅されているため、簡単な調整をするだけで利用可能です。そのため、社内で導入時に環境構築やチューニングを行う時間や手間を抑えられます。
社内ツールと連携して利用率を向上できる
社内向けチャットボットは、FAQシステムや、ビジネスチャットなどの社内向けシステムと連携が可能です。具体的には、SlackやMicrosoft Teamsなどのビジネスチャットや、LINEやFacebookなどのメッセージアプリ、社内ポータルやグループウェアなどが挙げられます。
また、日常業務で使用するツールの画面上でチャットボットに質問できるため、ユーザーの利用ハードルを下げたい方にもおすすめです。従業員が気軽に利用できる印象をもてば、チャットボットの利用率向上につながります。
ただし、連携できるツールの種類はサービスごとで異なるため、あらかじめ確認することが大切です。
社内向けチャットボット導入で失敗しないために
社内向けチャットボットを導入すると、問い合わせ業務にかかる対応コストを大幅に削減できます。ヘルプデスクの負担が軽減されるため、業務効率化におすすめです。
質問する側の社員にとっては、好きなタイミングで気軽に問い合わせられるメリットがあります。そのため、社内全体の生産性アップを図りたい方におすすめです。
活用できれば多くのメリットを得られますが、一方でシナリオ設計やメンテナンス不足で、導入に失敗する企業も存在します。失敗を防ぐには、常にユーザーの視点に立って回答精度や使い勝手を検証する必要があります。
チャットボットを選ぶときの、主なポイントは次のとおりです。
- 社内FAQやマニュアルとの連携が可能か確認する
- 利用部門が増えても管理しやすいか
- 社内システムとの連携も重要
- 社内セキュリティポリシーに適合するかも要確認
- サポート体制はどうか
- 社内向けに特化させるか、社内と社外の両方に使うか
社内向けチャットボットのサービスをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較することをおすすめします。
サービスによって、AIの有無や利用できる機能などに違いがあるため、必要な機能を洗い出したうえで、導入するチャットボットを決めましょう。
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