「今のシステムは動いているが、どの処理が何のためにあるのか説明できる人が社内にいない」「納期を答えられるのが担当者1人で、その人が休むと止まる」とお悩みではありませんか。製造業では、組立とプロセスで生産の作りが異なり、どこまでを同じシステムで扱うかで候補が変わります。
製造業向けERP7製品を、組立製造への対応・プロセス製造への対応・生産管理まで扱えるかの3点で比較します。製造業に特化したAMMICや、汎用性が高く生産管理までカバーするInfiniOne ERPなどのおすすめ7製品を厳選しました。本記事では特化型と汎用型の選び分け、料金相場などを解説します。
【30秒でわかるこの記事のポイント】
・製造業向けをうたうERPでも、配合表や連産品まで扱える製品は限られる
・本記事の紹介製品はいずれも生産管理まで対応可能で、月額を公開しているのはMicrosoft Dynamics 365 Business Centralだけ
・製品そのものが製造業向けなのはAMMICで、他は汎用ERPに製造業向けのプランが用意されている
製造業向けに限らずERP全体を比較したい場合は、下記もあわせて参考にしてください。
>ERPのおすすめ製品と料金・機能比較、選び方

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各社の強みと評判を凝縮し、企業規模や課題との相性をプロの視点で要約しました。
- 各サービスのおすすめポイント(機能・導入実績・サポート品質)と自社との相性
- BOXILに寄せられたリアルな口コミ(良かった点・気になった点)
- 月額・初期費用の目安を一覧で比較
※掲載料金は税区分の記載を含め、各社公式サイトの表記に基づいています。
製造業向けERPの機能・料金比較表
掲載する7製品を、タイプと料金、組立製造・プロセス製造への対応、生産管理で一覧にしました。金額や対応状況を公開していない項目は「ー」で示しています。
| タイプ | 初期費用 | 月額(最安プラン) | 組立製造 | プロセス製造 | 生産管理 | 強み | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
AMMIC
|
製造業専用 | ー | ー | ● | ● | ● | 生産計画起点の一貫管理 |
InfiniOne ERP
|
製造業向けプランあり | ー | ー | ● | ● | ● | 多階層の部品構成表とMRP |
PROACTIVE
|
製造業向けプランあり | ー | ー | ● | ● | ● | 見込・受注・個別受注生産 |
Oracle NetSuite
|
製造業向けプランあり | ー | ー | ● | ー | ● | 需要と部品構成表からMRP |
Microsoft Dynamics 365 Business Central
|
製造業向けプランあり | ー | Essentials 11,994円(税抜・年間契約時) | ● | ー | ● | 上位プラン限定の製造機能 |
OBIC7
|
製造業向けプランあり | ー | ー | ● | ● | ● | 複数の生産形態・管理方式 |
GRANDIT
|
製造業向けプランあり | ー | ー | ● | ● | ● | 組立・プロセス別の生産管理 |
●=対応/×=非対応/ー=要問い合わせ
製造業における基幹業務の課題
基幹システムの入れ替えを検討する場面では、次の4つが繰り返し挙がります。
長年使ってきたシステムがブラックボックスになっている
基幹システムは、前回の刷新から長く動き続けていることがあります。オフコンの時代に入れたものは自社の業務に合わせて作り込まれており、今の業務に合わせて直そうとしても、手を入れられる人が社内に残っていません。
担当者が代替わりし、どの処理が何のためにあるのかを説明できる人がいなくなると、動いてはいるが中身がわからない状態になります。外部のパッケージにアドオンを重ねてきた場合も同じで、何のための追加開発だったのかをたどれなくなります。
追加開発を1つずつ見て今も必要なのかを判断できる人が社内にいないと、どこまでを新しいシステムに引き継ぐかが決まりません。
販売と生産でシステムが分かれ、同じデータを二重に入力している
販売管理と生産管理が別々のシステムで動いていると、両方に同じ情報を登録することになります。拠点ごとに違うシステムを使っている場合は、その分だけ入力の口が増えます。
二重に持つことになるのは、たとえば次のようなマスタです。
- 取引先マスタ(得意先・仕入先)
- 品目マスタ(製品・部品・原材料)
- 部品構成表
片方だけを直してもう片方が古いまま残ると、出荷や手配の判断がずれます。部署ごとに部品構成表や部品コードを別々に決めていると、同じ部品が違うコードで登録され、集計のたびに突き合わせが必要になります。
在庫と手配の状況がリアルタイムにわからない
在庫は数量が出ていても、それが今すぐ使える分とは限りません。すでに出荷が決まっている分と、手をつけられる分が同じ数量にまとまっていると、画面だけでは判断できず、現場に実数を確かめる手間が残ります。
手配の状況も同じです。どこまで発注が進んでいるかを担当者しか把握していないと、その人がいない日は納期を答えられません。答えられる日も、その都度現場に確認する手間がかかります。
部門ごとのExcel集計に頼り、製品別の原価がつかめない
システムに載っていない業務は、たいていExcelが引き受けています。困るのは、その運用が個人に紐づいたときです。誰が作ったのかわからないマクロが、そのまま動き続けます。
製造実績や原価をExcelでまとめている場合は、締めのたびに転記が発生し、数字が出る頃には現場の状況が変わっています。決算のための原価は計算できていても、製品ごとの原価はつかめていません。
どの製品が利益を出しているかがわからないまま、値決めや生産計画を判断することになります。材料費や工数が日々の業務のなかで積み上がる仕組みがないと、原価計算は月次の集計作業として切り離されます。
製造業向けERPの機能・メリット
ERPは、販売・生産・在庫・会計といった基幹業務を1つのデータベースで扱うシステムです。ここまでに挙げた課題が、導入によってどう変わるのかを順に見ていきます。
作り込みを引き継がず、標準の機能に寄せて組み直せる
長年の作り込みを1から再現するのではなく、標準の機能に業務を寄せる形で組み直せます。必要な業務から入れて、あとから範囲を広げられるモジュール構成が一般的です。
業界別のテンプレートを持つ製品では、組立製造とプロセス製造それぞれの業務の流れが最初から入っており、設定の起点になります。ゼロから要件を書き起こすのではなく、標準との差分だけを詰めていく進め方ができます。
標準との差分を追加開発ではなく設定として持てば、特定の担当者しか触れなかった処理も引き継げます。
販売・生産・会計が同じデータでつながり、入力が一度で済む
同じ情報を二度入力する必要がなくなります。生産管理まで含む製品なら、受注を登録すれば、所要量の計算も、材料の手配も、売上や入金の処理も、すべて同じデータを参照して進みます。
取引先マスタや品目マスタが1本になるため、片方だけが古いまま残るという状態がなくなります。部品構成表も全社で同じものを見るため、部署ごとに別のコードを持つ理由がありません。
部門ごとに違うコードを突き合わせる作業も、集計のたびに発生しなくなります。
在庫と手配の状況がその場でわかる
在庫を「引き当てる」という考え方がシステムに入るため、出荷が決まっている分と、これから使える分を分けて持てます。材料ごとの残量を確かめるために現場へ聞きに行く必要が減ります。
手配の進み具合も同じ画面で追えます。発注済みなのか、入荷待ちなのか、検収まで終わっているのかが記録に残るためです。
納期の回答が特定の1人に依存しなくなり、その都度現場に確認する手間もなくなります。
Excel集計を標準機能に載せ替え、製品別の原価が出る
Excelでしのいでいた処理を、業務の流れのなかに戻せます。実績の入力が日々の作業として行われるため、集計のための転記が不要になります。
製造実績を入力すると、部品構成表に沿って材料の在庫が引き落とされ、使った部品の原価がその製品の原価として積み上がる仕組みです。予定原価と実際の原価を比べて差異を見られる製品もあります。
原価が締めのあとの計算ではなく日々の入力から積み上がるので、製品別の採算を見ながら値決めや生産計画を判断できます。
ERPの機能そのものは、次の記事でまとめて解説しています。
ERPの導入にかかる費用・価格相場
掲載7製品のうち月額を公開しているのはMicrosoft Dynamics 365 Business Centralだけで、1ユーザーあたり月11,994円(Essentials)から16,491円(Premium)です。残る6製品は金額を公開しておらず、構成と利用規模を伝えて見積もりを取る必要があります。
支払い方には、クラウドで月額を払う形式と、ライセンスを買い取る形式があります。どちらの形でも、生産にかかわる機能は上位プランや追加モジュールに分かれていることがあります。
- 生産管理を使うための上位プラン(Microsoft Dynamics 365 Business CentralはEssentials 11,994円に対しPremium 16,491円)
- 組立製造・プロセス製造それぞれの業界テンプレートや、生産管理アドオンの追加(GRANDIT。金額は個別見積もり)
見積もりを取る前に、入れる業務の範囲と利用人数を決めておくと、製品間で比べやすくなります。
ERP全体の相場や規模別の目安、費目ごとの内訳は、下記の記事にまとめています。
製造業向けERPの選び方
製造業向けのERPは、会計や販売の機能で比べても差がつきにくく、生産をどこまで扱えるかで適性が異なります。次の4点で候補が分かれます。
製造業専用の製品と汎用ERPのどちらが自社に合うか
最初の分かれ道は、製造業向けに作られた製品か、業種を問わない製品かです。
製造業専用の製品は、生産の業務フローや帳票が製造業を前提に組まれています。掲載7製品のうち、製造業専用の製品に当たるのはAMMICだけです。
残る6製品は汎用のERPが本体で、製造業向けのプランやソリューションが別に用意されています。GRANDITのように組立向けとプロセス向けで別々のアドオン・テンプレートを持つ製品もあるので、製造業向けの作りが薄いとは限りません。
会計・販売・人事を同じシリーズでそろえられるのは、この6製品の側の強みです。
料金の見え方も違います。この記事で紹介する7製品のうち6製品は、金額を公開していません。
月額を公開しているのはMicrosoft Dynamics 365 Business Centralだけなので、早い段階で予算の見当をつけたいならここが起点になります。
生産の作り込みが必要な場合は製造業専用の製品から、、まず全社の基幹をそろえたいなら汎用ERP側から見ると絞り込みやすくなります。
組立製造とプロセス製造のどちらに対応しているか
掲載製品のあいだで最も差が出るのは、生産方式への対応です。配合表や連産品まで扱えるかどうかで、候補が分かれます。
掲載7製品のうちプロセス製造に対応するのは、InfiniOne ERP・PROACTIVE・AMMIC・OBIC7・GRANDITの5製品です。
ただし踏み込む先は分かれます。GRANDITは連産品や副産物、中間品を含む生産まで扱えるのが特徴です。PROACTIVEは副産物・連産品の原価管理に対応します。
OBIC7はマルチレシピ(同一製品に複数の構成)に対応します。Oracle NetSuiteとMicrosoft Dynamics 365 Business Centralは、部品構成表とMRP(資材所要量計画)を軸にした組立製造向けの機能をそろえます。
ただしMicrosoft Dynamics 365 Business Centralで部品構成表とMRPを使えるのは、上位プランのPremiumだけです。
PROACTIVEは見込生産・受注生産・個別受注生産を1つのシステムで扱える設計です。生産方式が製品ごとに分かれているなら、この点も見ておくと候補が絞れます。
生産管理・製造原価・部品構成表まで必要か(守備範囲)
「ERP」が指す範囲は製品によって幅があります。生産管理・部品構成表・製造原価まで含む製品もあれば、会計・販売・人事を軸にそろえた製品もあります。どちらを選ぶかは、置き換えたい業務次第です。
掲載7製品はいずれも生産管理まで含みます。会計・販売だけを入れ替えたいなら、守備範囲がそこに絞られた製品を別に探すことになります。
Microsoft Dynamics 365 Business Centralの製造機能は、上位プランのPremiumにだけ含まれます。
ただし同じ「生産管理あり」でも踏み込む先は異なり、Oracle NetSuiteとMicrosoft Dynamics 365 Business Centralは配合表を使うプロセス製造の記述を確認できません。
生産まで一本化するなら、部品構成表と製造原価の持ち方まで見て選びます。会計と販売だけ入れ替えるなら、既存の生産管理とどうつなぐかが判断材料になります。
発注・支払・取引記録が中小受託取引適正化法の要件を満たせるか
製造委託をしているなら、発注・支払・記録の扱いもERPを選ぶ条件に入ります。2025年の改正(2026年1月1日施行)で、旧・下請代金支払遅延等防止法が中小受託取引適正化法※1(通称:取適法)に変わりました。
対象は委託する側(委託事業者)と受ける側(中小受託事業者)の組み合わせで決まります。資本金で見ると、3億円超の法人が個人または資本金3億円以下の法人へ委託する場合と、1,000万円超3億円以下の法人が個人または資本金1,000万円以下の法人へ委託する場合が対象です。
この改正では従業員数の基準が加わり、常時使用する従業員が300人を超える法人が、従業員300人以下の個人または法人へ委託する場合も対象になりました。
ERP側で見るのは3点です。給付の内容・代金額・支払期日を電磁的方法で明示できること、支払期日を受領日から60日以内で管理できること、取引記録を2年間※2保存し、訂正・削除の履歴と画面表示・書面出力・検索に対応することです。
発注の作りは製品ごとに異なり、InfiniOne ERPは所要量計算から自動発注まで、AMMICは生産計画からMRP・購買までを扱います。3点を標準でどこまで満たせるかは構成によって変わります。見積もりを取るときは、この3点を要件として先に伝えておくと確認しやすいです。
※1出典:デジタル庁「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 | e-Gov 法令検索」(2026年8月24日閲覧)
※2出典:デジタル庁「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則 | e-Gov 法令検索」(2026年8月24日閲覧)
製造業に特化したERPはAMMIC
掲載する7製品のうち、製品そのものが製造業向けに作られているのはこの1製品だけです。ほかの6製品は汎用のERPに製造業向けのプランやソリューションが用意されています。
AMMIC
- 生産計画からMRP、購買、製造、品質保証までを扱える
- 料金は個別見積もり
- 加工組立型とプロセス製造の両方に対応
AMMICは、製造業向けの基幹業務システムとして設計された製品です。生産計画づくりを起点に、所要量の計算、購買、製造、拠点をまたぐ搬送、品質の管理と保証までを一連で扱います。
部品構成表を設計の基本に置く作りで、所要量を正確に計算するには品目構成の登録が前提になります。プロセス製造では、バッチサイズや歩留率、生産ラインごとの違いを部品構成表側で持てます。組立側で想定しているのは、自動車部品・金属製品・電子部品といった加工組立型の業種です。
AMMICのプラン・料金
料金は構成に応じた個別見積もりになります。
製造業におすすめのERP比較6選【汎用型】
本体は業種を問わないERPで、製造業向けのプランやソリューションが別に用意されている6製品です。いずれも生産管理まで対応できるので、生産を含めて一本化する場合の候補になります。
| 初期費用 | 月額(最安プラン) | 強み | |
|---|---|---|---|
InfiniOne ERP
|
ー | ー | 多階層の部品構成表とMRP |
PROACTIVE
|
ー | ー | 見込・受注・個別受注生産 |
Oracle NetSuite
|
ー | ー | 需要と部品構成表からMRP |
Microsoft Dynamics 365 Business Central
|
ー | Essentials 11,994円(税抜・年間契約時) | 上位プラン限定の製造機能 |
OBIC7
|
ー | ー | 複数の生産形態・管理方式 |
GRANDIT
|
ー | ー | 組立・プロセス別の生産管理 |
ー=要問い合わせ
InfiniOne ERP
- 販売・購買・在庫・生産・原価・会計を1つのシステムで扱える
- 料金は個別見積もり
- 組立製造とプロセス製造の両方に対応。プロセスは配合表による手配
InfiniOne ERPは、受注から原価計算までを1つのデータベースの上で動かす基幹システムです。生産計画を立てたあと、総所要量の計算から正味所要量の計算、自動発注までを続けて扱えます。
部品構成表は多階層なので、中間品を含む構成もそのまま登録できます。原価は予定原価と実際原価の差異まで分析可能です。プロセス製造側は配合表をもとにした手配に対応しており、化学・食品のように配合で使用量が決まる工程でも扱えます。
InfiniOne ERPのプラン・料金
料金は個別見積もりです。
製造業ユーザーの口コミ・評判
ECサイトとの連携がスムーズ
【操作性・使いやすさ】
ECサイトでの入力を基本とした全体構想の為、基幹システム部分は入力が少ない為、必要十分
【他のサービスとの連携面(カスタマイズ性)】
ECサイトと連携して使用することを前提としてカスタマイズを実施したが、スムーズな連携が実現できた
【営業担当やサポート面】
カスタマイズに柔軟に対応していただけた。
PROACTIVE
- 会計から人事・給与、販売管理、生産管理、経費までカバー
- 料金は個別見積もり
- 加工組立系が中心で、プロセス製造にも対応
PROACTIVEは、必要な業務システムから段階的に導入でき、グループ展開にも対応するクラウド型のERPです。生産形態が分かれていても1つのシステムで管理できるため、製品ごとにシステムを立て分けずに済みます。
部品構成表は複数のパターンから管理方法を選べます。素材・素材加工向けと電機・機械向けに、業界に合わせたラインを別々に用意している点も特徴です。プロセス製造では、副産物・連産品の原価管理に対応します。
PROACTIVEのプラン・料金
料金は公開されておらず、個別の見積もりになります。
Oracle NetSuite
- 財務会計、顧客管理、Eコマース、在庫管理を一元管理
- 料金はモジュール単位の個別ライセンス
- 組立製造に対応。外注組立の管理も扱える
Oracle NetSuiteは、Eコマースや在庫管理、財務会計、顧客管理までまとめて扱えるERPです。事業所や地域ごとにデータを可視化でき、複数の子会社や法人もまとめて管理できます。多通貨・多言語に対応しており、海外拠点でも同じ仕組みで運用できるのが特徴です。
製造業向けには、需要と部品構成表から手配の内容と時期を決める資材所要量計画を備えています。外注先へ組立を委託するプロセスの管理にも対応します。
Oracle NetSuiteのプラン・料金
料金はモジュール単位のライセンスで、金額は個別見積もりです。使うモジュールの組み合わせによって金額が変わります。
製造業ユーザーの口コミ・評判
Microsoft Dynamics 365 Business Central
- 部品構成表・工程・製造指図・能力計画をそなえる
- Essentials 11,994円/Premium 16,491円(ユーザー月額・税抜・年間契約時)
- 組立製造に対応。製造機能は上位プランのPremium
Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、汎用のERPでありながら製造の機能を持つ製品です。製造用の部品構成表に構成品目を持たせ、工程に作業を割り付けておくと、製造指図に材料の消費量・作業時間・完成した数量が1本の記録としてまとまります。
資材所要量計画で所要量の計算を行い、原価計算まで扱えます。受注時に構成品を組み合わせて出荷する仕組み(アセンブリ)も、製造機能とは別に用意されています。
注意したいのは製造の機能が上位プランのPremiumにだけ含まれる点です。生産管理を目的に導入するなら、Premiumが前提になります。
Microsoft Dynamics 365 Business Centralのプラン・料金
| プラン | 初期費用 | 月額(ユーザーあたり・税抜・年間契約時) |
|---|---|---|
| Essentials | ー | 11,994円 |
| Premium | ー | 16,491円 |
| Team Members(参照・限定操作用) | ー | 1,199円 |
Team Membersは読み取りと限定的な操作に絞られたプランです。
OBIC7
- 会計・原価・在庫・販売・生産管理を組み合わせて使える
- 料金は個別見積もり
- 複数の生産形態に対応。プロセスは配合型の生産・原価管理
OBIC7は、複数の生産形態と管理方式に対応する生産管理を持つERPです。製造・販売に加えて、輸出入や工事、保守、修理、レンタルといった関連業務も、必要な機能を選んで同じシステムで扱えます。
自動車部品向けには、内示段階と確定後の生産計画を分けて持ち、所要量の計算結果から手配を自動で起こす仕組みがあります。
プロセス製造では配合型の生産・原価管理に対応し、同一製品が複数の配合を持つ場合も扱えます。
設計側の部品構成情報は、外部のPDMと連携して取り込んだうえで製造・販売部門に共有されます。
OBIC7のプラン・料金
料金は個別に見積もります。
製造業ユーザーの口コミ・評判
GRANDIT
- 会計・販売・調達在庫・生産管理・人事給与を1つのデータベースで統合
- 料金は個別見積もり
- 繰返生産・個別生産と、連産品を含むプロセス生産に対応
GRANDITは、基幹業務を1つのデータベースにまとめる統合型のERPです。組立製造向けとプロセス製造向けで、生産管理のアドオンとテンプレートが分かれている点が特徴です。
組立側は繰返生産と個別生産で異なる仕組みを構築でき、機械・電気・輸送・精密機器・電子部品・金属製品などを想定しています。
プロセス側は、連産品・副産物・中間品を含む生産の管理と、配合表から材料の使用量を割り出す計算に対応します。配合違いの製品は、部品構成表のバージョンを分けて管理します。
GRANDITのプラン・料金
ライセンスはサブスクリプション型とオンプレミス型の2種類があり、料金はいずれも個別見積もりになります。
製造業ユーザーの口コミ・評判
製造業向けERPを活用するポイント
ERPは導入後の活用が重要です。運用でつまずきやすい3点を挙げます。
一度に全部を載せ替えず、範囲を決めて段階的に切り替える
対象を最初から全社・全業務に広げると、要件定義が長引き、稼働の予定だけが先に動くことがあります。会計と販売から入れて生産管理を次の段階に回す、対象拠点を1つに絞って手順を固める、といった区切り方があります。
段階的に切り替えるなら、後から機能を足せる形にしておきます。ローコードの開発基盤を持つ製品では、次の段階の追加開発を内製に回している例もあります。
段階を分けると新旧が並走する期間が生まれるため、どちらの数字を正とするかを先に決めておかないと、二重入力が残ったまま定着します。
品番・部品構成表の整理を先に済ませる
システムを入れ替えても、品番の付け方が部署ごとに違うままでは在庫の精度は上がりません。同じ材料でも呼び名や寸法の表し方が分かれていると、別の品目として登録され、在庫が実態と合わなくなります。
部品構成表と部品コードを部署ごとに管理してきた場合、まず決めるのはどの体系に寄せるかです。この整理を移行と並行させると、決めきれない項目が残って移行が進まなくなります。
登録の粒度も先に決めます。部品構成表を細かく分けるほど原価は正確になりますが、現場の入力が増えます。
現場の実績入力を誰がいつ行うか決める
原価や在庫の数字は、現場の実績入力が続くかどうかで決まります。誰がどのタイミングで入力するかを決めずに動かすと、月末にまとめて入力され、リアルタイムの数字にはなりません。
入力の負担を下げる工夫も一緒に決めます。帳票を現場側で加工できる製品なら、紙の記入用紙に近い様式を現場で用意し、そのまま入力できるようにした例もあります。
入力のタイミングを工程の区切りに合わせておくと、まとめ入力に戻りにくくなります。日報や検査記録を別に書いている場合は、どちらを正とするかも決めておきましょう。
製造業向けERPに関するよくある質問(FAQ)
製造業でのERP導入にあたってよくある質問を取り上げます。
製造業のERP選びで最低限確認すべき機能は何ですか?
組立製造とプロセス製造それぞれへの対応、そして生産管理の3つです。生産まで入れ替えるなら、これに製造原価と部品構成表の持ち方が加わります。会計と販売だけを入れ替える場合は、製造原価と部品構成表までは求めなくてよいこともあります。
生産管理システムやMESとERPは何が違いますか?
担う範囲が違います。MESは製造の実行を受け持ち、作業指示や実績の収集を現場で行います。
生産管理システムは生産計画と手配を、ERPは会計・販売・在庫を含む基幹業務を同じデータベースで扱います。生産管理まで含むかどうかは、製品ごとに違います。
情報システム部門がなくても導入できますか?
製品の性格によります。カスタマイズの自由度が高い製品は要件定義から設計まで詰める必要があり、社内に担当がいないと負担が大きくなります。
一方、標準機能で業務を回す前提の製品や、プロトタイプを操作しながら要件を固められる製品なら、専任の担当がいなくても進めやすくなります。
料金を公開していない製品が多いのはなぜですか?
構成が決まらないと金額が出ないためです。モジュール単位でライセンスを積む製品や、買い取りとサブスクリプションを選べる製品があり、どこまで入れるかで金額が変わります。見積もりを取る前に、入れる業務の範囲と人数を決めておくと比較しやすくなります。
古い基幹システムから移行するときは何から着手しますか?
順序は、①現行システムの処理の棚卸し ②移行するデータの範囲の絞り込み ③移行後に残す処理の決定、です。棚卸しを飛ばすと、移行するかどうかを判断できない処理が残ります。品番と部品構成表の体系をそろえる作業は、この前に済ませておきます。
製造業向けERPを比較するならBOXIL
製造業のERP選びで見るところは、次の4点です。
- 自社が組立製造かプロセス製造かで、部品構成表の持ち方と候補が変わる
- 掲載7製品はいずれも生産管理まで持つので、会計・販売だけを入れ替えたい場合は守備範囲の狭い製品を別に探す
- 料金は個別見積もりが多く、業務範囲と利用人数を決めてから見積もりを取ると比較しやすい
- 製造委託があるなら、発注の明示・支払期日・取引記録の保存を要件として伝えておく
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各社の強みと評判を凝縮し、企業規模や課題との相性をプロの視点で要約しました。
- 各サービスのおすすめポイント(機能・導入実績・サポート品質)と自社との相性
- BOXILに寄せられたリアルな口コミ(良かった点・気になった点)
- 月額・初期費用の目安を一覧で比較
