内部統制をワークフローシステム導入で強化する方法!事例から見る業務効率化の実態
企業活動はワークフローで成り立っているといっても過言ではありません。日本版SOX法の施行によって内部統制の重要性が高まったことで、スタートアップや中小企業を中心にワークフローシステムに注目する企業が多くなってきています。
ワークフローシステムの導入の主な目的は業務効率化です。ただし、結果的に内部統制の強化にもつながったKaizen Platformの例にも見られるように、企業体制の強化とコンプライアンスの実践を実現するシステムともいえるでしょう。
ワークフローシステムを導入して内部統制の強化につながった事例を紹介しつつ、ボクシルおすすめのワークフローシステムについても比較していきます。
目次を閉じる
- 内部統制とは
- リモートワーク時代の内部統制
- ワークフローと内部統制の関係性
- 日本版SOX法の施工で内部統制義務化へ
- 内部統制とワークフロー
- ワークフローが対応する内部統制による変化
- 申請の証跡と共有
- 事前申告と承認
- 新規顧客との取引
- 受注・発注の承認
- 業務分担
- 証憑書類の保存と管理
- 内部統制を強化する4つの目的
- 業務の有効性及び効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令等の遵守
- 資産の保全
- 内部統制におけるワークフローシステム導入メリット
- 申請・承認におけるルールやプロセス作り
- 操作の履歴を残せる
- 監査対応がスムーズになる
- リスク管理が強化される
- コンプライアンス遵守につながる
- 生産性が向上する
- データ駆動型の意思決定が可能になる
- 内部統制におけるワークフローシステム導入時の注意点
- システム選定の正確さ
- 社内への浸透には時間がかかる
- 既存のシステムと連携ができるか
- ワークフロー導入事例
- 導入事例:Y社(福祉医療業界 100人〜500人)
- 導入事例企業:E社(サービス業界 100人〜500人)
- 導入事例企業:C社(IT業界 50人以下)
- 導入事例企業:S社(リサイクル業界 10,000人以上)
- ワークフローシステムのおすすめ
- おすすめワークフローシステムの比較
- 承認TIME
- Create!Webフロー
- Styleflow
- SmartDB
- X-point Cloud
- コラボフロー
- kickflow
- チムスピ勤怠(旧TeamSpirit)
- ワークフローEX
- らくらく申請WF
- ワークフローで社内統制と業務効率化を同時実現
- BOXILとは
内部統制とは
内部統制とは、ミスや不正を防止し、適切・健全に事業活動を行うため、社内において構築・適用されるルールや制度のことを指します。上場企業と関連企業での実施が義務付けられており、雇用形態にかかわらず、非正規雇用を含む全従業員が守るべきルールです。
不正を防いで健全な事業活動を行うには、ルールを遵守するための社内規定を作成し、内部統制を整備が不可欠です。また、内部統制を強化することは虚偽や不正防止に有効なため、コンプライアンスや社会的信用度の向上にもつながります。
リモートワーク時代の内部統制
新型コロナウイルスの流行は、リモートワークやデジタルトランスフォーメーションを加速させる機会となりました。これにより、従業員の安全性を確保しながらも、ビジネスの継続性を保つ新しい方法が求められています。
これは内部統制に新たな課題をもたらし、データセキュリティやプライバシー保護、そして効率的なリモートワークの実現に適切なテクノロジーの選定が不可欠となりました。
ワークフローと内部統制の関係性
ワークフローとは、各種申請・稟議など、あらかじめ定められたルートにしたがって、承認・決済に至るプロセスを共有して可視化するものです。
組織として必要な業務を電子化してペーパーレス化を行い、スムーズでスピーディーな業務遂行の実現を目的としています。
ワークフローシステムは、滞りがちであった従来の稟議や手法を改善するために、多くの企業で導入が進められるようになりました。
提供形態はオンプレミスで利用するパッケージ版、クラウドを利用したパッケージ版、スクラッチ開発、SaaS型のクラウドサービスなどがあります。他にも、ERPやグループウェアの一部機能まで、多種多様のシステムが存在します。
しかし、ワークフローシステムが広く導入されているのは、業務効率改善以外にもうひとつの重要な要素があるからです。それが内部統制強化であり、日本版SOX法の存在です。
日本版SOX法の施工で内部統制義務化へ
SOX法とは、当時多発した不正会計事件を背景に会計の透明性確保、監査強化などを目的にアメリカで制定された法律のことを指します。時を同じくして、日本でも有価証券報告書の虚偽事件が発生しており、同様の対応が迫られていました。
このような状況から、正しい財務報告を目的とした金融商品取引法(日本版SOX法)が2009年に施行されており、内部統制の義務化とITシステムの統制が求められるようになったのです。
具体的な変化を挙げると、上場企業と関連企業を対象に「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」の提出が義務付けられました。
内部統制とワークフロー
日本版SOX法では、業務処理における内部統制とITシステム全般の内部統制が盛り込まれていて、目的は次のとおりです。
- 業務の有効性と効率性の明確化
- 財務報告の信頼性
- 法令の遵守
- 資産の保全
つまり、不正なく適切に業務を遂行できるシステム構築が求められており、そのために、申請から承認までを共有して可視化するワークフローシステムが効果を発揮すると見られているのです。
また、異なるシステムが混在するITシステム全般に関しても、内部統制を意識しながらシステム間の連携がとれる可能性のある、ワークフローシステムが注目されているといえるでしょう。
こちらの記事では、ワークフローシステムのシェアや市場規模について解説しています。どの程度注目されているのかを知りたいのであれば必見です。
ワークフローが対応する内部統制による変化
内部統制の強化を行うことによって企業内の業務には変化が生じます。
具体的にワークフローシステムを業務に活用するとなった場合、まず稟議書の申請・承認・決済をシステムにのせることが考えられます。しかし、それ以外にも多くの変化に対応可能です。
申請の証跡と共有
ワークフローシステムでは、いつだれが何を申請し、どのような流れでだれが承認を行ったのかを容易に確認できます。そして、現在の進行状況はどのような状態かといった情報や証跡を電子化して残して共有でき、後日確認することも簡単です。
事前申告と承認
事前申告と承認は企業活動を行っていく際に必須の業務ですが、従来は承認者が不在で承認できない、間にあわないなどの状況が発生していました。
ワークフローシステムでは、スマートデバイスで時間と場所を問わない申請や承認が可能であり、もちろん証跡も残しておけます。
新規顧客との取引
新規顧客との取引開始にあたり、与信管理を行う場合もワークフローシステムが有効です。申請・承認フローもスムーズでスピーディーに行えるため、顧客満足度に直結します。
受注・発注の承認
受注時に注文請書を発行して承認を得たり、購買の際に発注書を発行して承認を得たりする場合にも、ワークフローシステムを活用できます。
ワークフローによって業務を電子化しておくと、属人的な業務を排除でき、情報共有や証跡によって取引先との癒着といった、不正の温床となる要因を最小限に抑えられるでしょう。
業務分担
受注・発注業務に伴った担当者の分担・分離は、不正を起こさないために必須です。
こうした事業分担を行い、定期的に担当者を入れ替えることも企業に求められますが、ワークフローによってシステム化されていれば、引き継ぎもスムーズに行えるでしょう。
証憑書類の保存と管理
ワークフローシステムは、すべての証跡を残しておけます。証跡は証憑書類つまり請求書や領収書のように扱え、財務諸表や帳簿類と関連付けて保存し、いつでも開示できることが求められています。
ワークフローシステムではこれらを改ざんされることなく管理可能です。
内部統制を強化する4つの目的
金融庁で定義されている内容にもとづき、内部統制を強化する4つの目的について詳しく紹介します。
業務の有効性及び効率性
内部統制を強化する目的のひとつに、業務の有効性や効率性を高めることが挙げられます。
企業の成長や成功には、時間・人材・コストといった資源の適切な利用が必要です。資源が有効に活かせていなければ、業務効率が低下し、経営状況の悪化につながるため、業務の有効性や効率性を評価するための制度が不可欠です。
内部統制で制度を設けることで、有効性や効率性を測定しながら業務改善が行えます。
財務報告の信頼性
貸借対照表や損益計算書といった財務報告の信頼性を高めることも、内部統制を強化する目的の一つです。
財務報告の数値は、株主や金融機関が投資や融資の判断に用いるため、取引先といった外部を含めたステークホルダーにとっても重要な情報です。そのため、万が一にも粉飾決済や虚偽の申告があれば、利害関係者に損害を与えるだけでなく、信頼が失墜するリスクもあります。
しかし、経理担当者が財務諸表をチェックし承認するといった、決算や財務報告プロセスを整備することで、適切性の担保が可能です。それにより、健全性を示し、信頼性を高めることにつながります。
事業活動に関わる法令等の遵守
内部統制の強化は、法令の遵守にもつながります。
企業活動は、労働基準法や個人情報保護法など、法令の範囲内で行わなければいけません。内部統制を整備することで、企業活動で守らなければいけない法令や規範を遵守できるよう、体制を整えられます。
たとえば、労働基準法にもとづいて勤怠管理が行えるよう、労働時間の把握や管理が可能なシステムを導入することで、不要な残業を抑制し法令違反のリスクを回避する仕組みが作れます。それにより、従業員の意識改革にもつながり、効果的な運用ができるでしょう。
さらに、法令の遵守を徹底することで、信頼性やイメージを向上させることにもつながるでしょう。
資産の保全
内部統制は、資産を保全することも目的に含まれます。
資産には、日々の業務で使用しているパソコン・プリンターといった備品や車両などが該当します。これらの企業資産を不正な方法で取得・利用すれば、社会的信用低下につながりかねません。資産を無駄に減少させ、資金が尽きてしまえば、事業活動は継続できなくなります。
そのため、物品購入時に稟議を行うといった、資産の減少を防止するための運用が必要です。資産の取得・使用・処分について、正当な手続きや承認の元に行うよう、適切なフローを経るように制度を整える必要があります。内部統制で仕組みを整備することで、不正利用を防止し、資産を保全できるでしょう。
内部統制におけるワークフローシステム導入メリット
内部統制の強化にワークフローシステムを導入するメリットには、次の7つが挙げられます。
- 申請・承認におけるルールやプロセス作り
- 操作の履歴を残せる
- 監査対応がスムーズになる
- リスク管理が強化される
- コンプライアンス遵守につながる
- 生産性が向上する
- データ駆動型の意思決定が可能になる
申請・承認におけるルールやプロセス作り
ワークフローシステムの導入により、申請・承認ルートやプロセスのルール作りが行えます。
ワークフローは、申請・承認のために利用される仕組みのため、導入時には意思決定におけるルートやプロセスの設計が必要です。申請が通るにはだれの承認が必要になるのか、またどの部署に情報共有や確認が必要かといった、ルートやプロセスの明確化が必要です。
ワークフローシステムを活用すれば、申請後のプロセスを可視化できるようになり、あらかじめ設定した申請経路に沿って、迷わずに申請や承認を行えます。また、代理承認を設定すれば、よりスムーズに承認や決済が進められるようになることに加え、不正な決済を防止し適切な権限による承認が可能になります。
操作の履歴を残せる
申請から承認まで操作の履歴が残ることも、ワークフローシステム導入のメリットです。
紙ベースによる申請書の運用では、いつどのように承認されたかが明確にわからないだけでなく、承認が止まっている際に、どこで止まっているのかも把握しにくいことも問題になります。
しかし、ワークフローシステムを活用すれば、「だれが」「いつ」「何の申請(承認)」を行ったのか、すべての履歴をデータとして記録が可能です。一つひとつの操作を可視化でき、申請過程が適切だったかどうかを確認できるようになるため、本来権限のない人が承認をするなどの不正な処理や人的ミスの防止し、内部統制の強化につながります。
監査対応がスムーズになる
ワークフローシステムを導入すると、監査の対応がスムーズに行えることも導入のメリットです。
紙の申請書を利用している場合には、過去の申請書をキャビネットやバインダーなどから手作業で探す必要があり、手間がかかります。また、紙での運用には、紛失・破損が起こりやすいため、書類を見つけるのに時間もかかるでしょう。ワークフローシステムを利用すれば、申請日や申請者などの情報から簡単に検索ができるため、監査の際にもすぐに対応できます。
また、紙での運用時には権限のない人から承認や決済されてしまう恐れがあります。ワークフローシステムを利用すれば、承認ルートが明確になり不正決済を行われるリスクの防止が可能です。そのため、コンプライアンスの強化にもつながります。
リスク管理が強化される
ワークフローシステムの導入により、企業全体のリスク管理が強化されます。取引記録といったトランザクションや内部プロセスに関するデータをリアルタイムで監視し、異常な動きや疑わしいパターンを即座に識別可能です。
たとえば、不正アクセス、異常な取引、承認されていない操作などが行われた場合、システムは自動的にアラートを生成し、関連部署や管理者に通知します。
これにより、企業は潜在的な内部統制の弱点や不正行為を迅速に察知し、事前に防止または修正可能です。リスクの早期発見と対応は安全性と信頼性を高め、潜在的な損失やレピュテーションリスクから企業を保護します。
コンプライアンス遵守につながる
コンプライアンス遵守は、とくに規制が厳しい業界では重要な課題です。ワークフローシステムは、規制要件を満たすための精度の高いレポーティングを提供します。システムによって関連するデータが収集され、規定されたフォーマットでレポートを自動生成できます。これにより、監査対応時のデータ収集や報告書類の作成に関連する作業負荷が大幅に軽減されるでしょう。
さらに、ワークフローシステムは、規制変更に迅速に対応するための更新を継続的に行えます。これにより、常に最新のコンプライアンス要件を満たしていると確信し、罰金や法的措置のリスクを回避できるでしょう。
生産性が向上する
ワークフローシステムによる業務プロセスの自動化は、作業効率と生産性を飛躍的に向上させます。日常的な業務や反復的なタスクをシステムが自動的に処理することで、本来やるべき高度なタスクや意思決定プロセスに集中できるでしょう。
これにより、人的リソースの最適化を図り、働きがいや職場の満足度を高められます。また、エラー率の低下とデータ品質の向上が期待でき、組織全体のパフォーマンス向上に寄与するでしょう。
データ駆動型の意思決定が可能になる
データは現代ビジネスの重要な要素であり、ワークフローシステムによってこのデータを効果的に活用できます。業務プロセスから大量のデータを収集・分析し、これを元に意思決定をサポートします。リアルタイムの情報にもとづいて、市場の動向や顧客の需要、内部プロセスの効率性など、多岐にわたる側面からビジネスを最適化できるでしょう。
データ駆動型のアプローチは予測分析やトレンド分析を強化し、戦略的決定をサポートします。より迅速かつ情報にもとづいた意思決定を行うことで、ビジネスの機会を最大限に活用し、競争上の優位性を確保できるでしょう。
内部統制におけるワークフローシステム導入時の注意点
ワークフローシステムの導入は、運営効率を大幅に向上できる反面、導入過程にはいくつかの重要なポイントがあります。適切な導入と統制の強化を実現するために、次の点に注意を払いましょう。
システム選定の正確さ
ワークフローシステムは多種多様です。要件や規模、業界特有のニーズにあったシステムを選定することが重要です。ひとつのシステムがすべての企業に適しているわけではなく、導入前の十分な市場調査とニーズ分析を欠かさないようにしましょう。また、将来の拡張性やカスタマイズの容易さも、選定基準に含めるべき重要な要素です。
社内への浸透には時間がかかる
新しいワークフローシステムの導入は大きな変化を意味し、受け入れと利用には時間がかかります。人々は新しいテクノロジーやプロセスに抵抗を感じることがよくあり、変更に対する疑念や不安がシステムの完全な浸透を遅らせる可能性があります。
このような状況を克服するには、変更管理のプロセスを計画的に進め、新システムを受け入れやすくするためのサポートを提供することが重要です。具体的には、研修会の実施やFAQの用意など、新しいシステムに慣れ親しむ機会を設けることが有効です。
既存のシステムと連携ができるか
システム間の互換性が欠如していると、データのシームレスな移行を阻害し、業務プロセスに断絶をもたらす可能性があります。
この問題を解決するためには、導入前の徹底した技術的評価が必要です。既存のシステムと新しいワークフローシステムとの間でデータが正確に、かつ効率的に移動できるかを確認する必要があります。また、異なるシステム間での自動データ転送やシングルサインオンのような機能に対応しているかも、重要な検討ポイントです。
これらの注意点を踏まえることで、ワークフローシステムの導入を成功に導き、業務効率と内部統制の強化を実現できるでしょう。
ワークフロー導入事例
ワークフローシステム導入により紙の消費を減らし、電子化につながった企業は数多くあります。福祉業界やIT業界などの事例を紹介していきます。
導入事例:Y社(福祉医療業界 100人〜500人)
Y会は薬局として創業し、創業90年以上経ったいまは関東を中心に45店舗まで拡大して、地域の人々の健康を守ってきました。
出店スタイルには大きな病院の処方箋を受ける大型薬局、クリニックや中小病院の処方箋を受付る地域密着型の薬局があります。他にも、車椅子でも利用できるようにバリアフリー化した店舗、授乳室やキッズスペースを設けてあるもの、カフェ併設型まであります。
また、薬剤師が自宅や施設を訪問して、薬の服用などに関するサポートを行う在宅訪問事業も展開してきました。
課題:紙の申請書で状況把握が困難
これまで資料や記録が紙ベースであったこともあり、長年オフィスでの業務が紙のままであるものが多数だった。
申請書は決裁者に直接紙を渡しての承認が必要となるため、決裁者が不在のときにはいつまでも承認が得られず、作業・承認がどこまで進んでいるのか、状況把握が難しい点も課題であった。
効果:オフィス業務の電子化
いままで紙ベースで行われていたオフィス業務などを電子化したことで、印刷やFAXなどの紙を使う必要がなくなり、作業効率が向上した。そして、情報をデータで保存できるため、紛失や作業状況の混乱なども解消するようになった。
導入事例企業:E社(サービス業界 100人〜500人)
E社はコンサルティングを行う企業で、アジアをはじめとした海外進出をする企業のサポートによって、活躍の場を次々と広げています。
E社のコンサルティングサービスは実行支援まで行うため、顧客先の職場に常駐して問題や改善をサポートしています。
課題:大量の紙の消費と現状把握
社外に常駐するため、社内とのやりとりや社内で行うべき業務をなかなか効率よくできない一面があった。
また、これらは紙ベースで行われていたため、顧客が増えたり従業員が増えたりしたことで、資料が膨大になり現状を把握することが困難に。
効果:紙消費を減らしてコストダウン
新規取引の場合は必要資料の厚さが5センチほどになり、本社の稟議関連書類だけでも月に1万枚、その他の資料もあわせると12万枚もの紙を消費していた。
ワークフローを導入して資料を電子化することで、大量の印刷・用紙コストを抑えられ、進捗状況の把握もしやすくなり、内部統制を強化するきっかけにもなった。
導入事例企業:C社(IT業界 50人以下)
C社は2004年に設立された、360万人ものユーザーを抱えるポイントサイトの運営企業です。他にも、Webサイト構築の総合コンサルティングや、制作と管理、広告代理事業なども行っています。
課題:承認を得るべき相手がわからない状態に
事業規模が大きくなり、従業員が増えたことによって、社内ルールがうまく周知できない状態に。申請ルールが浸透しなかったり、承認を得るべき相手がわからなかったりといった問題が起こっていた。
また、紙ベースで業務を進められることが多く、進捗状況が把握しにくいことも課題であった。
効果:承認経路の明確化
ワークフローを導入して承認経路を設定することで、どのような承認をだれに得ればいいのかが明確になった。承認経路設定により承認の抜け落ちを防ぐ効果もあったようだ。
導入事例企業:S社(リサイクル業界 10,000人以上)
S社は1990年に創業した中古本販売店で、創業から20年で1,000店舗を展開する事業規模にまで拡大しました。
現在では古本の取り扱いだけでなく、CD・ゲームソフト・ファッション・スポーツ用品・ベビー用品・ブランド品・楽器・生活雑貨など、幅広く商品を取り扱っています。また、ネットでの売買にも積極的に取り組んでいます。
課題:コア業務以外にかかる時間が増加
事業拡大につれて業務や帳票の種類、申請方法は増加していたため、店舗ではそれらに充てる時間が、コア業務である接客や商品の扱いにかける時間よりも増えてしまっていた。
優先度の高い接客や商品管理に時間が回せず、売り上げに影響し、従業員に余計な負担をかけてしまう状況に陥っていた。
効果:業務の簡素化でコア業務にかけられる時間が増加
S社は、帳票イメージの高い再現性・充実したクエリ機能・専用ソフトが不要なことをはじめとして、使いやすさが重視されたワークフローシステムを導入。システムが導入されたことで一部業務の簡素化に成功し、コア業務に集中できる時間が増加した。
ワークフローシステムのおすすめ
内部統制を強化しつつ、業務を飛躍的に効率化するワークフローシステム。次からは検討の参考となるよう、いくつかのワークフローシステムを紹介します。
本記事で紹介するワークフローシステムのさらなる詳細や、紹介しきれなかったサービスについては次のリンクから無料で確認できます。あわせてご覧ください。
おすすめワークフローシステムの比較
おすすめワークフローシステムの資料を厳選。各サービスの料金プランや機能、特徴がまとまった資料を無料で資料請求可能です。資料請求特典の比較表では、価格や細かい機能、連携サービスなど、代表的なワークフローシステムを含むサービスを徹底比較しています。ぜひワークフローシステムを比較する際や稟議を作成する際にご利用ください。
承認TIME - SBIビジネス・ソリューションズ株式会社
- 緊急時の飛び越し承認をはじめ多様な形式に対応
- 過去の承認から文書を引用可能
- いまの申請内容や項目をほぼ変えずに移行
承認TIMEは、臨時の対応も含め承認ルートを自由に設定可能なワークフローシステムです。承認ルートや承認者の設定は、拠点単位やチーム単位で細かく設定でき緊急時の飛び越し承認にも対応。また、内容および項目を残したまま、稟議書や申請書、報告書など多くの書類を電子化できます。閲覧状況のチェックや閲覧権限の設定を柔軟にできるので、内部統制の強化を進めながら、申請から承認までのフローをスピーディに行えるのがポイントです。
Create!Webフロー - インフォテック株式会社
- 紙の申請書のデザインをまるごと電子化
- 条件分岐や複雑な承認フローにも対応
- グループウェアや各種システムと連携可能
Create!Webフローは、紙による申請や決裁業務をまるごと電子化できるワークフローシステムです。迷わず操作できるわかりやすい画面デザインで、申請書はサムネイル一覧から選択、紙に書くイメージで入力します。ワークフローの進捗状況はアニメーションアイコンで表示されるため、一目で把握が可能です。また、初期費用なしで、最小限のコストで運用がはじめられます。
- 小規模から大規模まで規模を問わず運用できる
- メールやChatwork、Slackへ通知できる
- Office365、Google Workspaceとシングルサインオン連携が可能
Styleflowは、申請業務をシンプルかつ効率化するワークフローシステムです。既存で運用しているExcelやWordの申請書フォーマットを取り込んで、同じレイアウトの申請書を作成できるため、フォーマットを新たに作成する手間を省けます。複雑な承認ルートや条件を設定した承認ルートの自動振り分けなど、自由度が高いので使い方にあわせた導入や運用が可能です。
- ノンプログラミングでワークフローを電子化
- 大企業市場で実績多数、大組織にフィット
- 可能複数部門を横断した並列承認も可能
SmartDBは、ビジネスプロセスを電子化する大企業向けサービスです。
プログラミングなしにデータベースをブラウザ上へ作成でき、ユーザー部門主導の業務システム内製化を強力に推進します。大企業ならではの複雑なフローに対応。大きなリスクやコストを伴う改編も、組織に紐づく柔軟な権限設定によって安全かつ低コストで実現します。
X-point Cloud - 株式会社エイトレッド
- 使い慣れた書類デザインを電子化
- 検索や集計の機能も充実
- グループウェア連携が可能
X-point Cloudは、ワークフローシステム導入実績多数のエイトレッドが開発した、クラウド型ワークフローシステムです。
使用しているフォーマットイメージを変えずにデータ化できるため、電子化への抵抗を軽減できるのが特徴。運用ルールやフローの変更も最低限に抑えられます。絞り込み検索、日付を指定した範囲検索が可能で、入力されたデータをグラフで表示し集計も可能です。グループウェア連携をすると、X-pointの情報を他システムのポータル画面に表示でき、承認スピードの向上が期待できます。
- 簡単3ステップで思い通りの帳票を作成
- 充実のワークフロー機能
- オプションでさらに便利に使えるデータ連携
コラボフローは、インターネット環境とExcelがあれば、だれでも簡単に作成・運用ができるワークフローシステムです。
申請書のExcelファイルをまるごとWebフォーム化するので、申請経路はパズル感覚で簡単に設定できます。機能面も非常に充実しており、承認段階ごとの入力制御、追記内容の自動判別・分岐などの充実したワークフロー機能を利用可能です。また、他サービスとの連携機能も充実しているため、懐の深いワークフローシステムを構築できます。
- 数百社にヒアリングした内容を反映したサービス
- 柔軟な権限設定や代理申請・承認機能で内部統制を強化
- 多彩な外部連携と承認経路の細かな設定で、より早い承認を
kickflowは、稟議やワークフローに課題を感じる数百社にヒアリング調査を行い、調査内容を元に扱いやすさにこだわって作られたワークフローシステムです。ワークフローや組織・権限の設定、外部連携の柔軟性の高さが特徴です。
部門・部署ごとに柔軟な権限管理ができ、閲覧できる範囲も自由に調整できます。メンバー不在の場合は、代理の申請や承認もできるため、アカウントを使いまわす必要はありません。また、API連携によりチャットツール上で承認や差し戻しをしたり、承認経路を順列・並列で設定したりと、ワークフローに関する手間を減らすための機能も充実しています。
チムスピ勤怠(旧TeamSpirit) - 株式会社チームスピリット
- ワークフローの一体化で業務効率化
- 迅速な意思決定と多様な働き方を実現
- データの収集や分析により、内部統制の状況を可視化
チムスピ勤怠(旧TeamSpirit)は、ワークフローを一体化し、業務効率化と内部統制の強化を実現するクラウド型システムです。勤怠や経費・工数・稟議・SNSなどの機能を一元化することにより、事務業務にかかる時間や工数の削減と管理業務のコスト削減を実現します。一人ひとりの活動データをリアルタイムに収集や分析し、内部統制の実行結果を可視化するので、意思決定のスピードアップと多様な働き方の実現に貢献します。
ワークフローEXは、Excelで作成した稟議文書をまるごとワークフローにのせられる、画期的なワークフローパッケージです。
従来の稟議文書の元となるExcelファイルをまるごと使用して電子捺印での申請・承認ができ、これまでの紙での決裁フローを簡単にペーパーレス化・電子化できます。
また、稟議書に入力された金額や文字を自動的に判断して、決裁ルートを自動的に変更できる柔軟性を備えており、ファイルを添付可能で取引先とのやり取りにも活用できます。
もちろんスマートデバイス対応で、時間と場所を問わないアクセスが可能です。
らくらく申請WFは、シリーズ共通の強力なエンジンをもつワークフローシステムで、用途に応じてオンプレミス/クラウド環境での活用が可能です。
紙の申請書をイメージした豊富なテンプレートが揃っており、柔軟なカスタマイズで多様な要望に応えるほか、さまざまな承認者の設定に対応、不在の場合の代理申請も自動で行えます。
また、催促メールなどの通知機能に加え、検索機能・集計機能・自動採番管理機能など管理者にとっても使いやすいほか、スマートデバイスにも対応しています。
ワークフローシステムをさらに比較したい方は次の記事をチェックしてください。
ワークフローで社内統制と業務効率化を同時実現
ワークフローシステムが申請・承認業務を共有して可視化し、業務効率向上によって生産性を上げることは広く認識されていることです。
しかし、適用範囲を大きく広げることによって、結果的に企業内の社内統制強化につながることは、意外と考慮されていなかったかもしれません。
日本版SOX法の対象とならない企業でも、近年ではコーポレートガバナンスが重視される時代でもあり、社内統制の強化は必須の取り組みといえるでしょう。
さらに業務効率化にも大きく貢献するワークフローシステム、この機会に導入を検討してみてください。
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