自動車業界のCRM導入事例 | 課題、顧客管理システム比較

自動車業界におけるCRM(顧客管理)とは
CRMはどの業界でも必要とされています。自動車業界も例外ではありません。最近では、顧客数増加だけでなく、コストパフォーマンスの高いCRMが必要とされています。
本記事では、日産自動車によるCRM導入事例を紹介するとともに、代表的な顧客管理システムの比較をしていきます。面倒な顧客管理を、あなたの企業でも効率化しましょう。
CRMの用語に関しては、以下の記事でも解説をしています。
目次を閉じる
- 自動車業界におけるCRM(顧客管理)とは
- 自動車業界のCRM導入事例
- 日産自動車の「MicrosoftDynamics365」導入事例
- 自動車業界におけるCRMの課題
- アフターサービス専業企業の台頭
- 新車代替期間の長期化
- 顧客がネットで知識を入手
- 自動車業界の課題をCRMで解決できる理由
- メーカーと販売会社の情報共有
- 多様なライフスタイルに対応
- インターネットで顧客情報を入手
- 自動車業界向けCRM
- SalesforceSalesCloud-株式会社セールスフォース・ドットコム
- MicrosoftDynamics365
- ZohoCRM-ゾーホージャパン
- OracleSalesCloud
- GRMarketing-株式会社イーグリッド
- 自動車業界の課題をCRMで解決
- ボクシルとは
自動車業界のCRM導入事例
自動車メーカーもCRMで顧客との関係を良好にすれば、継続的な売り上げを狙えます。大手の自動車メーカーもCRMを導入して課題を克服しています。
大手自動車メーカーの事例として、日産自動車の「Microsoft Dynamics 365」活用方法を紹介します。
日産自動車の「Microsoft Dynamics 365」導入事例
日産自動車では、2011年12月にマイクロソフトとともに「次世代ディーラーマネジメントシステム」の構築を発表しました。
次世代ディーラーマネジメントシステムはMicrosoft Dynamics 365を販売店向けに導入し、顧客個人に合ったサービスを提供するシステムです。システムをWindows Azure上で稼働させて、クラウドで活用するのが狙いの一つです。
Microsoft Dynamics 365や他Office製品をクラウドで利用することで、販売を促進し、グローバル規模の市場シェア拡大を目指しています。
顧客は、実際に販売店で車を購入する際に、自分の属性や価値観に合ったさまざまなラインナップを選択できます。また、日産自動車も同システムによって、顧客の嗜好に合った製品開発に注力でき、開発コストの抑制が期待されています。
日産自動車のブランドを活かしながら、CRMで顧客個人と強固な関係を構築する試みは、今後、自動車業界に大きな影響を与えていくと予測されます。
自動車業界におけるCRMの課題
CRMは自動車業界でも、重要だと認識されています。しかし自動車業界で、顧客と直に接するのは販売会社です。メーカーが直接顧客と接する機会はあまりありません。
そのため顧客情報は、メーカーや販社それぞれに分散する傾向が強く、活用できていないケースが多々あります。まずは情報の統合が重要です。他にも以下のような課題が指摘されています。
アフターサービス専業企業の台頭
自動車保有台数は世界的に増加しています。増加にともなって、部品の交換や修理、中古車取り扱いなどアフターサービス市場も拡大しています。
たとえば、中古車販売企業の台頭やカーオークション市場の活況が一例です。中古車の再利用増加で、これまで新車を購入していた顧客層が中古車市場へと流れています。
自動車メーカーは流出する顧客をつなぎ止めるため、新しい顧客関係の構築や維持の施策を迫られています。
新車代替期間の長期化
新車の買い替えまでの年数が伸びています。1990年代と現在を比べると、期間が約2年近く長くなっています。
長期化の理由はいくつかあります。デフレによる所得低下で、買い替えを先延ばしにする人が増えたことがあげられます。他にも、自動車の耐久性向上、自動車以外で移動する人の増加なども理由です。
自動車を所有しながら、日常的に他の交通手段を利用する層も増加傾向にあります。自動車が劣化しにくいので、買い替えまでのスパンが延びます。よって、他の移動手段の出現も自動車業界にとって、逆風となっています。
顧客がネットで知識を入手
顧客がネットで商品知識を独自に入手できるのも、顧客離れの一因です。
これまでは、販売店でしか情報を入手できませんでした。販売店を訪れたその足で、ディーラーから直接話を聞き、薦められた車を購入するのが一般的でした。
しかし、ネットの登場で、顧客は知りたい情報を検索するようになりました。ディーラーからすれば、対面で交渉できないので、営業の機会を増やせずに困っています。営業をできないので、売り上げも減少しています。
自動車業界の課題をCRMで解決できる理由
自動車業界では、メーカーと販社は別領域という意識が強く、それぞれ個別に営業やマーケティング施策を講じていました。分析が違うので、ニーズへの対応もバラバラです。顧客からするとピントのずれた機能改良やデザインを繰り返しがちでした。
この問題に対応するためには、統一化されたシステム、すなわちCRMが必要です。CRMによって、メーカーと販社はお互いに情報を流通させ、ニーズにあった施策が打てます。
アフターサービスが後手に回っていた問題も、新車の販売スパンが延びている問題も、ネットの普及による問題も、CRMによって解決できます。
メーカーと販売会社の情報共有
CRMを使うことでメーカーと販社の情報を共有でき、正確な顧客ニーズを把握できます。ニーズがわかれば、メーカーと販売会社が一体となって顧客視点でサービスを提供できます。
顧客がどのタイミングでどのようなサービスを必要としているかは、顧客属性やライフスタイルを分析して明らかにします。分析を踏まえて、販売会社は効果的な売り方を実施します。
たとえば買い替え時期の傾向を分析します。分析結果にもとづけば、適切なタイミングでキャンペーンを実施できます。メーカーは販社と手を組むことでより効果的にマーケティングできます。両者の間をつなぐのがCRMです。
多様なライフスタイルに対応
自動車の買い替え方や時期も、違った考え方をもつ人が増えています。個人の経済事情や価値観の変化が細分化しているからです。
顧客の多様化によって、マス的なアプローチでは、顧客と良い関係を築けなくなりました。そのため、CRMによってターゲットの価値観に応じた、独自のアプローチが必要となってきます。
むしろ、資金力のある自動車メーカーがCRMを積極的に活用すれば、効果的な施策はそう難しくありません。
インターネットで顧客情報を入手
ネットの情報は、顧客の購買決定に大きな影響を与えています。顧客自身が独自に商品知識を入手し費用対効果の高い購買行動をとることは、メーカーや販社にとって脅威でしょう。
しかし、ネットはCRMと非常に相性が良いです。なぜならば、ライフステージに応じたマーケティング施策や、過去の購買履歴に基づくアプローチをしやすいからです。
ネットを活用したCRMの施策を、メーカーと販社が一体となって、打ち出すことが重要です。ネットを利用できれば、顧客と継続的に関係を維持できます。
自動車業界向けCRM
最後に、上述のMicrosoft Dynamics 365をはじめとした自動車業界向けのCRMシステムについて、4つ紹介します。
本記事で紹介するCRMや、紹介しきれなかったサービスのさらなる詳細については以下の記事からご覧になれます。ぜひご覧ください。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ドットコム
画像出典:Salesforce Sales Cloud公式サイト
- 国内外でナンバーワンの導入実績
- ステータス管理やレポートティング機能が充実
- 専門部隊によるサポート
Salesforce Sales Cloudは、世界で10万社以上が導入したCRM/SFAソリューションです。
営業活動に必要な機能をオールインワンで利用できます。カスタマイズ性に優れており、ユーザーの状況に合わせて業務プロセスを構築できます。BtoBとBtoCの違いにとらわれず、さまざまなビジネスに対応できるので幅広い企業に向いています。
ユーザー交流の場が設けられているほか、専門部隊によるサポート体制も整っています。
Microsoft Dynamics 365
- 他Microsoft製品との連携
- 拡張性が高く、開発者の間口が広い
- クラウド型・オンプレミス型に対応
Microsoft Dynamics 365は、Microsoftが提供するCRMソフトウェアパッケージです。セールス、マーケティング、サービスの3つから構成されており、CRMで必要な機能が網羅的に搭載されています。ExcelやWordのような使いやすいインターフェースが特長です。
導入実績も豊富です。全世界で4万社以上に利用されていて、国内でも上述の日産自動車をはじめ、多くの有名企業に採用されています。政府官公庁や教育機関向けのパッケージもあります。
Zoho CRM - ゾーホージャパン
- 圧倒的な機能と驚きの低価格
- キャンパス機能を搭載
- 業務の効率化を実現
多くの商品を取り扱い仕入先、購入者などさまざまな情報を管理する必要のある自動車業界からも選ばれるZoho CRM(ゾーホー・シーアールエム)。
なかでも特に人気の高い機能が「キャンバス」です。業界初のキャンバスビューをCRMに使用し、データを好みの形で表示できます。区別しやすいように画像を追加したり、カスタムボタンを追加してフィールドを作成するなど、使いやすさが特徴です。
Oracle Sales Cloud
- モバイル対応のCRM
- ダッシュボードによる売上管理
- ソーシャル・コラボレーション
Oracle Sales Cloudは、日本オラクルが提供しているCRMパッケージです。ハイテク、製造、金融、消費財、通信の各業界に特化した機能が特長です。業界特有のデータ・モデルや画面、業務フロー、ルールが組み込まれており、各業界の需要に対応しています。
特に営業のパフォーマンス管理は充実しています。継続的に営業効率を改善、売上目標を達成させる機能が豊富です。営業トレーニングツールも実装されており、新人育成に役立ちます。
GRMarketing - 株式会社イーグリッド
- 月次決算の早期確定
- 売上集計や請求書発行などの経理処理を簡略化
- 入金チェックにかかる時間の削減
GRMarketingは、見積もりや請求書発行、受注管理、売上管理などを簡略化するクラウド型の顧客管理サービスです。クラウド型のため、オフィスにあるパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用できます。
シンプルなインターフェースなので、すぐに操作方法を覚えられます。IT企業だけでなく製造業や建設業、保険代理店、芸能事務所など、さまざまな業界で導入されています。
自動車業界の課題をCRMで解決
自動車業界におけるCRMの必要性と、実際の導入事例について紹介してきました。
CRMをという言葉は記事を読む前から知っていたと思います。それだけ効果が実証されている手法ですが、実際に活用するとなると相応の困難がともなうはずです。
しかし、日産自動車を中心に、今後CRMを活用するメーカーや販社が増えていくと予測されます。ぜひこの機会にその重要性について理解しておきましょう。顧客との双方向コミュニケーションこそが、多くの課題を抱える自動車業界の突破口となるでしょう。
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