kintoneで電子契約はできる?連携方法やおすすめ連携サービス
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kintoneで電子契約を行う方法
kintoneとは、さまざまな業務アプリを自由に組み合わせて、独自のシステムを構築できるクラウドサービスです。顧客管理や案件管理、日報作成、交通費申請など、数百種類もの業務アプリが用意されています。
kintoneでは、電子契約システムと連携することで電子契約の機能を利用できます。kintoneで電子契約を行う手順は次のとおりです。
- kintoneで契約書を作成
- 電子契約システムで契約を締結
- 締結済みの契約書をkintoneに格納
1.kintoneで契約書を作成
kintoneの業務アプリの一つである「契約書作成アプリ」を導入すると、効率良く契約書を作成できます。
「契約書作成アプリ」では、条文中での表挿入や料金表の差し込み、別紙ページの追加など、非常に多様な表現が可能です。また、一般的な帳票作成ツールと違い事前にレイアウトを設定する必要がなく、文量に応じて自動でページを追加したり署名欄の上下部分を調整したりできます。
作成した契約書は電子契約システムと紐付けられるよう、PDFファイルに変換しておくとよいでしょう。契約書作成アプリのなかで、作成した書類をPDFで出力できます。
2.電子契約システムで契約を締結
kintoneは、クラウドサインや電子印鑑GMOサイン、freeeサインなど、さまざまな電子契約システムとの連携に対応しています。専用のプラグインを導入するだけで連携が完了するため、プログラミングの知識や技術は不要です。
電子契約システムには、電子署名やタイムスタンプ、契約書データの送信などの機能が搭載されています。そのため、変換したPDFファイルをkintoneから電子契約システム上にアップロードすれば、署名やタイムスタンプを付与して契約相手に送信できます。
3.締結済みの契約書をkintoneに格納
電子契約システムは、電子契約を実行する機能を備えていますが、文書を管理したり保管したりする機能が不足しがちです。文書管理機能を備えている場合でも、ストレージ容量が少ないケースも珍しくありません。
そのため、締結した電子契約書は、電子契約システムからkintoneに移行して管理すると良いでしょう。kintoneには業務アプリの一つに「契約書管理アプリ」が用意されているため、効率良く電子契約書を一元管理できます。「契約書管理アプリ」には、ファイル検索やバージョン管理、コメントなどの管理業務を効率化できる機能が数多く搭載されています。
kintoneで電子契約を行うメリット
kintoneで電子契約を行うメリットは次のとおりです。
- 契約業務の一連の流れを効率化できる
- 契約業務に役立つ幅広い機能を利用できる
- 契約業務に関するアプリを組み合わせられる
契約業務の一連の流れを効率化できる
一つ目のメリットは、契約プロセスの効率化につながる点です。
契約業務を効率化するには電子契約システムが役立ちます。電子契約システムには、電子署名やタイムスタンプ、契約書のやり取りなど、電子契約を効率化するための幅広い機能が搭載されているためです。
しかし、契約書の作成や管理に関しては、電子契約システムの機能だけでは不足するケースが多いため、契約プロセス全体を効率化するためには外部システムとの連携が欠かせません。kintoneの場合、契約書作成と契約書管理の両方の業務アプリが用意されているため、電子契約システムに不足している箇所を補完できます。
契約業務に役立つ幅広い機能を利用できる
kintoneの「契約書作成アプリ」や「契約書管理アプリ」には、契約業務に役立つ幅広い機能が備わっています。
【契約書作成に役立つ機能】
- 条文マスタ
- 取引先マスタ
- 変更履歴
- テンプレート など
【契約書管理に役立つ機能】
- ファイル検索
- バージョン管理
- コメント など
これらの機能を活用することで、連携する電子契約システムはシンプルな機能で済みます。機能がシンプルになれば電子契約システムの導入や運用にかかわるコストの削減が可能です。
契約業務に関するアプリを組み合わせられる
kintoneを利用すると、数百種類の業務アプリを組み合わせられる独自のメリットを契約業務でも活かせます。
契約関連の業務アプリとしては、「契約書作成アプリ」や「契約書管理アプリ」に加え、「顧客リストアプリ」や「案件管理アプリ」、「受注・売上管理アプリ」などがあげられます。仮に「顧客リストアプリ」を組み合わせる場合は、kintoneに登録した取引先マスタを契約業務でも活用できるのがメリットです。
さまざまな業務アプリを組み合わせ、契約業務の効率化につながる独自のシステムを構築しましょう。
kintoneと連携できる電子契約システムおすすめ7選
kintoneとの連携に対応した電子契約システムは数多く存在します。なかでも、おすすめの電子契約システムを7サービス紹介します。
クラウドサインは、250万社以上の導入実績があり、国内トップシェアを誇る電子契約システム※です。豊富な機能や手頃な価格帯、使いやすいUIなどに強みを持ちます。
クラウドサインは、kintone向けの豊富な連携アプリが用意されているのもポイントです。たとえば、取引情報をもとに自動で電子文書を作成できる「クラウドサイン連携アプリ」や、kintoneの顧客情報をもとに帳票作成を行える「クラウドサイン MAKE for kintone」などがあります。
ほかにもCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)、RPAなど、さまざまな外部システムとの連携にも対応しています。
※出典:クラウドサイン「クラウドサイン | 国内シェアNo.1の電子契約サービス」(2025年1月15日閲覧)
Docusign - ドキュサイン・ジャパン株式会社
ドキュサインの電子署名は、900種類以上の外部システムと連携できる電子契約システムです。kintoneも連携可能な外部システムの一つで、「DocuSign連携アプリ」のプラグインを導入すると実現できます。
プラグインを導入すると、kintoneで作成したレコードがドキュサインの電子署名のデータと連動します。署名を依頼したあと、紐付けられたレコードが自動的に更新される仕組みです。データ更新作業の手間を最小限に抑えられるメリットがあります。
電子印鑑GMOサイン - GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサインもクラウドサインに劣らない導入実績を持つ、大手の電子契約システムです。機能が豊富にもかかわらず、無料プランが用意されており、導入ハードルの低さに強みを持ちます。
kintoneと連携する際は、「Repotone」と呼ばれる専用のプラグインを利用します。システム連携により、kintoneの顧客情報をもとにワンクリックで帳票を作成できるのが利点です。また、送信・署名依頼した電子文書は、電子印鑑GMOサインのシステム上で一元管理できます。
freeeサインは、フリー株式会社が提供する電子契約システムです。会計システムや人事労務システム、販売管理システムなど、さまざまなfreee製品と連携して機能を拡充できます。
また、外部システムとしてはkintoneとの連携が可能です。「freeeサイン for kintone」のプラグインを利用すれば、kintoneで簡単な操作をするだけでfreeeサイン用の帳票を自動生成できます。
Adobe Acrobat Sign - アドビ株式会社
Adobe Acrobat Signは、Adobe社が提供する電子契約システムです。Adobe社はPDF閲覧・編集用のAcrobat Readerを提供しているため、PDFファイルを扱う機会が多い電子契約システムとは、相性の良い関係だといえます。
Adobe Acrobat Signは、Microsoft 365やBoxとの連携が可能です。ほかにも、「Adobe Acrobat Sign連携プラグイン」を導入することで、kintoneとも接続できます。kintoneと連携すると、Adobe Acrobat Sign上のデータを読み取ったうえで、kintoneから帳票作成や契約締結、契約管理などを行えます。
WAN-Sign - 株式会社NXワンビシアーカイブズ
WAN-Signは、幅広い機能が基本プランに標準搭載されている電子契約システムです。契約管理や文書管理、セキュリティといったジャンルごとに、さまざまな機能が用意されています。
連携できる外部システムの種類も豊富です。基幹システムやワークフローシステム、文書管理システムのほか、kintoneとの連携にも対応しています。「WAN-Sign連携アプリ」のプラグインを導入することで、kintoneで作成したレコードと、WAN-Signで管理している契約書を紐付けられます。
Great Sign - 株式会社TREASURY
Great Signは、株式会社TREASURYが提供する電子契約システムです。ユーザー数無制限の料金プランを採用しているため、利用者数によって大きな費用対効果を得られるメリットがあります。多言語対応や反社チェック、Great Sign Paymentなど、独自の機能を搭載しているのもポイントです。
Great Signと連携できる外部システムはkintoneのみです。「Great Sign × kintoneコネクター」のプラグインを導入することで、Great Signで送信した契約書の情報をkintone上で一元管理できます。
kintoneと電子契約システムを組み合わせて業務効率化を図ろう
kintoneと電子契約システムを組み合わせると、契約書の作成や管理はkintoneで、契約書の署名や相手方とのやり取りは電子契約システムといった形で、効率良く契約業務を進められます。連携方法も難しい知識や技術は必要なく、プラグインを導入するだけで済みます。
ただし、電子契約システムのなかにはkintoneと互換性がない製品もあるので注意が必要です。また、一概に電子契約システムといっても、製品ごとに機能性や操作性が大きく異なるため、それぞれの特徴を押さえる必要があります。本記事で紹介した電子契約システムのなかから最適なものを選択してみてください。
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