不動産業向け顧客管理システム(CRM)比較7選!選び方と導入事例

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- 不動産業とCRM(顧客管理システム)
- CRM(顧客管理システム)とは
- CRMを導入する目的
- 不動産業界でCRMが注目される理由
- 不動産業界向けCRMの機能
- 不動産業界におけるCRMの選び方
- 不動産特化CRMか・汎用CRMか
- 使いやすさと情報の見やすさ
- オンプレミスかクラウドか
- 不動産業向けCRM(顧客管理システム)3選
- いえらぶ顧客管理システム
- スモッカCRM
- ノマドクラウド
- 代表的CRM(顧客管理システム)4選
- Salesforce Sales Cloud
- Zoho CRM
- SkyDesk
- Microsoft Dynamics 365
- 不動産業界のCRM導入事例
- 事例1. 「不動産関連会社」における成約率向上事例
- 事例2. 「企業の住宅事業部」における顧客満足度の向上事例
- 不動産業でCRMを導入して競争力を強化しよう
- BOXILとは
不動産業とCRM(顧客管理システム)
不動産業では、マス広告や折込チラシなどでマーケティングを行ってきました。しかし、近年は市場全体の規模の縮小もあり、古くからの営業・マーケティング手法では通用しなくなりつつあります。そこで注目されているのがCRM(顧客管理システム)です。
CRMは、リード(見込み客)をうまく管理し、一人ひとりの購買プロセスに応じたアプローチを行うためのツールです。Excelのテンプレートでも顧客管理は可能ですが、ツールを利用することで効率的に情報管理・分析が行えるようになります。
CRMはあらゆる業界・業種に浸透しているシステムですが、近年は不動産業界でも積極的にCRMを導入し、よりコストパフォーマンスの高い顧客管理システムの構築がトレンドになってきています。
CRM(顧客管理システム)とは
CRM(顧客管理システム)とは、「Customer Relationship Management」の略称で、顧客の情報を管理して最適なアプローチを行うことで、見込み客や既存顧客との関係を深めるシステムのことです。
CRMでは、一人ひとりの顧客に対して、どういうアプローチをすれば顧客満足度を高められるか、実際の顧客の行動データや反応分析をし、成約に結びつけるための戦略を立てていきます。
具体的には、顧客の氏名や年齢、性別、家族構成といった基本的な情報から、Webサイト上での行動履歴や問い合わせの内容といった情報を把握・分析し、顧客のニーズに応じたより適切な対応やサービスの提供を行います。
顧客情報は膨大なデータが必要になり、分析にも時間がかかるため、CRMシステムを利用するのが一般的です。
CRMとは何かについては、次の記事で詳しく紹介しています。

CRMを導入する目的
CRMを導入する目的は顧客との関係を強化することですが、最終的には成約率を伸ばし収益を上げることが目標になります。
これは言い換えれば、既存客との良質な関係を維持することで、リピート購入を増やすことで、顧客の「生涯価値(LTV)」を上げることにつながります。
そのためには、顧客データの分析が重要であり、顧客の行動履歴や購入金額、購入頻度などを分析して、階層分けすることで、それぞれの顧客層に応じた適切なアプローチを行っていく必要があります。
不動産業界でCRMが注目される理由
上述のように、不動産業界はこれまで顧客に対してチラシや店頭での広告、メディアを使ったマス広告がメインでした。
しかし、インターネットやその周辺技術の進歩によって、顧客自身がポータルサイトで住宅や賃貸物件の情報収集ができるようになるにつれ、これまでのような画一的な営業や宣伝手法では訴求力に限界があることが明らかになってきました。
そこでCRMによって、多様化したチャネルの顧客ニーズを取り込み、最適な物件提案や追客対応を行おうとする不動産会社が増加しているのです。
不動産業界向けCRMの機能
不動産業界向けCRMでは、賃貸ポータルサイトや自社サイトの反響を自動で取り込み、問い合わせ内容や反響物件、希望条件を自動で登録できます。
不動産業に特化した、反響分析、物件提案、物確自動応答、Web内見予約、賃貸管理などの機能や、自動メール配信、LINE・SMS・チャットといった連絡チャネルの一括管理機能などを備えています。これらの機能で追客を自動化・効率化し、成約率の向上を実現させます。
連絡チャネルの一括管理機能は、顧客からの不動産の問い合わせに迅速に回答するための機能で、問い合わせを受けたスタッフ以外でも、問題なく対応できるようになります。個別の機能として実装されているCRMと、そうではないものがあるので、CRMシステム上で問い合わせ管理ができるシステムがおすすめです。
また、物件の条件ごとの反響数や広告掲載の効果などを分析して、営業戦略に活かせるデータ分析機能を備えているCRMシステムもあります。
不動産業界におけるCRMの選び方
不動産業界におけるCRMの選び方のポイントを解説します。次の点に留意しながら、自社に適したシステムを選択しましょう。
- 不動産特化CRMか・汎用CRMか
- 使いやすさと情報の見やすさ
- オンプレミスかクラウドか
不動産特化CRMか・汎用CRMか
不動産賃貸仲介業の場合、標準で賃貸ポータルサイトと連携している不動産特化CRMを選んだ方が、実店舗とポータルの顧客情報を一元管理できるので効率的に運用できるでしょう。
売買仲介や不動産管理業務の場合は、使い方によっては汎用CRMでも十分業務を効率化可能ですが、業務のために多少のカスタマイズは必要になるかもしれません。多くのCRMではデモや無料トライアルを提供しているので、一度試してみて、業態に適しているか確認するのもおすすめです。カスタマイズや使い勝手に不安があるようなら、導入サポートがあるCRMシステムを選んで相談してみましょう。
使いやすさと情報の見やすさ
使いやすさと情報の確認のしやすさも、不動産業のCRM選定の重要なポイントです。
不動産業界では、コールセンターやコンタクトセンターと同様に、顧客の情報をリアルタイムで確認しながら対応しなければならないケースが多いです。顧客の基本情報や、これまでの対応履歴が一目で確認できるCRMでなければいけません。
不動産営業の場合は、外回りの機会も多いためアプリから確認・入力ができるか、物件の間取りや画像を追加しやすいかがCRMのチェックポイントになるでしょう。
近年のCRMは、いずれも直感的でわかりやすい画面構成をしていますが、それでもシステムによって見やすさや、操作のしやすさには差異があります。実際の画面を確認するのはもちろん、無料トライアルが利用できる場合には、実際に使い勝手を確認してから導入するようにしましょう。とくに現場でストレスなく使いこなせるかどうかが重要です。
オンプレミスかクラウドか
オンプレミス型CRMは、環境に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが特徴です。不動産業向けのCRMでなくても、カスタマイズ次第で現場で問題なく運用できるでしょう。
ただし、不動産業の場合、スタッフが物件を顧客に案内している最中にも情報の確認が必要になります。そこで、スマートフォンやタブレット端末など、モバイルに対応しているシステムの方が便利です。
モバイル対応となれば、クラウド環境で運用するシステムが前提となるはずです。現場でどのように活用するのか明らかにしたうえで、どちらのタイプを選択するか検討しましょう。
不動産業向けCRM(顧客管理システム)3選
それでは、不動産業に特化したCRMから紹介していきます。
いえらぶ顧客管理システム - ㈱いえらぶGROUP
- 送信のタイミングや内容など顧客状況に合わせたメールを自動配信
- 顧客行動を可視化し、対応優先度を表示
- 顧客アンケートや営業活動の分析で改善を支援
いえらぶCLOUDは、集客から追客、顧客管理までサポートする不動産専門の顧客管理システムです。ポータルサイトでの反響を一括管理でき、反響のあった顧客情報を自動で取込可能です。顧客情報に応じて物件情報を自動送信したり、メールの開封状況を通知したりできます。
メールは個別の編集が可能で、業界に特化したメールのテンプレートも利用可能です。ポータルサイトごとの反響数を可視化する反響分析や、成約までのアプローチを段階的に分析する追客分析などで、改善点の特定を支援してくれます。
スモッカCRM
- 全国420万件以上※の賃貸情報を活用
- 膨大な物件情報を活用して素早くマッチング
- 業務効率化のための各種機能も実装
スモッカCRMは、じげん社が提供している不動産会社向け顧客管理システムです。もともと「スモッカ」は全国で420万件以上※の賃貸情報を提供しているサービスであり、同CRMはこの賃貸情報を素早く検索・利用できるシステムです。
膨大な物件情報をもとに顧客ニーズに合った物件のマッチングが可能で、問い合わせをしてきた顧客に対して、店舗への来店を促すツールも実装されています。顧客の問い合わせから申し込みまで、一気通貫の顧客管理および追客支援を実現可能です。タスク管理機能やアンケート送信機能も利用できます。
※ 出典:スモッカ「賃貸スモッカ」(2023年4月8日閲覧)
ノマドクラウド
- 不動産仲介業に特化したシステム
- 追客業務の自動化・効率化
- SMSの送信やLINE連携も可能
ノマドクラウドは、イタンジ株式会社が提供する、不動産賃貸仲介業の反響来店率を向上させる顧客管理システムです。従来、仲介業者が手作業でこなしていた顧客の情報登録やマッチング作業、メールの送信などをシステム上で効率的に実現できるため、業務生産性が向上します。
さらに自動追客のカスタマイズや顧客への連絡ツールの一元管理機能、LINE連携やSMSでのメッセージ送信機能など、顧客を効率的に囲い込み、最適なタイミングでアプローチするための機能も充実しています。AIチャットの活用やビデオ通話も可能です。
代表的CRM(顧客管理システム)4選
次に、不動産業でも活用できる汎用CRMをいくつか紹介します。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 世界で15万社以上※の導入実績
- 営業活動の見える化により売上の拡大に寄与
- 充実したサポート体制
Salesforce Sales Cloudは、世界で15万社以上に選ばれており、国内外でトップシェアを誇るナンバーワンCRM/SFAソリューションです。営業活動に必要な機能が網羅されており、営業活動の見える化による売上の拡大をサポートします。
あらゆる業界・業種で活用できるようカスタマイズ性に優れており、B2B、B2C、直販、間接販売など、さまざまなビジネススタイルに対応可能です。
※出典:セールスフォース・ジャパン「世界No. 1 CRM - Salesforce」(2023年6月7日閲覧)
- 圧倒的な機能と驚きの低価格
- キャンパス機能を搭載
- 業務の効率化を実現
案件ごとに取引先が複雑に絡み合う不動産業界の業務をシンプルに管理できるツールがZoho CRM(ゾーホー・シーアールエム)です。注目すべきは、建設・不動産業界から人気の高い、データ一覧のデザインを自由にカスタマイズできる「キャンバス」機能を搭載していることです。
業界初のキャンバスビューをCRMに使用し、データを好みの形で表示できるとともに、区別しやすいように画像を追加したり、カスタムボタンを追加してフィールドを作成できたりします。
SkyDesk
- 顧客視点で役立つサービスをクラウド環境で提供
- 名刺管理や顧客管理・営業支援のための機能が充実
- メールを活用したマーケティングの実現
SkyDeskは、顧客視点の業務を実現するために役立つサービスをクラウド環境で提供するCRMです。名刺管理や顧客管理・営業支援、メールマーケティングの支援など、業務上の課題を解決してくれる機能を多数搭載しています。
とくに営業情報の管理・共有やデータの活用がしやすく、業務の効率化を目指す企業の力強い味方になります。
Microsoft Dynamics 365 - 日本マイクロソフト株式会社
- ERPとCRMが合体した統合業務サービス
- 時と場所を選ばず顧客が求める情報を提供
- 複数のアプリを組み合わせて使うことも可能
Microsoft Dynamics 365は、マイクロソフトが提供するERPとCRMが合体した新しい統合業務サービスです。顧客が求める情報を時と場所を選ばずに提供するためのスマートな判断を可能にし、顧客が満足できる優れたサービスを実現します。
単体でも優れた機能を持ちますが、複数のアプリを組み合わせて使うことで、より効率的な業務運営が可能になります。
不動産業界のCRM導入事例
続いて、不動産業界における実際のCRMの導入事例についていくつか紹介します。
事例1. 「不動産関連会社」における成約率向上事例
課題
住宅の賃貸や売買仲介および関連業務を手がける某企業では、営業担当者が家主や仲介業者、入居希望者に対して提供する情報を紙ベースで管理してきた。社内外でのやりとりは手渡しやFAXがメインだったため、どうしても手間がかかり、営業スタッフの負担となっていた。また、帳票への記入や出稿する広告への入力が複雑で、頻繁に記入ミスや入力漏れが生じていた。
解決
CRMの導入によってインターネット上でFAXの一斉送信が可能になり、家主や仲介業者に提供する情報も一元化できるようになった。これによって日々の作業負担が軽減した営業スタッフは、本来の仕事に注力できるようになり、その結果、成約率の大幅な向上を実現できた。
事例2. 「企業の住宅事業部」における顧客満足度の向上事例
課題
ある企業の住宅事業部では、長い間自社開発のシステムで顧客や物件の管理を行ってきた。しかし事業やサービスの拡大・多様化に対応できず、活用できないデータがどんどん蓄積されるだけの状態になっていた。さらに変化し続ける業務に合わせてシステムを変更するのはコスト的に難しかったため、非効率なシステムでの業務運営を続けてきた。
解決
そこで新しいCRMシステムを導入し、過去のデータを整理しつつ、今後拡大が予想される分野の新しい顧客データに対応させた。その結果、多様な切り口でのデータ活用が可能になり、必要なタイミングで必要なアプローチをとることで顧客満足度の向上や、市場競争力の強化を実現している。
不動産業でCRMを導入して競争力を強化しよう
不動産業におけるCRM導入の必要性やメリットについて解説するとともに、おすすめのCRMシステムの紹介をしてきました。不動産業でCRMを導入する際は次のポイントに注意して選ぶことをおすすめします。
- 不動産特化CRMか・汎用CRMか
- 使いやすさと情報の見やすさ
- オンプレミスかクラウドか
不動産業界はCRMの導入によって、多様化したチャネルの顧客ニーズを取り込み、最適な物件提案や追客対応を行うことが生き残りの戦略となっています。ぜひ、CRMの有用性に目を向け、競争力強化のために導入することを検討してみてください。
BOXILとは
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