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電子帳簿保存法に対応した経費精算システム11選!主な機能や導入メリット、選び方

最終更新日:(記事の情報は現在から72日前のものです)
電子帳簿保存法に対応した経費精算システムをボクシル編集部が紹介。経費精算システムを選定する際のポイントや導入するメリットを解説しています。この記事を読めばどの経費精算システムを導入すればいいのか、そもそも自社は経費精算システムを導入すべきかどうかがわかります。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法(電帳法)とは、税務関係の帳簿書類を電子データにて保存することを認める法律です。従来は紙の原本での保存が原則だったところ、電子帳簿保存法により一定の要件を満たせば電子データで保存できるようになりました。

電子帳簿保存法には、業務効率化やコスト削減を促進し、ペーパーレス化を推進する目的があります。近年では、電子取引の増加にともない電子帳簿保存法の重要性が増し、2022年1月の改正では電子取引データの保存要件が緩和されました。

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電子帳簿保存法の保存区分

電子帳簿保存法には3つの保存区分が存在し、各書類・データの保存方法について要件が定められています。税制改正といったことで、書面での保存も一部認められていますが、基本的に電子化が必要であり、これらの要件に沿って保存しなければなりません。

電子帳簿保存

電子的に作成された帳簿や関連する書類は、電子データのまま保存します。電子的に作成された帳簿とは、たとえば会計システムや経費精算システムで作成した国税関係帳簿書類や、決算関係書類などが該当します。

スキャナ保存

紙で作成したり受け取ったりした書類は画像データとして保存します。たとえば経費の立替で店から受け取った領収書やレシートなどが該当するでしょう。受け取った経費精算書類はスキャナや経費精算システムのスマホアプリを使い、情報を読み取って電子データとして保存します。

保存の対象になるのは電子データであるため、読み取った後の原本に関しては、破棄しても問題ありません。ただし、あとからデータの不備があった場合に原本の確認が必要になるケースもあるため、基本的には一定期間保存するのがおすすめです。

電子取引

電子メールやクラウドサービスを通して受け取った、電子取引に関する書類は電子データのまま保存します。たとえばメールで受け取った見積書・納品書・請求書などが該当するでしょう。

電子帳簿保存法では、2022年に施行された改正法により、電子取引で受け取った書類の電子保存が義務化されています。電子データで受け取った書類を紙に印刷して保存すると、適切な帳簿・書類の保管違反とみなされる可能性もあるため注意が必要です。

電子帳簿保存法の要件

電子帳簿保存法では、電子データの信頼性を確保するために、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つが大きな要件として定められています。これらの要件を満たすことで、電子データが改ざんされたり、消失したりすることなく、いつでも必要なときに参照できる状態を維持できます。

真実性の確保

真実性の確保とは、電子データが正確かつ完全に記録され、改ざんや紛失が防止されることを意味します。具体的には、次の要件を満たす必要があります。

要件 説明
タイムスタンプの付与 電子データの作成日時や受領日時を証明するためのタイムスタンプ付与。データの作成・受領時期を明確化し、改ざんを防止する。
データの削除または改ざんへの対策 電子データの削除や訂正ができないシステムを利用する、またはこれらの記録が残るシステムを利用することで、改ざんを防止する。

可視性の確保

可視性の確保とは、電子データが必要なときにいつでも参照・出力できる状態であることを意味します。具体的には、次の要件を満たす必要があります。

要件 説明
見読性の確保 電子データの内容を、画面または書面に見やすく表示・出力できること。
検索機能の確保 電子データの内容を、取引の年月日やその他の日付、金額、書類の種類などの項目で検索できる機能を有すること。
システム関係書類の備え付け 電子データの管理に関するシステムの概要が記載された書類を備え付けること。

これらの要件を満たすことで、電子データの信頼性を確保し、税務調査においてもスムーズに対応できます。

※参考:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」2021年12月改訂

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムの主な機能

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムには、法令遵守を支援し、業務効率化を促進するさまざまな機能が搭載されています。

タイムスタンプ

タイムスタンプは、電子データの作成日時や受領日時を証明する機能です。改ざん防止の観点から、真実性を確保するための措置としてタイムスタンプは欠かせません。電子帳簿保存法に対応した経費精算システムであれば、おおむねどのソフトにも搭載されています。

データの検索

検索機能は、膨大な電子データから必要な情報を素早く見つけ出す機能です。キーワードや日付、金額などの条件を指定することで、目的のデータへ簡単にアクセスできます。取引をはじめとした日時、取引先、取引金額がわかれば要件としては問題ないものの、その他の条件でも検索できると普段遣いとして便利です。

領収書のスキャンおよびOCR

領収書のスキャンは、紙の領収書を電子データに変換しシステムに登録する機能です。またOCRとは自動文字認識機能であり、スキャナやスマートフォンで撮影した領収書の文字情報を読み取ってデータ化できます。

ただし電子帳簿保存法ではスキャナ保存をする場合、タイムスタンプの付与のほか、主に次のような要件を満たす必要があります。

  • 解像度が200dpi以上であること
  • 赤色、緑色および青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビット)であること

    ※見積書や注文書といった一般書類であれば白黒階調(グレースケール)での読み取りも認められる

経費精算システムを選ぶ場合は、これらの要件をクリアしたスキャンができるかをチェックしましょう。

クレジットカードやICカードとの連携

クレジットカードやICカードとの連携があれば、利用明細をシステムに取り込むことで手入力する手間を省けます。また、利用明細と領収書を自動で紐付けられれば、さらなる効率化を目指せます。電子帳簿保存法の直接的な要件ではないものの、効率化の観点ではあわせて搭載されているのが好ましいでしょう。

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムのメリット

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを導入して得られるメリットは次のとおりです。

業務の効率化

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを導入することで、領収書の収集や申請書の記入、承認、経理処理などにかかるプロセスを効率化できます。領収書のスキャンやOCR機能、ワークフローの自動化が、申請者と承認者、経理担当者の負担を軽減してくれます。

コストの削減

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムなら、印刷費や郵送費、保管スペースを削減できます。効率化による人件費削減も見込めるため、導入に費用がかかったとしても、トータルでむしろコストを削減できる可能性もあるでしょう。

多様な働き方への対応

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムは、クラウドで稼働するサービスが多いため、場所を選ばずに経費精算が可能です。紙の領収書が不要なら、すぐに出勤して原本を提出する必要がないので、リモートワークの促進につながります。

コンプライアンスの順守

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを導入することで、法令で定められた要件を満たした形で電子データを保存できます。また承認フローの明確化、不正検知、証憑の自動照合などで不正を防止し、内部統制を強化できるでしょう。

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムの選定ポイント

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを選定する際は、いくつかのポイントがあります。代表的なポイントについて解説します。

OCRの精度

OCRの精度はシステムによってまちまちなため、無料トライアルやデモにて比較しましょう。OCRの精度が低いと手入力での修正が入り、かえって手間が増えます。公式サイトで紹介されている数値は各社が定める方式に則ったケースでの測定値なため、自社で想定される領収書にて読み取りの精度を確かめましょう。

JIIMA認証の取得

電子帳簿保存法への対応有無は各公式サイトに記載があるものの、まとめてチェックしたいならJIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧がおすすめです。JIIMA認証とは、市販されているソフト・サービスが電子帳簿保存法の要件を満たしているかチェックし、要件を満たしたものが認証される制度のことです。

このページは対応しているすべてのサービスが載っているわけではないものの、JIIMAによる認証を取得しているシステムは一覧としてまとまっているので、参考にするとよいでしょう。また認証を受けた製品は認証ロゴが使用できるため、そちらでも見分けられます。

法改正に対する対応やサポート

経費精算システムを選ぶ際には、法改正へ迅速に対応してもらえるか確認しましょう。対応方法が不明な場合に、すぐに回答してもらえるようなサポート体制か調査できるとなおよいです。電話やメールでのサポートはもちろん、チャットサポートやFAQなど、さまざまなサポート手段が用意されていると安心できるでしょう。

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※ダウンロード可能な資料数は、BOXILでの掲載状況によって増減する場合があります。

電子帳簿保存法に対応した経費精算システム11選

電子帳簿保存法に対応した経費精算システムのなかから、おすすめのものをまとめて紹介します。なお、2023年10月からはインボイス制度もはじまっており、経費精算においてはこちらにも対応しなければなりません。

インボイス制度の詳しい内容や対応した経費精算システムについては、次の記事で紹介しているため、そちらもあわせてチェックしましょう。

インボイス制度に対応した経費精算システム13選 | 選び方や注意点
インボイス制度が施行され、経費精算の業務担当者は大きな変更に対応しなければなりません。煩雑になる業務の工数を削減し...
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楽楽精算 - 株式会社ラクス

楽楽精算
楽楽精算
BOXIL SaaSセクション | BOXIL SaaS AWARD 2024
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楽楽精算は、株式会社ラクスが提供する、さまざまな形式で受領する領収書や請求書を一元管理できる経費精算システムです。規定違反チェック機能にて自動でブロック・伝達されるので差し戻しのやり取りを減らせます。楽楽精算には次のような特徴があります。

  • JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得
  • オプションで電子帳簿保存法に対応した機能が利用でき、領収書を電子データで添付可能
  • 設定の自由度が高く、業務や成長に合わせて柔軟にカスタマイズ

マネーフォワード クラウド経費 - 株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド経費
マネーフォワード クラウド経費
BOXIL SaaS AWARD 	Winter 2024 Good Service
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マネーフォワード クラウド経費は、スマホアプリで領収書を電子化できる経費精算システムです。電子マネーやクレジットカードの明細を取得する機能にて、科目を自動で分類してそのまま経費に登録できます。マネーフォワード クラウド経費には次のような特徴があります。

  • JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証と電子取引ソフト法的要件認証を取得
  • スマホ画像を要件の解像度・階調で保存する機能や、タイムスタンプ自動付与機能など機能が充実
  • 領収書の確認や紙の領収書入力といった業務の代行サービスも利用可能

TOKIUM経費精算 - 株式会社TOKIUM

TOKIUM経費精算
TOKIUM経費精算
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TOKIUM経費精算は、業務の代行により経費精算にかかわるすべての人の負担を軽減できる経費精算システムです。従業員が領収書を撮影し、これをポストに投函すると、情報のデータ化や点検、原本保管まで一貫して作業を代行してくれます。TOKIUM経費精算には次のような特徴があります。

  • JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得
  • 経費精算にかかる人件費や管理コストを大幅に削減可能
  • 導入時専任サポートが設定・フォーマット作成や、従業員用サポート窓口に対応するため経理に負担がかからない

バクラク経費精算 - 株式会社LayerX

バクラク経費精算
バクラク経費精算
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バクラク経費精算は、領収書の重複を検知して不正を防止する経費精算システムです。申請時や承認時にスキャナ保存要件に適合しているかを判定して、電子帳簿保存法とインボイス制度へスムーズに対応します。バクラク経費精算には次のような特徴があります。

  • 電子帳簿保存法のタイムスタンプや電子保管要件などに対応
  • 最大100枚の領収書を数秒でデータ化する高精度AI-OCR
  • 軽減税率やインボイス制度の登録番号を判定し、不正やミスを防止

BIZUTTO経費 - アルプスシステムインテグレーション株式会社

BIZUTTO経費
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BOXIL SaaS AWARD Spring 2023 BOXIL SaaS AWARD Spring 2023 カスタマイズ性No.1
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BIZUTTO経費は、業務効率化機能が充実した無駄のない価格体系の経費精算システムです。交通系電子マネー決済や「駅すぱあと」経路検索との連携にて、経費精算の工数を削減します。BIZUTTO経費には次のような特徴があります。

  • 電子帳簿保存法のスキャナ保存と電子取引に対応
  • ファームバンキングと電子マネー送金から選べる送金方法
  • 2年目以降は月額費用が半額になり続けやすい

Concur Expense - 株式会社コンカー

Concur Expense
Concur Expense
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Concur Expenseは、世界中の企業で導入されている、人気の高い経費精算システムです。法人カードはもちろん、タクシーアプリやQR決済といったサービスとも連携可能であり、幅広い入力作業の自動化が可能です。Concur Expenseには次のような特徴があります。

  • JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得
  • 使いやすさやビジネスモデルが高く評価されグッドデザイン賞を受賞
  • 社内ヘルプデスクやシステム管理、レポート作成業務を委託できるBPOサービスも提供

ジョブカン経費精算 - 株式会社DONUTS

ジョブカン経費精算
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ジョブカン経費精算は、経費精算にかかる時間を大幅に短縮できる経費精算システムです。乗換案内連携やICカードの読み取り機能が搭載されており、経費申請のミスや手間を減らせます。ジョブカン経費精算には次のような特徴があります。

  • 電子帳簿保存法のスキャナ保存やタイムスタンプに対応
  • 検索機能が充実しており、複数条件で書類を探し出せるため確認がスムーズにできる
  • 初期費用無料で、1ユーザーあたり月額400円と低価格

freee支出管理 経費精算Plus - フリー株式会社

freee支出管理 経費精算Plusは、経費精算の申請、受取、仕訳まで自動化できるフリー株式会社提供の経費精算システムです。freee支出管理 経費精算Plusには次のような特徴があります。

  • アップロードした証憑を電子帳簿保存法に対応した状態で自動保管
  • 受領証憑のインボイス税区分の自動分類が可能
  • 申請者の属性や申請内容に応じ分岐する承認ワークフロー

J'sNAVI NEO - 株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ

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J'sNAVI NEOは、出張の手配から経費精算までをワンストップでペーパーレスにできる経費精算システムです。出張申請と同時にオンラインで新幹線や航空機、ホテルなどの手配をできるため、出張の多い企業の経費精算業務を大幅に削減できます。J'sNAVI NEOには次のような特徴があります。

  • オプションパッケージで電子帳簿保存法対応機能を利用可能
  • 出張旅費の利用状況が可視化されるため、旅費を適正化できる
  • 手配した実績データを事前申請・精算に活用できるため工数を減らせる

経費BANK - SBIビジネス・ソリューションズ株式会社

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経費BANKは、SBIグループが提供する中小企業向けの経費精算システムです。月々の料金が一人あたり300円と業界最安値水準であり、5IDから利用できるため、従業員数の少ない企業にも導入しやすいでしょう。電子帳簿保存法の対応にも追加料金は不要です。経費BANKには次のような特徴があります。

  • JIMA認証を取得し、電子帳簿保存法のスキャナ保存と電子取引に対応
  • 領収書や請求書だけでなく、見積書といった一般書類も電子保存できる
  • 社内規定に違反する申請を自動でチェックするため作業の負担を軽減

ジンジャー経費 - jinjer株式会社

ジンジャー経費
ジンジャー経費
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ジンジャー経費は、申請から振込データの作成までをワンストップで完結できる経費精算システムです。人事労務管理や勤怠管理など、バックオフィス向けの製品が豊富であり、これを連携させることで企業全体も効率化できます。ジンジャー経費には次のような特徴があります。

  • 電子帳簿保存法はオプションパッケージでタイムスタンプ付与や管理が可能
  • シンプルな画面と機能で、誰でも簡単に使いやすい
  • 製品シリーズをまとめて利用すれば企業全体を効率化できる

経費精算システムを活用し電子帳簿保存法へ対応しよう

電子帳簿保存法への対応は、企業にとって避けては通れない課題です。しかし適切な経費精算システムを導入することで、法令遵守はもちろん、業務効率化やコスト削減、内部統制強化など多くのメリットを享受できます。

経費精算システムの導入を検討する際には、スキャンの精度、法改正への対応、サポート体制などを押さえて慎重に選ぶことが大切です。今回紹介した選定ポイントやシステムを参考に、ニーズに合ったシステムを選び、電子帳簿保存法へ確実に対応しましょう。

117_新選び方ガイド:経費精算システム導入ガイド_20240902.pptx.pdf
経費精算システム
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