建設業界向けCRM(顧客管理システム)7選 | 課題と導入事例
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- 注目のCRM、サービス資料まとめ
- 特殊な建設業界の顧客管理
- 案件ごとに異なる取引
- 受注産業の建設業界
- 取引のほとんどが組織間
- 長期に渡る顧客関係
- 建設業界に適したCRMとは
- 案件ごとの情報を標準化
- 工事情報の標準化
- 顧客との関係維持
- 顧客管理と案件管理
- 建設業界のCRM導入事例
- 業界独特の業務フローを標準化したR社
- 建設業界におすすめのCRM7選
- Salesforce Sales Cloud
- eセールスマネージャーRemix
- Mazrica Sales
- UPWARD
- Zoho CRM
- GENIEE SFA/CRM
- GRMarketing
- 建設業界におすすめのSFA5選
- AppSuite
- ネクストSFA
- WaWaFrontier
- WaWaD-Be
- cyzen
- CRM活用で淘汰時代を生き抜く
- BOXILとは
特殊な建設業界の顧客管理
建設業界のCRMシステムの導入はあまり進んでいません。大きな要因は、建設業界独自の顧客との関係性と営業活動にあります。
建設業界の顧客の特徴は、BtoCとBtoBtoCの二形態を持っていることです。建設業で生み出される商品(建築物)の特徴は、消費財としての側面と生産財としての側面を持ち合わせています。
特徴的な顧客との関係性を見てみましょう。
案件ごとに異なる取引
建設業の取引は一定のパターンがあるものの、取引内容に連続性がなく、案件ごとに異なる形態を持っています。
営業活動・受注・建築・竣工・引渡・保守サービスといった、一連の流れはあるものの、工事案件ごとに個別のものです。それゆえに個別案件のデータの単純集計だけでは、有益な情報を得られません。
そのため複数のデータを分析する必要があり、分析の難しさからCRM導入をためらう企業が多いようです。
受注産業の建設業界
建設業は受注産業です。案件ごとに規模も金額も工期も違います。
また、工事受注の成功要因を「言語化」できる場合は少なく、営業担当者の「非言語」的領域のなかで推移してしまう場合が圧倒的です。数値化して比較したり平均値をとったりするのは難しいことが現市場として挙げられます。
受注時点では製品である建設物が完成しなければ実物の機能性を判断できないのも大きな特徴です。 設計図や仕様書などの書類上の確認で、顧客の要望する使い勝手や快適性などは完成後でなければ判断できません。
CRMは、さまざまな数値データを分析するシステムなので、非言語的なデータから分析結果を出すのは不得手です。こうした背景もまた、CRMの導入が進まない要因のひとつといえるでしょう。
取引のほとんどが組織間
取引形態も組織間のものが多く、個人の注文住宅以外は、建設会社はもちろん、発注者も会社である場合がほとんどです。建設物の発注にあたっては、発注者のさまざまな部門において多岐にわたる意思決定が必要とされます。
受注側の建設会社においても、設計・施行・調達・管理・法務などの各部門との連絡・調整のうえに業務上の意思決定がされます。
そのため、単純な顧客管理やマーケティング手法の導入が難しいことも特徴です。
長期に渡る顧客関係
建設業は顧客との関係が長期に渡ることが普通です。
注文主(会社)と受注者(会社)の関係は、一般消費財に比べて密接かつ長期的なものになる場合が多いからです。建築物は注文金額の大きさから、注文主の事業活動に大きく影響します。
また受注者は建築物の受注にあたって、一般消費財のような売り切り型の性質を持ちません。
注文主に建築物を提供することは、注文主のもつ事業上の問題を解決し、注文主の事業活動の業績向上に貢献する場合が多く、関係は長期間にわたって継続します。
建設業界に適したCRMとは
CRMでは、「顧客」をビジネスにとってもっとも重要なものと位置付けています。
製品やサービスを購入する顧客が存在しなければビジネスは成り立ちません。
CRMは、まさに顧客を中心にしたマーケティング・アプローチの手法であり、情報があふれる複雑な今日の市場環境で、もっとも重要な考え方です。
「顧客を中心に据え、事業戦略やプロセスも含めたビジネススタイルを考えていこう」というのがCRMの役割です。
建設業界に適したCRMとは、どのような機能や条件が必要なのかを次に解説します。
案件ごとの情報を標準化
建設業は顧客との取引のライフサイクルが長いため、膨大な情報を標準化できる使い勝手が必要です。案件ごとに営業プロセスの標準化と顧客管理を徹底し、収益を意識した営業活動の実現可能なシステムが重要になります。
案件発生から受注、請求、入金までの進捗状況のプロセス管理が大切です。また、これらのプロセスをワークフローに絡め、決済(承認)することでエスカレーションフローの承認管理が実現できます。
CRMを導入することで、案件発生から入金までのプロセスをよりスムーズにできるため、一連のプロセスを効率的なものにできます。営業活動が効率化されるため、案件受注の増加も期待できるでしょう。
工事情報の標準化
工事案件も一つひとつのライフサイクルが長いため、工事情報を標準化しリニューアルや将来案件への対応ができるようにしなければなりません。
そして、建物の保守サービスに使用する建具やパーツの情報も紐付けされていて、調達や代替品手配の効率化を支援できることも重要です。
また、受注先だけでなく施工関連取引先の担当者の変更にも対応できなければなりません。
こうした情報をCRMで管理することにより、業務効率化はもちろん、引き継ぎにも対応しやすくなります。
顧客との関係維持
建設業界では、案件が終了した後も顧客との関係が続くため、長期にわたり顧客と良好な関係性を維持できるようにする必要があります。
CRMを導入すると、アフターフォローまでのあらゆる情報を一元的に管理が可能です。システム上に蓄積された対応履歴をもとにアフターフォローを行えるようになり、個々の顧客に応じた細やかな対応ができるようになります。
また、システムで顧客情報を一元管理できるため、担当者が変更になったとしても、スムーズに対応の引き継ぎが可能です。そのため、顧客との良好な関係性を維持し、顧客満足度を向上させることにつながります。
顧客管理と案件管理
企業間の取引が多くなる建設業界では、顧客管理と同時に案件管理が重要なため、営業支援機能(SFA)を兼ね備えたシステムが有効です。
建設業界では、人手不足やIT化の遅れにより情報共有がうまくできておらず、特定の担当者しか案件の進捗がわからない「属人化」が発生しているケースも多くあります。すると、情報を持っている担当者との連携ができないことで、現場の業務が停滞する、業務効率が悪化するといった問題につながることもあるでしょう。
クラウド型のSFAを導入すれば、案件の情報を社内全体でスムーズに共有できるようになります。営業担当者だけでなく、社内で必要な情報をすぐに確認できる仕組みが整い、工事内容の確認も簡単に行えるでしょう。
SFAについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
営業活動の進捗状況や顧客情報を営業部全体での共有により、すべての営業活動のプロセスを可視化できます。
建設業界のCRM導入事例
建設業界のCRM導入事例を紹介します。
業界独特の業務フローを標準化したR社
京都を拠点に幅広い建築サービスを展開する建築会社。建築業界独特の業務フローに対応させ、稟議の仕組みを可視化しました。
事業も「下請け」から「元請け」主体へと躍進した成功事例です。
導入前は単純なスケジュール管理しかできず、割り当てミスや漏れが発生。リピーターにも、過去の担当者を割り当てていましたにもかかわらず、活動履歴がわからないといった状態でした。
導入後は情報共有がすすみ、外出先からでも確認ができ、スケジュールや活動履歴で仕事を割り当てられるようになりました。
建設業界におすすめのCRM7選
案件ごとの情報を標準化でき、工事情報の標準化、顧客管理と案件管理も可能な建設業界におすすめのCRMを紹介します。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- グローバルNo.1※1 CRM/SFAソリューション
- 営業活動の見える化・改善を通じた売上の拡大
- 優れた更新性・充実の支援体制
Salesforce(セールスフォース)Sales Cloudは、世界で15万社以上※2に選ばれており、国内外でトップシェアを誇るNo.1 CRM/SFAソリューションです。
営業活動に必要なあらゆる機能を提供し、誰でも簡単に操作可能なレポーティング機能によって営業活動の見える化・改善を実現します。
※1 出典:セールスフォース・ジャパン「AIを駆使したセールスソリューション&ソフトウェア—営業向けSalesforce」(2024年2月8日閲覧)
※2 出典:セールスフォース・ジャパン「15万社に選ばれる営業支援システム Sales Cloud | セールスフォース・ジャパン」(2024年2月8日閲覧)
eセールスマネージャーRemix - ソフトブレーン株式会社
- わかりやすいインターフェース
- 定着率95%※1の徹底サポート
- ワンクリックで見たい情報に
eセールスマネージャーRemixは、総合満足度No.1※2のCRM/SFAシステムです。業種・業界や規模を問わず、それぞれの企業にあった業務プロセスを設計し、計測・改善を繰り返しながらマネジメントを行う「プロセスマネジメント」で、利益につながる仕組みを作ります。絶えず変化するマーケットや組織の状況に合わせて柔軟に設定変更ができ、常に最適な業務プロセスを設計が可能です。
※1 出典:ソフトブレーン「営業部のDXなら定着率95%のCRM/SFA、eセールスマネージャー | ソフトブレーン株式会社」(2024年2月8日閲覧)
※2 出典:ソフトブレーン「 2021年度CRM/SFA(営業支援システム)のユーザー調査で「eセールスマネージャー」4年連続 総合満足度No.1を獲得!|年別一覧|ソフトブレーン株式会社 - 営業にイノベーションを。」(2023年3月9日閲覧)
Mazrica Sales - 株式会社マツリカ
- 顧客情報入力の半自動化、営業活動の見える化などが可能
- 蓄積情報を機械学習し受注確度や契約金額などを算出
- 現場定着を支援するリアルタイムチャットサポート
Mazrica Salesは、営業活動に必要な情報を一元管理できるCRMです。案件や顧客ごとの営業活動の見える化、蓄積データにもとづくデータ集計や分析が可能です。
案件の進捗予測に対応したAIを搭載し、受注金額や契約確度などを予測できるほか、案件優先度のスコアリングも行えます。モバイルアプリの提供や外部連携による取引先情報の自動更新などに対応しており、アクセスや営業進捗の把握、共有のしやすさが特徴です。
- 信頼性と安全、確かな実績
- 業務の定着化につながる簡単なインターフェース
- 営業担当者の日々の訪問結果を見える化
UPWARDはCRM、スケジュール、地図・位置情報を高度に連携させることで、フィールドセールスの訪問業務を楽にするクラウドサービスです。
モバイルだけで簡単にすべての顧客訪問業務がカバーできるため、営業スピードを飛躍的にアップできます。訪問業務に携わる幅広い業界・業種に利用されています。
- 圧倒的な機能と驚きの低価格
- キャンパス機能を搭載
- 業務の効率化を実現
案件ごとに取引先が複雑に絡み合う建設業界の業務をシンプルに管理できるツールがZoho CRMです。注目すべきは、建設・不動産業界から人気の高い機能「キャンバス」を搭載していること。
業界初のキャンバスビューをCRMに使用し、データを好みの形で表示できるとともに、区別しやすいように画像を追加したり、カスタムボタンを追加したりしてフィールドの作成も可能です。
GENIEE SFA/CRM - 株式会社ジーニー
- 業界特有の営業プロセスに対応
- 案件情報や営業担当の訪問履歴などをリアルタイムで把握可能
- 営業活動の見える化による営業プロセスの改善もサポート
GENIEE SFA/CRMは、定着率99%※の手厚いサポートが特徴のCRMです。建設業界特有の用語やルールに沿ったデータベースを構築でき、取引先に紐づく情報を1ページに集約して管理可能です。
地図情報と連携できる専用アプリを提供しており、訪問優先度を色分けしたピンで可視化したり、名刺情報を読み込んだりできます。顧客と案件を紐づけて管理できるほか、個人の営業活動も見える化できるためフォローや自発的な改善にも役立ちます。
※出典:ジーニー「営業管理ツール顧客管理ツールならGENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)」(2024年2月8日閲覧)
GRMarketing - 株式会社イーグリッド
- 月次決算の確定を素早くできる
- 経理処理(売上・利益集計)が楽に
- 請求書発行・入金チェック作業も効率化
GRMarketingは、月次決算のスピード把握や受注管理~利益管理、見積・請求書の簡単作成・共有が、月額5,000円から手軽に導入できます。 経営者の月次決算把握スピード向上、経理担当者の作業負荷軽減を実現します。
建設業界におすすめのSFA5選
建設業界におすすめするSFAを紹介します。案件管理のために、営業活動の進捗状況や顧客情報を共有し、すべての営業活動のプロセスを可視化できます。
CRMとともに、SFAもチェックしておきましょう。
- 自社の業務を簡単にシステム化
- 業務を見える化・見せる化
- 複雑なアプリを構築可能
AppSuite(アップスイート)は、紙・メール・Excelで行われているさまざな業務処理を誰でも簡単にWebシステム化できるツールです。AppSuiteで現場主導の業務改善を実現できます。
グループウェア「desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)」上で動作し、作成したアプリはdesknet's NEOの一機能として利用可能です。
- 見やすさ、使いやすさを追求
- プログラミングなしで多くのカスタマイズが可能
- サポート体制の充実化により定着率98.6%
ネクストSFAは、シンプルでいて高機能な営業支援ツールです。 低コストでさまざまな営業スタイルに合ったカスタマイズが簡単にできるため、導入後の運用がスムーズです。
アウトバウンド・インバウンド・ルート・インサイドセールスなど、さまざまな営業スタイルに対応している高機能なツールです。にもかかわらず、シンプルなインターフェースで入力しやすく、営業履歴から次の最適なアプローチをサポートしているため、タイミングを逃さない提案が可能になります。
WaWaFrontier - 株式会社アイアットOEC
- スケジュール画面から直接実績入力
- 知りたい情報をあらかじめセットしリマインド
- 作業時間を行動分析
WaWaFrontier(ワワフロンティア)は、SFAシステムに簡単に導入できるASP型アプリケーションです。営業担当者個人の中に留まりがちな情報を、共有化することで個人営業から組織営業に転換をはかります。
さらにグループウェアWaWaOfficeを中心に、営業日報管理WaWaFrontier、簡易データベースWaWaD-Be、オプションのワークフローWaWaFlowと連携が可能です。
また、データはCSVファイルに出力できるため、既存のシステムとの連携にも役立ちます。
- さまざまなアプリをユーザーが自由に作成可能
- 情報を統括して管理・共有
- モバイルにも対応、必要な情報をタイムリーに把握
WaWaD-Be(ワワDB)は、顧客情報・商談情報・商品情報・販促ツール・クレーム情報などのさまざまな情報を管理・共有可能です。プログラムの知識が無くてもフォームを簡単に作成でき、情報の有効活用に役立ちます。
また、自身が知りたい情報のみを更新されたときに知らせてくれる機能も搭載しているので、タイムリーな情報把握に役立ちます。
- スマートフォンで使いやすく現場支援につながる
- 安心、充実のサポート
- プランに応じたオプション機能が充実
cyzen(サイゼン)は、現場目線で行動変革を促すサービスです。パソコンではなくスマートフォン最適化に着目して開発。アプリの動作速度や現場での使い勝手が優れています。無駄な会議や雑務を減らして本業にリソースを割けるので、売上アップや残業削減が期待できます。
案件管理についてはこちらの記事でも紹介しているので、あわせてご参照ください。
CRM活用で淘汰時代を生き抜く
1980年代に80兆円以上あった建設投資額は2010年代には50兆円規模にまで縮小しています。それに対して建設関係業者は20%程度の減少しかありません(建設経済研究所)。建設業界は淘汰時代を生き抜く必要に迫られています。
現在、多くの建設業で顧客との良好な関係を維持するために、顧客情報活用や分析が重視されてきています。情報活用や分析の中心にあるのは、顧客維持のための施策であり、CRMシステムの導入と活用による顧客満足度の向上です。
CRMが顧客向けのシステムであることに対して、SFAは社内向けシステムで、内外の攻防をバランスよくとりながらすすめることがポイントになります。建設業界向けに特化したCRMの導入は生き抜くための分水嶺となるでしょう。
一見して建築業界には不向きと思われがちでも、CMSは導入することでさまざまなメリットがあります。これを機に、導入を検討してみてください。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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