就職売り手市場でも採用難、優秀な人材を獲得する採用管理の仕組みとは?
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- 新卒就職市場の真実
- 売り手市場の有効求人倍率
- 業種別有効求人倍率
- 企業規模別有効求人倍率
- 買い手市場の大企業求人市場
- 新卒就活生が陥るワナ
- 優秀な人材を獲得する採用活動プロセス
- 企業が行うべき採用活動
- 人事担当者の採用プロセス
- 母集団形成のための採用方法
- 採用管理システムの活用
- 採用管理システムとは
- システムが管理できる採用プロセス
- 採用管理システム導入時のポイント
- おすすめの採用管理システム15選
- クラウドハウス採用
- sonar ATS
- HRMOS採用
- JobSuite CAREER
- JobSuite FRESHERS
- ジョブカン採用管理
- RPM
- Reworks cloud
- HERP Hire
- MOCHICA
- Zoho Recruit
- next»
- MyRefer
- bizpla採用管理
- 採用一括かんりくん
- ますます厳しくなる優秀人材の確保を確実にする
- BOXILとは
新卒就職市場の真実
少子高齢化による労働人口減少傾向と、近年の景気回復傾向により、新卒就職市場は売り手市場であると伝えられています。
実際に私たちが目にする機会が多い「有効求人倍率」は、2018年3月卒業予定の大卒求人倍率で「1.78」とされており、バブル経済末期の1991年有効求人倍率「2.86」にはおよばないものの、ここ数年高い数値で推移しており、今後もこの傾向が続くと見られています。
グローバル化が進展する変化の激しい市場経済を生き抜くため、優秀な人材の確保が重要課題である企業にとっては気になる数字ですが、これは新卒就職市場の真実を表したものなのでしょうか。
売り手市場の有効求人倍率
有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人の割合を表すもので、この数値が「1.6」を超えると売り手市場だといわれています。
つまり、ひとりの就職希望者に対して1.6社の求人があること意味し、売り手である就職希望者が就職先を選べる、優位な立場にあるといえます。
下図は1991年3月卒予定〜2018年3月卒予定までの、新卒就職希望者数、求人総数、求人倍率をグラフ化したものです。
新卒就職希望者数が僅かながら減少している反面、求人数が大きく増加した2015年から求人倍率が上がり続けていることがわかります。
業種別有効求人倍率
しかし、あくまでもこの求人倍率は平均を割り出したものであり、すべての企業に当てはまる数字ではありません。
下図は、有効求人倍率を業種別にグラフ化したものです。
驚くべきことに、従来から人気の業種であった金融業、サービス・情報業の求人倍率は、売り手市場の現在でも下がっており、逆に不人気の流通業、建設業は大きく跳ね上がっています。
このことから、業種による求人倍率格差が一段と激しくなっている現状が伺えます。
企業規模別有効求人倍率
下図は、企業の従業員規模別に見た求人倍率をグラフにしたものですが、近年になってから調査がはじまったため、2010年からのデータとなります。
こちらも業種別と同様の傾向となりますが、1,000人以上の企業の求人倍率がむしろ下がっているのに対し、300人未満の企業は大きく上昇しています。
特に5,000人以上の大企業の求人倍率は「0.39」で、ここでも人気を集めやすい大企業への集中と中小企業以下との格差が拡大していることが明白です。
買い手市場の大企業求人市場
以上のデータから、平均での有効求人倍率は売り手市場を示唆していますが、人気の業種である金融業やサービス・情報業、5,000人を超える大企業などの求人市場は、依然として買い手市場であり、ますます狭き門となっていることがわかります。
新卒就活生が陥るワナ
こうした状況を理解せず「人気の業種や大企業のみ」を志望して、本採用で全滅した新卒就活生が続出しているといえます。
志望する企業へチャレンジするのはまったく悪いことではありませんが、なぜ「人気の業種や大企業のみ」志望するのか、それにはいくつかの理由が考えられます。
母集団形成時の油断
企業が優秀な人材を確保するには、より多くの候補者から条件に合致した人材を見極める必要があります。つまり、採用活動プロセスの初期に母集団形成を行う際には、少しでも自社のイメージを良好にする必要があります。そのため、合同説明会やOB訪問などの取り組みを行うのですが、ここで「自分たちは選べる立場にある」と勘違いし、油断してしまうのです。
インターンシップの油断
同様に、母集団形成以降に行われるインターンシップ選考でも、企業はミスマッチを避けるために多くの学生を受け入れる場合が多くなります。しかし、そういった事情を知らない学生は、インターンシップを通過したことによって、ここでも油断してしまいます。
売り手市場を信じた油断
最後に、マスコミを賑わす「売り手市場」という言葉を信じてしまったことが挙げられます。すでに解説したようなデータに基づいて行動を起こしていれば、甘い考えにはならなかったかもしれません。
優秀な人材を獲得する採用活動プロセス
このような状況の中で、買い手市場である一部の大企業や人気業種はともかく、就活生にとって魅力的に映らない不人気業種や中小企業が、優秀な人材を確保するにはどうしたらよいでしょうか。
企業が行うべき採用活動
中途採用も含めますが、企業が行う採用活動は規模や業種で大きく異なるわけではなく、新卒採用に関しては毎年同じようなプロセスが繰り返されます。
重要なことは、採用にいたるプロセスを分析し、PDCAサイクルとして次回以降に活かせるかどうかだといえるでしょう。それと同時に、就活生を含む求職者にとって、魅力的な企業となるようブランディングをしていく必要もあります。
人事担当者の採用プロセス
それでは、具体的に人事担当が行うべきプロセスを挙げていきましょう。
- 企業が必要とする人材・人物像の明確化
- 求人公開
- 応募受付
- 応募管理
- スケジュール調整
- 面接
- 選考
- 入社準備
- 入社
なかでも、大きな母集団を形成する求人公開が優秀な人材確保に重要なポイントとなります。
母集団形成のための採用方法
それでは、母集団を形成するための求人公開には、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
就職サイト
就活生のほとんどが登録するマイナビ、リクナビなどの就職サイトを利用する方法です。企業が採用情報を掲載し、登録した学生が志望する企業にエントリー、という形でマッチングを行うのが基本となります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、通常の就職サイトと異なり、企業側から学生にアプローチを行う方法です。サービスに登録した学生に対して、スカウトメールを送り、マッチングをしながらコンタクトを行う流れになります。
インターンシップ
インターンシップは学校に在籍しつつ、学生に一定期間自社で働いてもらう方法です。学生には自社の業務や仕事内容を理解してもらえ、企業側は面接で判断できない人間性や働きぶりを見れることから、ミスマッチを防げるメリットがあります。
人材紹介
多くの新卒人材を採用したい企業には向いていませんが、人材紹介は人材紹介会社や就職サイトが行っているサービスで、企業のニーズに応じてスクリーニングした人材を紹介する方法です。
自社ホームページ
自社ホームページに採用ページのコンテンツを追加、新卒募集を行う方法です。自社に興味を持ってホームページを閲覧してくれる学生には非常に効果的ですが、そうでない学生には見てもらえず、受け身の募集となることから想定した人数が集まらない場合もあります。
その他
大学の就職課を活用する、Web広告を利用する、SNSを利用したソーシャルリクルーティングを行うなどがあります。
次の記事では、採用方法についてより詳しく解説しています。
採用管理システムの活用
これらの採用プロセスを自社の人事担当のみで行うのは非常に労力のかかることであり、担当者が少ない場合の多い中小企業ではなおさらです。
こういった労力を軽減し、担当者を優秀な人材の見極めに集中させることを可能にするのが採用管理システムです。
採用管理システムとは
採用管理システムは英語でATS(Applicant Tracking System)と呼ばれ、応募者追跡システムを意味しており、募集、応募、面接、選考、入社にいたる採用プロセスを一元管理し、採用業務の効率化と迅速化を実現するものです。
近年ではクラウド環境で利用できるサービスが主流になってきています。
システムが管理できる採用プロセス
採用管理システムでは人材・人物像の明確化、入社以外のすべてを管理・支援可能だといっても過言ではありません。
さらに、募集時の媒体からどの程度の応募があったか、どのような人材が応募してきたかなどを分析し/レポート可能で、採用人材の入社後を含めて次回の採用プロセスを見直すほか、PDCAサイクルを通じた精度の高い採用活動を続けられます。
採用管理システム導入時のポイント
採用管理システムは、候補者を一元管理することはもちろん、Webサイトのホスティング機能や他の求人媒体との連携機能を持っています。
これらを踏まえた導入のポイントとしては、
- ホスティングされる求人ページの使い勝手
- システムのレスポンス
- 求人媒体からのインポート機能
- 社内、候補者とのコミュニケーション機能
などが挙げられ、ニーズに合わせたツール選択が必要となります。
おすすめの採用管理システム15選
それでは、優秀な人材確保をアシストするのにおすすめの採用管理システムをいくつか紹介しましょう。
クラウドハウス採用 - 株式会社Techouse
- さまざまな流入経路の応募者情報を一括管理
- IndeedやGoogleしごと検索などの求人検索エンジンと連携可能
- 採用のプロフェッショナルチームによる専属サポート
クラウドハウス採用は、応募者の獲得を強みとする採用管理システムです。採用ホームページの作成は、自由にカスタマイズ可能なデザインパターンを用意しているため、オリジナリティに溢れるページを作成できます。また、採用のプロが専任担当者として、求人の修正や相談の受付、定期ミーティングの開催などの支援をします。
sonar ATS - Thinkings株式会社
- 業界・規模問わず1,200社以上の導入実績※
- LINEと連携し、応募者とのやり取りをスムーズに
- 採用プロセスが異なる新卒採用と中途採用を一元管理できる
sonar ATSは、多くの経路からの応募者の情報を一つにまとめて可視化し、採用業務を効率化する採用管理システムです。応募者への連絡方法はメールとメッセージ、LINEの3種類で、重要度に合わせた手段にてやり取りできます。また、選考日程の調整や面接官のアサイン、採用関係者への連絡を自動化するため工数を削減可能です。
※sonar ATS公式サイトより(2022年12月閲覧)
HRMOS(ハーモス)採用管理は、採用活動のデータを可視化・分析し、戦略的な人材獲得を実現する採用管理システムです。
求人作成、応募者管理、コミュニケーション、進捗確認、アナリティクスといった業務を一元管理し、人材紹介会社とのやりとりや面接の評価などとともに、一体化した採用活動を実現します。
母集団形成に有効な魅力ある求人票の作成から、ソーシャルリクルーティング、リファラルなどの採用方法にも対応しています。
JobSuite CAREER - 株式会社ステラス
JobSuite CAREERは、中途採用に最適な採用管理システムのロングセラーです。簡単に最新の募集状況を自社ホームページや募集媒体を通して公開でき、個々の選考履歴、全体の進捗状況などをすばやく把握し、タイムリーな対応を可能にすることで選考プロセスを大幅に加速し、選考途中の辞退者減少に貢献します。また、応募受付後の取りまとめ業務を自動化し、担当者が「人を選ぶ」業務に集中することを可能とし、集計機能によるデータ分析で今後の採用戦略の改善を実現します。
JobSuite FRESHERS - 株式会社ステラス
- 採用サイトおよび転職エージェントの情報を一元管理
- 広告運用や採用サイト作成のサービスを併用可能
- 他業種、他年度にあわせて選考過程を調整
JobSuite FRESHERSは、採用にかかわる多くの情報やサービスと連携できる採用管理システムです。採用サイトや転職エージェントについての情報、応募者へ提供するコンテンツを一元管理します。
「広告運用のJobSuite ADVERTISING」「採用サイト作成のJobSuite STUDIO」「採用媒体のJobSuite NAVI」など、採用に関わる多くのシステムと連携可能。採用にかかるプロセスをまとめて管理したい、効率化したい企業におすすめのシステムです。
ジョブカン採用管理は、わかりやすいインターフェースとスムーズなオペレーションで、戦略的な人材採用を実現するクラウド型採用管理システムです。候補者に対して次に行うべきアクションを提示する業務フローにより、コミュニケーション不足や対応漏れを防ぎ、一元管理されたデータとの整合性を保ちます。
新卒・中途・パートタイムを問わない使い勝手のよさは、あらゆる企業のニーズに対応し、利用状況に応じた最低限のコストでの運用も可能にします。
- 応募者情報を一元管理し、採用活動を効率化
- 過去応募者へのスカウトメール送信で応募を促す
- エージェントと共同利用で応募者へ迅速に対応
RPM(アールピーエム)は、Webや電話からの応募者情報を1か所へ集約できる採用管理システムです。過去の応募者を任意の条件で絞り込みスカウトメールを一斉送信可能。また、各種採用媒体およびエージェントと連携し応募者へスピーディに対応します。ほかにも、応募者の検索や重複応募のチェック、メールの自動送信、進捗ステータス管理といった機能があります。
Reworks cloud - 株式会社リアライブ
Reworks cloudはLINE連携型の新卒向け採用管理システムです。学生とのコミュニケーションをLINEで行うことで親近感を持ってもらい、メッセージ開封率や説明会・選考の予約率を改善できます。LINEによって学生情報を一元管理し、送信メールの自動化・効率化できることによって採用業務のコストが大幅に軽減します。
HERP Hireは、社員主導のスクラム採用を実現する採用管理システムです。
10以上の媒体と連携できるので、経由が異なる応募情報の一元管理が可能です。
Slack/Chatworkと連携して媒体からの応募通知や応募者とのやり取りを社員に共有することで、採用意識の向上と人材要件の理解を促し、社員の積極的な参画を推進できます。また経営陣や現場メンバーなど、社内のさまざまの人を巻き込めるように、はじめてでも使いやすいシンプルなUX/UIにこだわっているのもポイントの1つ。
MOCHICAは、LINEと連携したチャット対応採用管理ツールです。タップ1つで次のステップへ進める気軽さと、自動リマインド設定で、合同説明会やエントリーからの歩留まりを改善します。
説明会や面接の日程調整は、LINEのチャットボット機能を使って自動でできるので、調整やリマインド業務のコスト削減が見込めます。選考ステータスや評価の記録も面接官ごとにアカウント発行して簡単に管理できます。
Zoho Recruit - ゾーホージャパン株式会社
Zoho リクルートは、手軽に導入可能なクラウド型の採用管理サービスです。「自社採用」および「人材紹介・派遣事業」のどちらでも活用できます。
候補者と採用者(クライアント/部門)のデータややりとりを関連付けて管理でき、データへのアクセス権限も設定できるので、採用データを整理でき共有がしやすくなります。紙やエクセルによる情報の分散を回避し、求職者やクライアントへの対応に注力でき本来の採用活動により専念可能です。
採マネnext≫は、高いメッセージ開封率を誇るLINEのAPIを活用したクラウド型採用管理ツールで、応募者のエンゲージメントを高め、セミナー参加率アップ、内定辞退者の減少を実現します。
個別の進捗がひと目で確認できる応募者管理、タグ管理による分類で応募者に最適なメッセージを自動配信するシナリオ配信、自動応答・データ管理機能などの独自機能を搭載しています。LINEで優秀な人材との親密なコミュニケーションを実現しつつ、応募者管理の負担軽減とコスト削減が可能です。
ニーズに応じた導入コンサルティングで、パッケージのカスタマイズも可能、CSV書き出しで他ツールとの連携も可能です。
MyReferは、導入企業500社を超える、日本でシェア最大級のリファラルリクルーティングサービスです。スタートアップから、従業員数100,000名の大手企業まで多種多様なリファラル採用の支援実績もあり、他社の事例を踏まえて、確かなリファラル採用促進の支援が可能です。
リファラル採用の活動状況のすべてを可視化し、PDCAの促進を可能とします。それによりアナログでするリファラル採用と比較して、人事の工数を約80%削減させ、社員の協力率は平均6倍もの向上が見込めます。
また、社員紹介制度設計、社内広報資料作成・社内プロモーション支援、分析・レポートティングなど、リファラル採用コンサルによるサポートも充実しています。
bizpla採用管理
bispla採用管理は、母数形成を容易にする求人ページホスティング機能、無制限を誇る求人媒体との連携により、スペイーディで正確な採用プロセスを実現するクラウド型採用管理システムです。
コミュニケーション方法にはメールの他、LINEなどのSNSが利用でき、候補者の傾向を熟知した機能は好評です。
もちろんマルチデバイス対応でいつでもどこでも情報確認が可能、候補者を逃さない対応が可能です。
採用一括かんりくんは、人材紹介事業を手がけるRootsが提供する、採用管理システムです。応募者が使い慣れているLINEを活用することで、説明会の参加率増加や採用担当者の工数削減が期待できます。
さらに分析を通じて母集団の傾向や特徴、効果的な施策が可視化され、採用活動の最適化に寄与。機能は必要なものだけをオプションで選択する仕組みで、コストを抑えて利用できます。
ますます厳しくなる優秀人材の確保を確実にする
人気業種や大企業への集中がますます高まる一方、中小企業の求人状況は厳しさを増しており、その格差は広がるばかりです。このような状況のなかで企業が生き残っていくためには、自社の魅力を高め、適切なPDCAサイクルによって、より優秀な人材の効果的な確保が重要です。
その作業をアシストするに充分な採用管理システム、この機会に ぜひ導入しましょう。
BOXILとは
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