転職市場は引き続き活発化!優秀な人材を採用しミスマッチを減らすために
企業業績が回復傾向にあるなか、少子高齢化を要因とする労働力人口の減少により、若い労働力の確保が差し迫った課題になっています。
それだけでなく、団塊世代やジュニア世代の労働市場からの退場が進んでおり、ミドル世代や管理職などの即戦力ポジションにも、深刻な人材不足がおよんでいるともいえるでしょう。
それを象徴するように、近年では35歳までといわれていた転職市場にも異変が起こっており、40〜50代の転職も珍しいものではなくなっています。
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- さらなる盛り上がりをみせる転職市場
- 求人の数、種類ともに増加中
- 仕事のボーダーレス化が進行
- 依然として高い採用ハードル
- 転職希望者をどう見極めるか
- 全体の何割が現職にとどまるべきか
- 現職にとどまるべき理由とは
- 転職すべき理由とは
- 注目が高まる再雇用(出戻り社員)
- 意外に多い再雇用実績
- 再雇用の理由とは
- 再雇用は拡大するのか
- 転職者の採用方法とは
- 転職サイト
- ダイレクトリクルーティング
- ヘッドハンティング
- リファラル
- 人材紹介
- システムを活用した適切な候補者管理
- おすすめの採用管理システム
- sonar ATS
- HRMOS採用
- JobSuite CAREER
- RPM
- ジョブカン採用管理
- HERP Hire
- リクナビHRTech採用管理
- MOCHICA
- HRアナリスト 人材分析
- Zoho Recruit
- 採用一括かんりくん
- ミスマッチを避ける見極めが重要
- BOXILとは
さらなる盛り上がりをみせる転職市場
パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、2018年1月に2017年下半期(7〜12月)の実績を元に、2018年上半期(1〜6月)の「転職市場予測 2018年上半期」を発表しました。
これは業界・職種を基準に、転職市場を11の分野に分類、それぞれで中途採用の求人増減を調査したものとなり、その結果、2017年に引き続き、2018年上半期も転職市場は活発な状況が続くことになると予測されています。
求人の数、種類ともに増加中
具体的には、「電気・機械」「メディカル」「営業」「人事・経理・法務」「企画・マーケティング」の5分野で求人が増加しています。ほかにも変化なしの「IT・通信」「化学・素材」、微増であった「建築・土木」「販売・サービス」「クリエイティブ」をあわせると、実に10分野で過去以上に求人が増加しており、減少したのは金融の1分野のみとなっています。
従来のように、転職者に対して「即戦力」を期待している企業があるのはもちろん、新たに取り組む事業を「軌道に乗せて欲しい」から「未経験者歓迎」まで、求人増にともなって期待されるレベルや種類も増加しているようです。
仕事のボーダーレス化が進行
こうした状況の背景には、デジタルトランスフォーメーションを見据えたデータ活用・IT化が業種を問わずに進められていること、それによって、企業がこれまでとは違った知見やノウハウを求めているという現状があります。
多様な価値観を受け入れようとするダイバーシティ化は、業界・職種を問わず、これまでに受け入れてこなかった人材を積極登用することにつながっており、仕事のボーダーレス化が加速しています。
依然として高い採用ハードル
しかし、転職市場が活発化し、転職希望者の選択肢が広がっている一方で、企業側の採用基準が下げられているわけではなく、課題に対して柔軟に対応・解決していく能力が求められるようにもなってきています。
これは、経験やノウハウを新たな業務に応用していく「仕事力」が必要とされていることを意味し、依然として採用ハードルは高いままだといえるでしょう。
転職希望者をどう見極めるか
このように、企業側が中途採用者に求める要素が変化してきている現在では、転職希望者とのマッチングを最重要視し、候補者の人物像を見極めていく必要があります。そのためには、以下のポイントに注視する必要があります。
全体の何割が現職にとどまるべきか
転職を希望する動機や理由は人によってさまざまですが、転職支援を行うキャリアコンサルタントはこうした転職希望者と日常的に数多く接しており、転職後の動向も把握しているケースが多くなります。
つまり、その意見には重要な要素が隠されているともいえるでしょう。
下図は、134名のキャリアコンサルタントを対象としたアンケート調査の結果であり、面談を行った転職希望者のうち「転職しないで現職にとどまった方がいいと感じた」人が、どの程度の割合存在したかをグラフ化したものです。
これによると「面談したうちの3割以上の人が現職にとどまるべきだ」と感じたコンサルタントが44%にもおよんでおり、2割以上の回答と合わせ、およそ3〜4人に1人の候補者は転職に適していないと判断されてたことになります。
現職にとどまるべき理由とは
それでは、コンサルタントが転職すべきでない、と感じた理由はどのようなものだったのでしょうか。下図は、その理由をグラフ化したものです。
1番大きな理由に挙げられていたのは「本人の希望と市場価値の剥離」であり、これは転職回数の少ないミドル層に多く見られた特徴のようです。
これとは逆に、若手や転職回数の多いミドル層にみられたのが「やりたいことと転職理由の整合性がない」「転職せずに課題解決可能」というものでした。
長く勤務しているケースでは外界を含めた全体が見渡せていない、転職を繰り返しているケースでは内部的な不満を溜めやすい、などが考えられます。こうした人が転職に希望する要素は「給与・賞与」が圧倒的に多く、ついで「人間関係」が多くなっているのが特徴といえます。
転職すべき理由とは
逆に、コンサルタントが転職すべき、と感じた理由はどのようなものだったのでしょうか。下図は、その理由をグラフ化したものです。
「やりたいことと転職理由の整合性がある」「現職に将来性がない」「現職では希望が叶わない」「待遇などが平均を下回っている」などが上位の理由として挙げられており、転職希望者がしっかりと自身の現状を把握したうえで、まわりの状況を見渡せていることが伺えます。
こうした人が転職に希望する要素は「給与・賞与」を上回って「自身の成長」が多くなっており「達成感」や「責任感」も上位になっているのが特徴といえるでしょう。
このことから、コンサルタントの立場でも「経験やノウハウを新たな事業に応用できる仕事力」があるのかを重視していることが読み取れ、広い視野を持っていることも大切な要素といえます。
注目が高まる再雇用(出戻り社員)
こうした状況のなか、中途採用の新たな手法として、再雇用(出戻り社員)が静かな注目を集めています。
意外に多い再雇用実績
下図は、220社の人事担当者を対象とした調査結果であり、再雇用の実態をグラフ化したものです。
実に、67%もの企業が過去に再雇用をした実績があり、その比率は企業規模が大きくなるほど高いという結果になっています。
終身雇用が浸透していると思われた大企業ほど、再雇用が行われているという現実は、ある意味驚くべきことだといえるのではないでしょうか。
再雇用の理由とは
それでは、企業が再雇用に踏み切った理由にはどのようなものがあるのでしょうか。下図は、複数回答による再雇用の理由をグラフ化したものです。
これによると「即戦力が必要」「人となりを理解」「本人の強い希望」が上位を占めており、人物像がはっきりしていることを前提に、企業と本人の思惑が一致したということが考えられます。
再雇用は拡大するのか
いったん離職して外の世界を経験した再雇用者は、仕事力がより高まったという評価も多く、社内での受入れも問題ないという調査結果もありますが、実際に再雇用制度を設けている企業は12%にとどまっています。
それでは、このような実態を踏まえ、企業の再雇用は拡大していくのでしょうか。下図は、再雇用の今後について得られた回答をグラフ化したものです。
「積極的に採用したい」「必要な能力があれば再雇用したい」「体制が整えば再雇用したい」をあわせると、69%の企業が再雇用に前向きであり、既存社員の合意があれば再雇用したいを含めれば、その割合は8割を超えています。
制度の有無からすれば、多くの人事担当者が人材確保の手法として「再雇用」に注目しているのは明らかであり、「仕事力」と同時に「人物像」を重視し、ミスマッチを排除したいという思惑が見えてきます。
転職者の採用方法とは
しかし、再雇用は「自社に在籍したことがある」人材のみが対象となるため、タイミングや縁が必要になってくることは否めません。企業の立場としては、必要な人材を確保するため、ほかの採用方法も併用していく必要があります。
転職サイト
転職用のマイナビ転職、リクナビNEXTなどの転職サイトを利用する方式です。
企業が採用情報を掲載し、登録している人材が志望する企業にエントリー、という形でマッチングを行い、企業説明会などのイベントも活発に行っています。
明確な意志を持って転職活動を行っている求職者に見てもらえる可能性が大きいというメリットがある反面、サイトへの掲載企業数が多いため、自社が注目される確率は低くなります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングサービスに登録された転職希望者に対して、企業がスカウトメールを送り、マッチングをしながらコンタクトを行うという方式です。
企業が転職希望者の情報を確認してアプローチすることで、自社のニーズに合致した人材にリーチしやすいメリットがありますが、採用担当者にかかる負担が重くなります。
ダイレクトリクルーティングサービスの詳細については、以下の記事で紹介しています。
ヘッドハンティング
エグゼクティブサーチ型ともいわれる方式で、企業ニーズに合致する人材をあらゆるネットワークを駆使して探し出し、転職までをサポートするサービスです。
企業が必要とするスキルはもちろん、人間性にいたる細かな条件に合致した人材を、潜在層を含む労働市場全体から採用できる点は大きなメリットです。
しかし、エージェントが足を運んでサーチするタイプだと、着手金・経費の他に、採用した人材年収の約3割程度となる成功報酬が必要になり、高額となりがちなコスト面はデメリットとなるでしょう。
ヘッドハンティングの詳細については、以下の記事で紹介しています。
リファラル
主に自社従業員に優秀な人材を推薦してもらうリファラルは転職希望者にも有効です。このリファラルは欧米でも主要な採用方法となっており、いわゆる縁故採用(コネ採用)とは区別されています。
対象者を理解したうえでの紹介となるため、面接では判断できない人間性や仕事ぶりがわかるというメリットがありますが、大量の候補者を集めるのが難しいというデメリット要素とともに、採用後のパフォーマンスが悪かった場合などは、紹介者側との関係が悪化してしまう可能性も否定できません。
リファラル採用の詳細については、以下の記事で紹介しています。
人材紹介
企業のニーズに応じてスクリーニングした人材を紹介するサービスで、人材紹介会社や就職サイトが転職希望者向けに行っています。
専門性の高い人材をピンポイントで採用できる、ほとんどが入社承諾書にサインしてからの支払いとなる成功報酬型ゆえ無駄な投資にはならないというメリットがあります。
多くの人材を採用したいという企業には向いていないというデメリットも、中途採用を検討する際にはあまりデメリットとならないかもしれません。
システムを活用した適切な候補者管理
このほかにも、自社サイトを有効活用するなどの手法が考えられますが、複数の採用方法を併用する際、それらすべてを横断した、適切な候補者管理が必要になってきます。
こうしたケースで最適なのが、採用管理システムです。
募集、応募、面接、選考、入社にいたる採用プロセスを一元管理し、採用業務の効率化と迅速化を実現する採用管理システムは、転職などの中途採用だけでなく、新卒採用にも大きな効果を発揮します。
以下の記事では、採用管理システムの詳細・事例についてより詳しく解説しています。
おすすめの採用管理システム
それでは、転職者の採用に役立つおすすめの採用管理システムを紹介します。
本記事で紹介する採用管理システムのさらなる詳細や、紹介しきれなかったサービスについては以下から無料でご覧になれます。ぜひダウンロードしてお役立てください。
sonar ATS - Thinkings株式会社
- 業界・規模問わず1,200社以上の導入実績※
- LINEと連携し、応募者とのやり取りをスムーズに
- 採用プロセスが異なる新卒採用と中途採用を一元管理できる
sonar ATSは、多くの経路からの応募者の情報を一つにまとめて可視化し、採用業務を効率化する採用管理システムです。応募者への連絡方法はメールとメッセージ、LINEの3種類で、重要度に合わせた手段にてやり取りできます。また、選考日程の調整や面接官のアサイン、採用関係者への連絡を自動化するため工数を削減可能です。
※sonar ATS公式サイトより(2022年12月閲覧)
HRMOS(ハーモス)採用管理は、採用活動のデータを可視化・分析し、戦略的な人材獲得を実現する採用管理システムです。求人作成、応募者管理、コミュニケーション、進捗確認、アナリティクスといった業務を一元管理し、人材紹介会社とのやりとりや面接の評価などとともに、一体化した採用活動を実現します。
母集団形成に有効な魅力ある求人票の作成から、ソーシャルリクルーティング、リファラルなどの採用方法にも対応しています。
JobSuite CAREER - 株式会社ステラス
JobSuite CAREERは、中途採用に最適な採用管理システムのロングセラーです。簡単に最新の募集状況を自社ホームページや募集媒体を通して公開でき、個々の選考履歴、全体の進捗状況などをすばやく把握し、タイムリーな対応を可能にすることで選考プロセスを大幅に加速し、選考途中の辞退者減少に貢献します。
また、応募受付後の取りまとめ業務を自動化し、担当者が「人を選ぶ」業務に集中することを可能とし、集計機能によるデータ分析で今後の採用戦略の改善を実現します。
- 各種求人媒体と連携し、応募者情報を集約
- 採用エージェントと共同で、応募者へ迅速に対応
- メールの自動送信や過去応募者の掘り起こしも可能
RPM(アールピーエム)は、各種求人媒体と連携し、応募者情報を集約・一元管理するシステムです。連携した求人媒体からの応募者情報は、Webや電話を問わず自動で集約され、各採用エージェントとの共同管理が可能です。
エージェントの閲覧権限は細かく設定できるため、個人情報を守りながら応募者情報を適切に管理できます。応募者への自動メール送信や重複応募の自動チェック、任意条件での応募者の絞り込み機能により、対応の漏れを防ぎ、効率的な採用活動を実現できます。
ジョブカン採用管理は、わかりやすいインターフェースとスムーズなオペレーションで、戦略的な人材採用を実現するクラウド型採用管理システムです。候補者に対して次に行うべきアクションを提示する業務フローにより、コミュニケーション不足や対応漏れを防ぎ、一元管理されたデータとの整合性を保ちます。
新卒・中途・パートタイムを問わない使い勝手のよさは、あらゆる企業のニーズに対応し、利用状況に応じた最低限のコストでの運用も可能にします。
- 中途採用向けの採用管理システムとして1,500社以上の導入実績※1
- 使いやすさ、導入しやすさNo.1※2
- 複数の求人媒体の応募情報を自動で一括管理
HERP Hireは、社員主導のスクラム採用を実現する採用管理システムです。
10以上の媒体と連携できるので、経由が異なる応募情報の一元管理が可能です。
Slack/Chatworkと連携して媒体からの応募通知や応募者とのやり取りを社員に共有することで、採用意識の向上と人材要件の理解を促し、社員の積極的な参画を推進できます。また経営陣や現場メンバーなど、社内のさまざまの人を巻き込めるように、はじめてでも使いやすいシンプルなUX/UIにこだわっているのもポイントの1つ。
※1:HERP Hire公式サイトより(2022年12月閲覧)
※2:ITreview GRID AWARD 2022 Autumn 採用管理(ATS)部門
リクナビHRTech採用管理 - 株式会社リクルートキャリア
リクナビHRTechは、中途採用における応募から入社までの選考状況をクラウドで一元管理できる無料の採用管理システムです。
採用に関する情報をクラウド上で一括管理することで、Excelへの転記といった細かな業務工数や、関係者との情報連携の工数を削減できます。
ユーザーアカウント、紹介会社、候補者ともに登録数に上限がないのも特徴の1つ。求人別・紹介会社別に選考プロセスを分析でき、採用の振り返りも簡単に行えます。これらすべての機能を初期費用・月額費用・追加料金などの料金を一切かけずに利用できるというのが最大のポイントと言えるでしょう。
MOCHICAは、LINEと連携したチャット対応採用管理ツールです。
学生や求職者が普段利用しているLINEでやり取りできるので、コミュニケーションの活性化やスピードアップが可能。タップ1つで次のステップへ進めるという気軽さと、自動リマインド設定で、合同説明会やエントリーからの歩留まりを改善します。
説明会や面接の日程調整は、LINEのチャットボット機能を使って自動でできるので、調整やリマインド業務のコスト削減が見込めます。選考ステータスや評価の記録も面接官ごとにアカウント発行して簡単に管理できます。
HRアナリスト 人材分析 - シングラー株式会社
HRアナリストは、独自のシステムを元に採用すべき人材を可視化する人材分析サービスです。論文をベースとした学術的側面に加え、人事の勘や感覚を体系化しているので、分析根拠が明確で応募者理解を促進してくれます。
応募者の分析結果とニーズを元に面接担当者へ適切なアクションを提案してくれるため、採用成約率と辞退率を改善します。また、定額制の使い放題で初期接触で多くの応募者に利用すればするほどお得です。
Zoho Recruit - ゾーホージャパン株式会社
Zoho リクルートは、手軽に導入可能なクラウド型の採用管理サービスです。「自社採用」および「人材紹介・派遣事業」のどちらにも広く活用できます。
候補者と採用者(クライアント/部門)のデータややりとりを関連付けて管理でき、データへのアクセス権限も設定できるので、採用データの整理がしやすくなります。ほかにもGoogle WorkspaceやZapierなどのシステムと連携可能で、採用活動状況を通知させたりすることもできます。
採用一括かんりくんは、人材紹介事業を手がけるRootsが提供する、採用管理システムです。応募者が使い慣れているLINEを活用することで、説明会の参加率増加や採用担当者の工数削減が期待できます。
さらに分析を通じて母集団の傾向や特徴、効果的な施策が可視化され、採用活動の最適化に寄与。機能は必要なものだけをオプションで選択する仕組みで、コストを抑えて利用できます。
ミスマッチを避ける見極めが重要
転職者自身のやる気や資質が重視され、ビジネスパーソンとしての成長支援が必要となる新卒採用と異なり、ある程度の経験とノウハウを持つ転職希望者の中途採用は、企業が求める人物像とのミスマッチが起こる可能性が高くなります。
再雇用に前向きな傾向は、こうしたミスマッチを排除するためだともいえ、企業が即戦力の人材を求めている一方で、対象者の見極めに苦慮している現状も伺われます。
企業側では、求める人物像をよりいっそう明確にすることが必要になってくると同時に、転職希望者側でも、冷静な自己分析をもとに広い視野でまわりを見渡し、新たなことにも挑戦していける資質を身につける必要がありそうです。
BOXILとは
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