顧客関係管理(CRM)とは?システムの種類・導入メリット・選び方
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- 顧客関係管理(CRM)とは
- 顧客関係管理(CRM)の目的
- CRMとSFAの違い
- なぜ顧客関係管理(CRM)が必要とされるのか?
- 市場で勝ち抜くため
- LTV向上のため
- 顧客ニーズの多様性への対応
- コストの削減
- データ分析
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)の主な機能と役割
- 顧客情報管理
- メール配信
- 営業支援(SFA)
- システム連携
- 問い合わせ管理
- 分析レポート機能
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)の種類
- 営業支援向けCRM
- コンタクトセンター向けCRM
- マーケティング支援向けCRM
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)の選び方
- 簡単に入力できる
- 既存顧客管理との相性がよい
- スモールスタートで導入可能
- ランニングコストが合っている
- 柔軟なシステム連携
- 自動化機能
- 見やすい分析レポート
- カスタマイズと拡張性がある
- データセキュリティとプライバシーが守られている
- 実際に利用しているユーザーからの評価が高い
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)おすすめ6選
- Salesforce Sales Cloud
- Sansan
- Zoho CRM
- HubSpot CRM
- Microsoft Dynamics 365
- Oracle Sales Cloud
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入する目的とメリット
- 顧客データを一元管理できる
- 顧客へのアプローチが容易になる
- ビジネスにおけるPDCAサイクルを回しやすくなる
- 販売管理システムとの連携
- 顧客満足度の向上
- 業務の効率化
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入するデメリット
- 初期コストと維持コストがかかる
- データ管理の課題
- 変化への抵抗
- 適切な運用とフォローアップが必要
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)の活用方法
- マーケティングの精度を高める
- 既存顧客向けに利用する
- マルチチャネルマーケティングを展開する
- リードスコアリングで効率的な営業をかける
- 顧客情報を共有してスムーズに対応する
- データにもとづいて経営判断を行う
- AIとの統合で予測分析と自動化を実現する
- テレワークを実現する
- 顧客関係管理を導入する際の注意点
- Excelでの管理も可能
- CRMシステムの導入効果を短期間で判断しない
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)をスムーズに導入する方法
- 導入目的を明確にする
- 無料トライアルを活用する
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)導入の失敗事例
- CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入して顧客中心の成長戦略を
- 注目のCRM、サービス資料まとめ
- 顧客管理システムの関連記事
- BOXILとは
顧客関係管理(CRM)とは
顧客関係管理(CRM)とは、「Customer Relationship Management」の略称で、日本語では「顧客関係管理」を意味します。顧客の情報を管理して最適なアプローチを行うことにより、見込み客や既存顧客との関係を深めるマーケティング手法のことです。
顧客関係管理(CRM)の目的
CRMの主な目的は、顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティの構築、そして最終的には収益増加に寄与することです。具体的には次のような目的があります。
顧客関係の強化
顧客のニーズや好みを理解し、個々の顧客に合わせたパーソナライズされた体験を提供することで、顧客との関係を深めます。
効率的なマーケティング
顧客データを分析し、ターゲット市場や顧客セグメントにもとづいた効果的なマーケティング戦略を立案します。
売り上げの最大化
アップセルやクロスセルの機会を見つけ出し、顧客の顧客生涯価値(LTV)を向上させます。
顧客サービスの改善
顧客からのフィードバックを収集し、製品やサービスの改善、および顧客サービスの質の向上に役立てます。
企業にとって、顧客と良好な関係を築き、製品・サービスを継続的に使ってもらうことは、売り上げや利益を確保するために欠かせません。一方で、どんなに優れた人材や素晴らしい製品・サービスがあったとしても、顧客がいなくては経営が成り立ちません。
そこで、「顧客を中心に据えて事業戦略やプロダクト戦略を考えていく」のが顧客関係管理(CRM)のアプローチです。顧客関係管理を実現するためには、顧客のニーズをデータとして的確に捉えていく必要があり、顧客データを蓄積し分析するためのCRMシステムが必要となります。
CRMとSFAの違い
SFAとは、「Sales Force Automation」の略称で、営業支援システムと呼ばれています。SFAを活用することで、顧客との商談履歴や進行中の案件情報が一元管理され、組織的な営業活動が実現できるようになるでしょう。
CRMとSFAの違いは、CRMがBtoC・BtoB含む顧客情報全般を管理・分析するのに対して、SFAは主にBtoBの営業活動を支援するための顧客情報を管理・分析するツールです。
SFAとは何か、CRMとの違いや比較について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
なぜ顧客関係管理(CRM)が必要とされるのか?
顧客関係管理(CRM)が必要とされる理由として、次の5つが挙げられます。
- 市場で勝ち抜くため
- LTV向上のため
- 顧客ニーズの多様性への対応
- コスト削減
- データ分析
市場で勝ち抜くため
顧客関係管理(CRM)が必要になった背景には、リカーリングやサブスクリプションモデルといったビジネス環境の変化によって、継続顧客を確保する必要の高まりが挙げられます。
日本の右肩上がりの経済成長が終わり「失われた20年」に入ってからは、「よいものをより安く」では簡単に業績を上げられなくなりました。顧客ニーズが多様化し、製品・サービスをそこにマッチさせる必要も出てきています。
経済が成熟して供給過多になったことで顧客の目は厳しくなり、単純に高機能や低価格を売りにしても売れなくなってきました。これに、インターネットの普及が拍車をかけます。インターネットやSNSを使って簡単に製品を比較できるようになったことで、顧客が簡単に他社の製品に切り替えるリスクが高まりました。
そのため、継続顧客を確保し市場で生き残るためには、顧客関係管理が必要です。
LTV向上のため
顧客関係管理は、LTV向上といった効果も期待できます。
新規顧客の獲得が難しい現代では、企業が利益を向上するには、顧客満足度を高めてLTV(ライフタイムバリュー)を向上させる必要があります。新規顧客の獲得には、広告コストや時間がかかり、既存顧客と比べ約5倍のコストがかかると言われており容易ではありません。そのため、既存顧客と今まで以上の良好な関係を構築し、LTV向上につなげる必要があります。
ロイヤルカスタマーの囲い込みを実現し、LTVを向上するには、顧客データを綿密に分析して一人ひとりの顧客満足度を高めるマーケティングや営業を行う必要があります。
顧客関係管理(CRM)は、これらのことを実現するうえで必要不可欠なシステムです。
顧客ニーズの多様性への対応
多様化する顧客ニーズの対応にも、顧客関係管理(CRM)の活用が有効です。
従来は、企業が広告を打つことで、ある程度売り上げを伸ばせたものの、現在では従来のマーケティングでは成果を出すのが難しくなりました。近年では、インターネットの普及によりニーズの多様化が進み、購入の判断や決め手となる価値が細分化するようになったためです。
そのため、顧客関係管理によってユーザーニーズを分析し、個々のニーズに最適なアプローチが求められています。これを実現するためには、顧客情報を一元管理し、情報入力や分析の自動化が可能なCRMシステムの導入が必要とされています。
コストの削減
コスト削減も、顧客関係管理が必要とされる理由の一つです。
顧客情報の管理は、多くの顧客を抱えているほど複雑化しがちです。たとえば、Excelに顧客情報を手入力し、手作業で分析を行うにはかなりの時間がかかるでしょう。さらに、手作業での管理にはミスが生じる恐れもあります。すると、業務プロセスの煩雑化により、人件費の増加につながりかねません。
しかし、CRMシステムを導入することで、業務の自動化やデータの一元管理が可能なため、顧客管理の業務プロセスを効率化し人的コストの削減が可能になります。
データ分析
顧客関係管理の導入により、分析や情報整理を自動化し、データ分析を効率的に行う効果も期待できます。
顧客の行動データを分析し、それをもとに戦略を検討することで、より効果的で実用性のある戦略を立てられます。
しかし、個々の顧客ごとに細分化した施策を行うには、大量のデータが必要です。それらを蓄積して解析するために、CRMシステムの導入が必要です。
CRMシステムでは、顧客の行動や嗜好などのデータを収集して蓄積・分析できます。分析したデータはグラフや表などで可視化できるため、現状把握がしやすくなり、営業施策やマーケティング戦略に活用が可能です。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)の主な機能と役割
CRMシステム(顧客関係管理ツール)には、主に次のような機能が備わっています。システムによって搭載されている機能や特徴は異なるので、導入の際には確認するようにしてください。
- 顧客情報管理
- メール配信
- 営業支援(SFA)
- システム連携
- 問い合わせ管理
- 分析レポート機能
顧客情報管理
CRMシステムでは、顧客や企業の基本情報・属性・購買履歴やWebサイトの閲覧履歴、問い合わせ情報、商談内容といったさまざまな顧客情報を一元管理できます。
メール配信
顧客の属性や購買履歴にもとづいて、セールスやキャンペーン情報、イベントやセミナーの案内を最適なタイミングで自動的にメール配信可能です。AI(人工知能)機能を活用して、高度なパーソナライズ配信を実現しているCRMシステムもあります。
営業支援(SFA)
CRMシステムには、名刺情報や担当者の情報管理のほか訪問スケジュールや商談履歴、案件の進捗状況管理といった、営業支援システム(SFA)機能が搭載されているシステムも多いです。
システム連携
CRMシステムを既存システムと連携させる機能もあります。ERPシステムといった業務システムや、SlackやChatworkなどのコミュニケーションと連携させれば、顧客データの社内共有を促進につながるでしょう。
MAツールやSFAシステムと連動して、マーケティングや営業活動をさらに効率化できるCRMシステムもあります。
問い合わせ管理
顧客のメールやWebフォーム、電話での問い合わせ履歴も、CRMシステムで一元管理できます。これにより、コールセンターやコンタクトセンターのオペレーターの顧客対応をスムーズにしたり、WebサイトにFAQページを導入したりして、問い合わせ管理の効率化が可能です。
また、問い合わせフォームを簡単にWebサイトに組み込めるCRMシステムもあります。
分析レポート機能
CRMシステムに蓄積したデータを、ダッシュボードにグラフ化して可視化し、分析しやすいようにレポート出力する機能もあります。顧客の消費行動や購買傾向をもとに、販売計画やプロモーション、将来の売り上げ予測などに活用できるでしょう。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)の種類
CRMシステム(顧客関係管理ツール)には、主に営業支援向けCRM、コンタクトセンター向けCRM、マーケティング支援向けCRMの3種類があります。
最近では、次の3つのタイプを一つに統合したCRMシステムも登場しています。営業・サポート・マーケティングがすべて同一のシステムで一元管理可能です。CRMシステム(顧客関係管理ツール)を利用するシーンに合わせて検討を進めてみましょう。
営業支援向けCRM
顧客関係管理(CRM)の中でもっとも一般的と言えるのが、営業支援向けCRMです。これは、顧客情報に訪問スケジュールや商談の履歴、案件情報、売り上げ実績を紐づけて一元管理するCRMシステムです。
これにより、現状を素早く把握して、営業戦略の見直しや商談内容の改善を行います。システムのタイプとしては、オンプレミス型のものや最近ではクラウド型CRMも多く導入されています。
営業支援向けCRMを選定する際のポイントは、「シングルインプット・マルチアウトプット」が実現できるかどうかです。顧客関係管理の難点であるデータの入力が必要なことは、現場の営業担当者からすると負担になり、利用が進まないこともあります。
このような事態を避けるためにも、顧客情報や案件情報など、入力の手間を最小限にしてさまざまな形でアウトプットできるCRMシステムがおすすめです。
コンタクトセンター向けCRM
コンタクトセンターやコールセンターにかかってくる顧客からの電話も、顧客関係管理のうえで非常に重要なデータソースになります。これらの情報をまとめるCRMもあり、オペレーターが入力しやすい設計です。
カスタマーサポートの情報も一元管理することで、新製品・サービスを開発する際に効果的にフィードバックできるでしょう。コンタクトセンター向けCRMの選定のポイントとしては、オペレーターの方が入力しやすいものを基準にしつつ、入力した情報がレポートとしてしっかり反映されるどうかを見るのがおすすめです。
マーケティング支援向けCRM
マーケティング業務を効率的に行うことを目的としたCRMシステムもあります。こちらは一斉メール配信機能があることをはじめ、イベント管理しやすい機能がついています。営業がフォローを実施する前のリードをナーチャリングする際に、利用を検討するとよいでしょう。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)の選び方
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入する際は、次のポイントに注意して選ぶことをおすすめします。
- 簡単に入力できる
- 既存顧客管理との相性がよい
- スモールスタートで導入可能
- ランニングコストが合っている
- 柔軟なシステム連携
- 自動化機能
- 見やすい分析レポート
- カスタマイズと拡張性がある
- データセキュリティとプライバシーが守られている
- 実際に利用しているユーザーからの評価が高い
それぞれのポイントについて説明します。
簡単に入力できる
CRMシステムは、顧客情報を常にアップデートして最新の情報を共有できるようにする必要があります。そのため現場の営業担当者でも、ストレスなく簡単に情報入力できるシステムがおすすめです。
スマートフォンやGPS対応といったモバイル機能があれば、外回りの時間でもサクッと入力できるので、定着しやすいでしょう。無料トライアルや無料プランを活用して、担当者に実際に体験してもらうとよいです。
既存顧客管理との相性がよい
すでになんらかの形で既存顧客を管理している場合、CRMシステム導入後にデータを正しく移行できるかは非常に大切です。CRMシステムに新たな顧客情報が蓄積されるまでは時間がかかるため、既存顧客管理されたデータベースから情報を移行できれば、導入直後からシステムの有効活用ができるでしょう。
スモールスタートで導入可能
はじめてCRMシステムを導入する場合、システム改修やサーバーといった初期投資の必要のない、スモールスタートで導入可能なクラウド型CRMシステムがおすすめです。
必要最小限のCRM機能を使いこなしていき、必要に応じて、より高度な分析機能や自動化機能のある上位プランに移行していけば、導入失敗のダメージも少なくてもすみます。
ランニングコストが合っている
CRMシステムのコストは、初期投資だけでなく、維持管理費や将来のアップグレードコストも含まれます。全体的な費用対効果と投資収益率(ROI)を評価するために、費用や利益、ビジネスに与える影響を総合的に考慮しましょう。
具体的なケーススタディや他企業の事例を調査し、類似のニーズをもつ他の企業がどのような成果を上げているかを理解するのが大切です。
柔軟なシステム連携
CRMシステムを、情報共有システムやコミュニケーションツールといった既存のシステムと連携させると、顧客データの社内共有と有効活用がさらに促進できます。
データドリブンな顧客中心の組織文化への変革につながり、競争力強化が期待できるでしょう。
自動化機能
最近ではAI(人工知能)を活用して、過去の履歴や情報から、高度なパーソナライズや自動化を行ってくれるCRMシステムも登場しています。マーケティングやデータサイエンスの専門知識なしに、システムが商談成立の確度を予測したり、営業アプローチの優先順位を決めてくれたりするため、売り上げに直結する効果が出やすいです。
システムの導入事例や活用ポイントなどを読み込んで、投資コストと考え合わせて選択するのがよいでしょう。
見やすい分析レポート
CRMシステムは、蓄積したデータをいかに戦略的な経営判断に活かせるかが重要です。経営陣にも読み取れる分析レポート機能があれば、投資コストを大きく上回る貴重なチャンスが得られるかもしれません。
カスタマイズと拡張性がある
ビジネスのニーズは進化し続けるため、CRMシステムもまた柔軟である必要があります。システムがカスタマイズ可能で、ビジネスが成長し変化するにつれてスケールアップできるかどうかを評価しましょう。API連携やサードパーティのインテグレーションが可能であることも、システムが将来的にあなたのビジネスニーズに適合し続けるために重要です。
データセキュリティとプライバシーが守られている
顧客データのセキュリティとプライバシーは、どの企業にとっても最優先事項です。提供されるデータが暗号化やユーザーアクセス制御などによって守られているか、セキュリティはどのくらい強固なのかを確認しておきましょう。
実際に利用しているユーザーからの評価が高い
実際にCRMシステムを使用している他の企業やユーザーからの評価(口コミやレビューなど)は、システムの実用性と効果について導入するまではわからない課題が浮き彫りになりがちです。実際のユーザー体験やシステムの長所・短所を把握しておくのも、システムを選ぶ際に重要です。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)おすすめ6選
おすすめのCRMシステム(顧客関係管理ツール)を6つ紹介します。
また、こちらからはCRMの人気ランキングや、各種サービスの評判・口コミを確認できます。あわせて参考にしてください。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 顧客関係管理に必要な機能をこれ一つで
- 企業ごとに合わせた詳細なレポート機能
- 世界No.1の顧客関係管理(CRM)※
※出典:セールスフォース・ジャパン「Sales Cloud | AIを駆使したセールスソリューション&ソフトウェア—営業向けSalesforce - セールスフォース・ジャパン」(2024年8月19日閲覧)
- Salesforce(セールスフォース)の使い方・機能・事例を解説、他社CRM/SFAとは何が違うのか?
- Salesforce×Dynamics 365×eセールスマネージャー | CRMの機能・価格・評判を比較
- Salesforce×JUST.SFA | 価格・機能など代表的SFAを徹底比較
- 名刺・商談・案件を一気通貫で確認
- 社内人脈の共有
- マーケティング機能も搭載
Sansan×CAMCARD×メイシー | おすすめクラウド名刺管理の評判・価格・シェアを比較
- 低価格で使用できる
- SFA、MAなど連携できるシステムが豊富
- 柔軟なカスタマイズが可能
HubSpot CRM
- 無料で使用できるCRMシステム
- 同シリーズのSFA、MAと連携
- 最大100万件※の連絡先を登録可能
※出典: HubSpot Japan「無料のCRMツールで顧客管理を効率化 | HubSpot(ハブスポット)」(2024年6月4日閲覧)
Microsoft Dynamics 365 - 日本マイクロソフト株式会社
- シリーズ全体で、マーケティング、CS、人材管理など広範な業務をカバー
- Microsoft TeamsやOfficeと統合的に使用できる
- カスタマイズの自由度が高い
Oracle Sales Cloud
- ERPとして人気のオラクルシリーズのクラウド型CRM
- AI(人工知能)が問い合わせを分析・予測・回答
- さまざまなチャネルの顧客を統合的に管理できる
その他のCRMシステムは、次の記事で紹介しているので、より詳しく比較検討したい方はぜひ参考にしてください。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入する目的とメリット
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入する目的とメリットについて、解説します。
顧客データを一元管理できる
顧客関係管理(CRM)を導入するメリットとしてまず挙げたいのが顧客データの一元管理です。顧客データは企業にとっての財産であり、これを適切に管理し、有効活用することが、CRMの第一の目的です。
顧客情報が電子化されていないと、必要なときにすぐには利用できません。CRMシステムを用いることで、顧客データをより有効に、そして素早く戦略的に活用できるようになります。
顧客へのアプローチが容易になる
顧客データが管理されることで、顧客へのメール配信が容易にできます。メール配信は、イベント情報や新製品の情報などをいち早く伝えられるため、既存顧客の維持の観点からも非常に有力な手段です。
また、電話をかけたいときや資料を送りたいときなど、CRMシステムで連絡先を調べられるため、名刺を探す手間も省けてスムーズに作業を実施できます。
ビジネスにおけるPDCAサイクルを回しやすくなる
CRMで顧客情報を一元管理すると、顧客の動向を社内で共有し、PDCAサイクルを円滑に回せるのも大きなメリットです。たとえば、イベントに参加した顧客がどれくらい製品を購入したかのようなデータは、CRMシステムを通してすぐに調べられます。
また、過去に製品を購入した顧客が、次にどのような製品を購入したのか消費傾向の把握も可能です。このように、PDCAサイクルを回す際にCRMシステムは大きな力を発揮するでしょう。
CRMシステムによっては、データの分析結果をわかりやすく表示してくれるので、分析がしやすくなるメリットもあります。豊富なデータをもとに分析した結果があれば、より効果的な営業アプローチができるようになるはずです。
販売管理システムとの連携
CRMシステムによっては、POSシステムのデータや販売管理システムなどと連携して、さらに詳細な分析を行うことも可能です。
できるかぎり詳細なデータを取り込むことで、戦略的にデータを分析し、次の一手を打てます。CRMシステムをここまで使いこなせると、売り上げにも明確に効果が出てくることでしょう。
顧客満足度の向上
CRMシステムは、顧客満足度の向上にも寄与します。顧客の過去の購入履歴や好み、問い合わせ内容などを一元管理することで、パーソナライズされたコミュニケーションが可能となり、顧客一人ひとりに合ったサービスを提供できます。これにより、顧客の信頼を得やすくなり、長期的な関係を築けるでしょう。
業務の効率化
さらに、CRMは社内の業務効率化にも貢献します。顧客対応に関する情報がシステム上で共有されるため、重複した業務や手作業によるエラーを削減し、各担当者がより本質的な業務に集中できる環境を作り出します。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入するデメリット
一見すると便利に見えるCRMシステム(顧客関係管理ツール)ですが、導入することによるデメリットもいくつか存在します。主なデメリットは次のとおりです。
初期コストと維持コストがかかる
CRMシステムの導入には、しばしば高額な初期投資が必要です。システム導入費用に加え、社内での展開や従業員へのトレーニングなど、追加のコストが発生する可能性もあります。また、システムのアップグレードや維持にも継続的な費用がかかります。
データ管理の課題
データの一元管理は便利ですが、それがゆえにデータの不整合やセキュリティリスクが生じることもあるでしょう。顧客データの漏えいは信頼を大きく損なうため、適切なセキュリティ対策が不可欠です。また、データの入力ミスや更新の怠慢など、データ品質に関する課題も発生しやすいです。
変化への抵抗
組織に新しいシステムを導入すると、従業員による変化への抵抗を受けることがあります。とくに、CRMシステムは顧客対応の仕方にも影響を与えるため、新しい業務プロセスやシステムへの適応が求められます。
適切な運用とフォローアップが必要
CRMシステムは、適切に運用されなければ価値を十分に発揮できません。システムの導入だけでなく、導入後のフォローアップ、従業員教育、そして顧客データを最新かつ正確に保つための定期的なメンテナンスが不可欠です。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)の活用方法
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を活用する理由としては、既存顧客の継続確保が目的の一つです。そのために、各々の顧客ニーズを適切に把握し、満たすアクションが求められます。
マーケティングの精度を高める
たとえば、製品・サービスの品質向上や顧客が求めているセミナー情報、期間限定のキャンペーン情報などを提供することで、顧客ニーズを満たしていきます。それらを実行するために、CRMシステムを活用するとよいでしょう。
さらにCRMデータを活用して顧客を異なるセグメントに分け、各セグメントに合わせたパーソナライズされたマーケティング活動を行えば、それぞれのグループにもっとも響くメッセージや価値を提供できるでしょう。
既存顧客向けに利用する
CRMシステムは情報が蓄積されるまで時間がかかるため、有効活用して成果を出すまでタイムラグが発生してしまいます。これを踏まえ、CRMはまず既存顧客管理として適用していくのがよいでしょう。
既存顧客であれば、すでに社内に蓄積されたデータがあるため、新たにデータが必要な新規顧客に比べるとCRMの活用を進めやすいです。また、既存顧客であれば各営業がもつ「定性情報」もあり、データの「定量情報」との整合性も取りやすく、データ分析にもとづく結果がどのくらい正確なのか判断をつけやすくなります。
このように、既存顧客向けにCRMを利用しながら、徐々に新規の見込み客に対してもCRMを活用していく流れがよいでしょう。
マルチチャネルマーケティングを展開する
CRMシステムを使用して、メール・ソーシャルメディア・Webサイト・物理的な店舗など、複数のチャネルを通じて顧客と接触するマルチチャネルマーケティング戦略を実行します。これにより、顧客にとって都合のよい方法でブランドとのインタラクションが可能になり、顧客満足度の向上につながります。
リードスコアリングで効率的な営業をかける
CRMデータを活用したリードスコアリングにより、営業チームがもっとも価値のある見込み客に集中できるようにします。各リードにスコアを割り当て、スコアにもとづいて営業資源を最適化することで、コンバージョン率の向上と営業サイクルの短縮が実現するでしょう。
顧客情報を共有してスムーズに対応する
カスタマーサポートやコンタクトセンターの場合、情報共有は重要な課題です。顧客から問い合わせがあっても担当者しか状況がわからないので対応できない、退職者が発生すると引継ぎがスムーズに行われず、一時的に顧客との関係性が後退してしまうといったケースはよくあります。
こうした事態を防止するためには、CRMシステムに顧客とのコミュニケ―ション履歴をこまめに入力しておき、他の担当者でもCRMを見れば顧客の問い合わせ内容や取引の内容がわかる状態にするべきです。
データにもとづいて経営判断を行う
CRMの導入は、経営判断の精度向上、迅速化効果も期待できます。経営者はどの事業に投資するかあるいは撤退するか、どの事業に成長の余地がありそうか、リスクがありそうかといったことを素早く判断しなければなりません。
CRMを導入してアナリティクス機能によりさまざまな指標を管理し、即座に分析できるようになれば、経営判断の精度が高まります。
AIとの統合で予測分析と自動化を実現する
最新のCRMシステムは、AI機能を統合することで顧客の行動を予測し、次営業戦略を自動化できる機能もあります。これにより、予測分析にもとづいた個別の顧客対応が可能となり、より効果的なアップセルやクロスセルが実現するでしょう。
テレワークを実現する
CRMにはテレワークを実現させる効果も期待できます。クラウド型CRMを使用すれば、営業先やテレワーク中の自宅からでも、簡単かつ安全に顧客情報にアクセスできます。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)システムの導入を比較検討したい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。
顧客関係管理を導入する際の注意点
顧客関係管理を導入する際には、次のポイントに注意しましょう。
- Excelでの管理も可能
- CRMシステムの導入効果を短期間で判断しない
Excelでの管理も可能
顧客関係管理は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って行うことも可能です。
ただし、Excelで管理を行う場合でも顧客情報が少量であれば問題ありませんが、データが大量にある場合はファイルの動作が重くなり、管理が難しくなりがちです。Excelは手作業で入力が必要なため、ミスが発生するリスクも高くなります。
そのため、データ量が多い場合は、CRMシステムの導入を進める方がよいでしょう。逆に、データ量が少ない場合は費用対効果を踏まえて、最適な方法を判断しましょう。
CRMシステムの導入効果を短期間で判断しない
CRMシステムを導入する場合、導入効果を短期間で判断しないようにしましょう。
システムを導入しても、すぐに結果が出ないため運用を止めてしまうケースもありますが、顧客との関係を構築するには数か月程度の期間が必要です。
ただし、システムを導入してもすぐに効果が出るわけではないものの、長期的に見ればコスト削減や売り上げアップなどのメリットや効果を得られます。
そのため、まずはスモールスタートで導入し、効果につながりやすいリピーターに限定してアプローチするとよいでしょう。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)をスムーズに導入する方法
CRMシステム(顧客関係管理ツール)導入の失敗を回避し、スムーズに導入を進めるには、次のポイントに注意しましょう。
- 導入目的を明確にする
- 無料トライアルを活用する
導入目的を明確にする
CRMシステムを導入する際には、まず導入目的を明確にしましょう。
CRMシステムには多くの種類があり、サービスごとに搭載されている機能も異なります。そのため、「顧客満足度を向上させ、関係構築を強化したい」「顧客管理を効率化したい」「組織やチームで情報共有できるようにしたい」など、課題を洗い出し、どのような目的でツールを導入するのか検討しましょう。
目的を明確にしたうえで、目的達成や課題解決に必要な機能を明確にし、それらが搭載されたツールの選定が必要です。
無料トライアルを活用する
顧客関係管理ツールをスムーズに導入するためには、まず無料トライアルを活用して操作感を確認することも大切です。
CRMシステムを効果的に活用するには、機能だけではなく使いやすさも重要です。ツールが使いにくいと現場にとって負担が増えてしまったり、業務効率が低下したりする可能性があります。
そのため、システムの無料トライアルを活用して、現場の担当者を含めてテスト運用を行い、UIが誰にでもわかりやすいかや使いやすいかなどを確認するとよいでしょう。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)導入の失敗事例
CRMシステム(顧客関係管理ツール)のよくある失敗事例として、業務負担をかえって増やしてしまうことが挙げられます。
CRMシステムは、導入しただけで効果が出るものではないため、現場で使用されなければ意味がありません。しかし入力の負担が大きく、本来の業務に支障が出てしまったり、ツールの操作性がよくないためにITツールに慣れている人でなければ使いこなせなかったりすることで、現場に浸透しないケースが多くあります。
また、現場にCRMシステム導入のメリットや効果を伝えておかなければ、CRMを利用する効果やメリットが感じられないにもかかわらず入力の負担が増え、不満を募らせてしまう可能性もあるでしょう。
そのため、ツールを選定する際には、使いやすさや操作性のよさをとくに重視することが大切です。
CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入して顧客中心の成長戦略を
顧客関係管理のメリットは、顧客情報を一元管理し、データを営業・マーケティングで有効に活用することで、顧客との良好な関係を構築できる点にあります。CRMシステム(顧客関係管理ツール)を導入する際は、次のポイントに注意して選ぶことをおすすめします。
- 簡単に入力できる
- スモールスタートで導入可能
- 柔軟なシステム連携
- 自動化機能
- 見やすい分析レポート
顧客関係管理(CRM)を活用することで、顧客満足度と顧客ロイヤルティを向上させ、顧客中心の成長戦略につながります。
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