製造業のCRM導入メリットとは?おすすめツールと選び方
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- 製造業界で活用できるCRMシステムの機能
- 製造業界におけるシステム導入の現状
- 製造業界が抱える課題
- 人手不足
- 不要な在庫の増加
- 営業・製造部門の連携
- データの活用が遅れている
- カスタマーサービスの質が統一されていない
- グローバル市場での競争力が不足しがち
- 営業部門の効率化
- 顧客情報が複雑で管理しにくい
- 製造業界の課題をCRMシステムで解決できる理由
- 自動化による人手不足の解消
- 需要予測による不要な在庫の削減
- 営業・製造部門の連携強化
- データ活用の加速
- カスタマーサービスの質の向上
- グローバル市場での競争力強化
- 営業支援による効率化と受注の増加
- 複雑な顧客情報も効率的に一元管理
- 製造業にCRMを導入するメリット
- 業務効率化によるコストの節約
- 生産性の向上
- 意思決定の高速化と精度の向上
- 製造業におけるCRMの導入事例
- 日本粉末薬品株式会社
- 株式会社相模化学金属
- 一正蒲鉾株式会社
- 製造業におけるCRMの選び方
- 必要な機能を明確にする
- システム連携を確認する
- スモールスタートできるか
- 操作はしやすいか
- セキュリティに問題はないか
- サポート体制は充実しているか
- 製造業におすすめのCRM8選
- Salesforce Sales Cloud
- Sansan
- eセールスマネージャーRemix
- GENIEE SFA/CRM
- Microsoft Dynamics 365
- Mazrica Sales
- ホットプロファイル
- Salesforce Manufacturing Cloud
- 製造業の課題をCRMで解決!
- BOXILとは
製造業界で活用できるCRMシステムの機能
CRMシステム(顧客管理システム)とは、顧客のデータを一元管理し、情報を分析・活用して、顧客満足度の向上やビジネスチャンスの拡大をするシステムです。顧客情報の管理やコミュニケーション履歴の追跡といった機能があります。
製造業界では、生産スケジュールの最適化やアフターサービスの強化などの機能によって、リードタイムの短縮ができたり顧客からのフィードバックにもとづく製品改善ができたりします。
CRMシステム(顧客管理システム)の機能をさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
製造業界におけるシステム導入の現状
法人向けソフトウェアを提供する株式会社ハンモックの調査※によれば、営業部門をデジタル化するために導入されたツールの中でもっとも多いのがCRMです。CRMを導入した企業は68%と、約7割もの企業が導入しており2位のSFA(営業支援システム)と比較しても、約10%多いことがわかります。
このように近年製造業、とくに営業部門でデジタル化を進める中でCRMの需要が高まっている理由としては、現在製造業が次のような課題を抱えていることが挙げられます。
※出典:ハンモック「製造業『営業部門のデジタル化ツール導入』~実態調査レポートを公開~」(2024年9月21日閲覧)
製造業界が抱える課題
近年製造業の現場では市場の変化や労働人口の減少、グローバル競争の激化といった背景により、さまざまな課題に直面しています。製造業の主な課題としては、次のようなものが挙げられます。
人手不足
製造業では、労働人口の減少による人手不足が深刻化しています。経済産業省が発表している「2022年版 ものづくり白書」※1によれば、製造業の就業者数は約20年間で157万人も減少しており、若年の就業者数減少は121万人にもおよびます。
また「2023年版 ものづくり白書」※2では、製造業で約11万人の人手が不足していると指摘されているのが現状です。これは製造業が若い世代から「残業が多い」といった悪いイメージをもたれる傾向にあり、求職者が少ないことも要因の一つです。
くわえて製造業には紙やExcelを用いて顧客情報を管理している会社も多くあります。アナログな情報管理では情報共有がしにくいうえ、入力や分析作業に時間や工数がかかるため、こういった点が残業の増加につながっていると考えられます。
※1 出典:経済産業省「2022年版 ものづくり白書」(2024年9月22日閲覧)
※2 出典:経済産業省「2023年版 ものづくり白書」(2024年9月22日閲覧)
不要な在庫の増加
製造業では、不確定要素がもたらす需要変化への対応が難しく、適切な在庫数の維持が難しいことも課題の一つです。
近年、消費者ニーズは多様化しています。市場の成熟化やインターネットの普及で機能や品質による商品の差別化が難しくなり、消費者のニーズも細分化しました。これにより現代は従来のビジネスモデルが通用しなくなり、モノが売れにくい時代になっています。
また製造業では消費者のニーズや動向をデータとして得るために、D2C(Direct to Consumer)で、自社製品をダイレクトに消費者に販売する企業も増えています。これは消費者の顧客データを直接取得することで、今後注力すべき製品や効率的な生産管理に生かす戦略といえるでしょう。
市場動向を見通した生産管理や在庫管理ができなければ、不要な在庫が増加し、保管や管理コストの増大、キャッシュフローの悪化につながりかねません。しかし直接顧客情報を取得できたとしても、アナログな管理方法ではうまく集約・蓄積・分析するのが難しく、正確に予測を行うのは難しいのが現状です。
営業・製造部門の連携
営業部門と製造部門で連携が適切に行われていないことも、よくある製造業の課題の一つです。
製造業で、適切に部門間での連携ができずにトラブル発生につながることがあります。たとえば、「営業が難しい納期での加工を引き受けた」、「営業担当がクライアントからの質問に対する回答を製造部門に問い合わせたのに、なかなか回答が得られない」といったケースです。
顧客に対して正確な見積もりや納期を提示するために、営業担当者は原材料の在庫や原材料調達にかかる日数、加工から出荷までにかかる日数などを正確に把握しなければなりません。しかしアナログ管理で製造部門の情報を共有できていないと、営業担当者は製造部に問い合わせる必要があり、場合によっては問い合わせずに勝手に納期を決定するケースも発生します。
結果無茶な納期の設定や問い合わせへのレスポンスの遅さから、生産性の低下や顧客からの信頼低下といった問題につながります。
データの活用が遅れている
多くの製造業界では、データを活用した意思決定ができていない傾向にあります。市場の動向や顧客からのフィードバック、製品のパフォーマンスなど、重要なデータを収集・分析するプロセス自体が欠如しているため、市場の要求に素早く対応する能力が足りていません。
たとえば新製品の市場投入時、消費者の反応や購買データをリアルタイムで収集・分析しない企業が多いため、市場の変化に後れを取ることがあります。また製品不良やリコールの際にも、問題の原因を特定し、対策を講じるための正確なデータが不足していると対応を誤り、さらに被害を拡大させる可能性もあるでしょう。
カスタマーサービスの質が統一されていない
製造業において、顧客サービスの質はブランドの信頼性と直接関連しています。しかし、顧客からのフィードバックに対する迅速な対応や、一貫したサービス提供が困難である企業も少なくありません。
カスタマーサービスは、コミュニケーション能力はもちろん、ヒアリング能力や商品・サービスに対する豊富な知識が必要です。そのためサービスの質は対応したスタッフのスキルによりやすく、結果個人の能力の違いによってサービス品質にばらつきが生じます。新人のようにスキルや経験値の不足しているスタッフが対応すれば、顧客満足の低下をまねきやすくなるでしょう。
グローバル市場での競争力が不足しがち
グローバリゼーションの進展により、製造業は世界中の企業との競争を強いられています。一方で多くの製造業は国際市場での消費者ニーズによる違いや、多様な市場要求に迅速に適応するための戦略が不足しがちです。
例として、特定の地域での文化的な違いや消費者の好みを考慮せずに、一律のマーケティング戦略や製品設計を展開する企業があります。これは、地域の消費者に適した製品を提供できないため、市場での失敗につながるケースもあるでしょう。日本で成功した戦略や製品設計だからといって、海外でも通用するとは限りません。
営業部門の効率化
製造業の営業部門は従来の方法を続けていることで、営業活動が非効率になっていることも課題として挙げられるでしょう。製造業の営業担当者は見積書や提案書といった書類の作成業務が多く、これをすべてExcelといったツールで作成すると非常に時間がかかります。
また製造業の営業は、従来ルート営業を主流としています。ルート営業とは、取引先へ定期的に訪問してニーズを把握し、商品を提案する営業方法です。しかしこれは活動の効率が悪く、担当者の感覚に頼った属人的な営業になりやすいのがデメリットです。営業に慣れていないとどの顧客を優先すべきかもわからず、生産性は低くなりやすいでしょう。
くわえて営業部門はリソースが不足していることも重要な課題です。製造業全体の人手不足が影響して営業部門までリソースを回せず、新製品や完成品の自社開発に成功しても、営業をかけるべき企業や効果的な営業方法がわからないケースも少なくありません。結果下請構造から抜け出せない会社も多く、こういった観点からも、少ないリソースで営業部門を回せるよう、効率化を図る必要があります。
顧客情報が複雑で管理しにくい
製造業では顧客情報が複雑になりやすく、正確な管理が難しいのも課題の一つです。取引先によって取引条件や製品の仕様は異なるため、これらの情報をすべてまとめて管理し把握する必要があります。とくに顧客に対しオーダーメイドや大幅なカスタマイズを請け負っている企業では、より情報は複雑になるでしょう。
しかしこういった複雑な情報をアナログで管理すると、情報の共有漏れやデータの重複が起こりやすく、正確に情報を把握するのが難しくなります。また情報も分散しやすくどこにどの情報があるかもわかりにくいため、製品仕様の間違いや条件・仕様の変更が伝わっていないといった、多くのヒューマンエラーを起こす危険性があります。
製造業界の課題をCRMシステムで解決できる理由
製造業界では、「人手不足」「不要な在庫の増加」などさまざまな課題はありますが、CRMシステムを使えばそれらの課題も解決できます。課題が解決できる理由を、CRMシステムの機能や詳細とともに説明します。
自動化による人手不足の解消
CRMシステムは、顧客データの一元管理を実現し、それぞれの顧客に適したコミュニケーションを自動化可能です。これにより、行うべきタスクが減少し、人手不足の問題が緩和されます。さらに、データへの簡単なアクセスと分析機能により、戦略立案や意思決定プロセスが迅速化され、必要な人材の効率的な配置が可能になるでしょう。
需要予測による不要な在庫の削減
CRMシステムは、消費者の購買履歴や傾向にもとづいた予測分析が可能なため、需要予測の精度が高まるでしょう。これにより、生産計画と在庫数を最適化し、不要な在庫を削減できるようになります。適切な在庫管理は、商品の廃棄や欠品による販売機会の損失を防止できるため、キャッシュフローの改善と資本投下の最適化にもつなげられるでしょう。
営業・製造部門の連携強化
CRMシステムは、リアルタイムでの情報共有やタスク管理機能、プロジェクト進捗状況の表示などができるため、部門間のコミュニケーションをスムーズに行えます。
たとえば、営業チームが顧客から得た特定の要求やフィードバックをシステムに入力すると、製造チームがこれを即座に確認できるため、必要な調整を行えるようになります。双方の部門が同じ情報をもとに作業することで、ミスの可能性を減らし、より迅速な対応が可能になるでしょう。
データ活用の加速
CRMシステムは、市場の動向や顧客フィードバック、製品パフォーマンスなど、さまざまなデータの収集と分析を中心的に管理します。市場の要求に応えるための洞察を早い段階で得られるため、データにもとづいた意思決定を強化できるでしょう。これは製品開発からマーケティング戦略に至るまで、多くの面でメリットをもたらします。
カスタマーサービスの質の向上
CRMシステムを利用することで、カスタマーサービスの質を向上できます。CRMを導入すると、たとえば電話がかかってきた際該当番号の顧客について過去の対通話内容や購入履歴、好みなどの詳細な情報が一覧で表示され、一目で状況を把握できます。
そのため新人でも顧客に対して的確な対応が可能です。また顧客対応中でもマニュアルが確認でき、ベテランスタッフのノウハウも共有できるため、新人の対応品質向上にも役立ちます。
こういった新人のフォローができる体制を構築できるため、顧客の問い合わせやクレームに対する対応を全体で改善しでき、顧客満足度の向上が可能です。顧客ロイヤリティやリピート購入率の向上といった受注の増加にも期待できるでしょう。
グローバル市場での競争力強化
CRMシステムは、地域ごとの消費者動向の分析をサポートし、異なる市場のニーズに応じた製品やサービスのカスタマイズを可能にします。これにより、グローバル市場での競争力が強化され、多様な顧客ニーズに対応するための戦略的な意思決定にもつながるでしょう。
営業支援による効率化と受注の増加
CRMは営業活動を支援できるため、業務の効率化や受注の増加が期待できます。見積書や提案書といった書類作成時に、CRMの顧客情報を活用できるため、作業を効率化・自動化可能です。また蓄積した情報から受注確度の可視化や顧客のランク付けができるため、優先度の高い順から効率的にアプローチをかけられます。
さらに取引の進捗状況や商談履歴といった情報を共有することで、トラブルが発生しても早期発見でき、業務の引き継ぎもしやすいため業務の属人化を防止できます。営業資料といった業務のノウハウも共有でき、営業部門全体のスキルを底上げできるため、受注の増加が期待できるでしょう。
複雑な顧客情報も効率的に一元管理
CRMでは顧客情報をすべて集約し、複雑な情報もまとめて効率的に管理できます。各部門に散らばっていたさまざまな情報が一元化できるため、必要な情報が見つからない、もしくは抜けるといったトラブルも発生しません。
常に最新の情報が表示され、顧客の年齢や購入した商品といった項目ごとの検索ができるため、一目で顧客の現状も把握可能です。また商品ごとのIDや仕様といった情報も集約でき、この情報をシステムにログインするだけですべて見られるため、仕様変更情報の共有漏れといったヒューマンエラーもなくなるでしょう。
製造業にCRMを導入するメリット
製造業におけるCRMは、主にBtoBの営業支援ツールといった位置づけです。製造業が抱える課題の解決以外にも、製造業にCRMを導入するメリットとして次のようなものが挙げられます。
業務効率化によるコストの節約
CRMを導入すると、これまで紙やExcelで管理されていた情報がシステム上で一元管理できるようになります。バラバラに存在していた情報をまとめて管理し共有できるようになるため、入力や転記にかけていた工数や作業時間を大きく削減できるでしょう。
生産性の向上
CRMによって日々の業務プロセスを自動化することで、ルーチンワークの負担を減らし、従業員がより価値の高いコア業務に集中できるようになります。たとえば前述したような見積もり作成、レポートの自動生成、顧客データの入力と更新などがCRMシステムで効率化可能です。
意思決定の高速化と精度の向上
リアルタイムのデータ分析とレポート機能により、経営層は市場の動向やビジネスパフォーマンスに関する情報を即座に得られるようになります。これにより、迅速かつ根拠にもとづいた意思決定が可能になり、ビジネスチャンスを逃すリスクが低減できるでしょう。
製造業におけるCRMの導入事例
製造業でCRMを導入している企業の例を、業務改善例とともに紹介します。
日本粉末薬品株式会社
生薬やハーブを加工し医薬品・健康食品の原料として提供する日本粉末薬品は、CRM・SFAの導入により判断の迅速化や顧客満足度の向上につながりました。日本粉末薬品では、営業部門でスケジュール管理と日報報告を行うツールがバラバラであり、日報作成にも時間がかかっていました。
そのため、この煩雑さが営業担当者の負担になり、日報を2周間分まとめて提出されるケースもあったとのこと。また顧客情報を把握するにも時間がかかり、顧客対応が遅れるケースも発生していたため、これを解消するためにCRM・SFAのを導入。
結果全員分の日報分が翌朝には届くようになり、リアルタイムで営業活動の状況を把握できるようになったことで、マネージャーが迅速な判断をできるようになりました。また顧客の面談履歴を確認できるようになったことで、売り込み型のスタイルからヒアリング重視のスタイルに変更でき、顧客ニーズに合った提案ができるようになりました。
くわえてこれまで顧客からの急な問い合わせがあった場合、対応には1日以上かかることもありましたが、CRMの導入後は最短30分で対応できるようになり、顧客満足度の向上につながったそうです。
※出典:eセールスマネージャーRemix「日本粉末薬品株式会社 様」(2024年9月22日閲覧)
株式会社相模化学金属
産業機器といった製品をつくるメーカー向けにマグネットの製造・販売を行う相模化学金属は、CRM/SFAの導入により受注の増加や、営業担当者のモチベーションアップを実現しました。相模化学金属の営業部門は、これまでも目標達成のための計画は立てられており、営業部門の従業員も頑張ってはいたものの、売上は伸びず原因分析もできていませんでした。
また案件管理をExcelで行っていたものの、会議前の入力作業に約半日かかり、会議も結果報告だけといった現状があり、CRM/SFAを導入。結果リアルタイムで情報共有ができるようになり、製品の売れない原因が判明し、これを改善するための施策も打ち出せるようになりました。
くわえて効果的な施策を行ったことにより受注数が増加し、これにともなって営業部門の従業員のモチベーションも大幅に向上したとのこと。ほかにも会議前の作業がほぼゼロになったり、他部門との情報共有もタイムロスなくできるようになったりと、さまざまな効果があったそうです。
※出典:eセールスマネージャーRemix「株式会社相模化学金属 様」(2024年9月22日閲覧)
一正蒲鉾株式会社
水産加工物の製造・販売を行う一正蒲鉾は、CRMを導入して効率的かつ効果的なデータ活用ができるようになりました。一正蒲鉾ではこれまで、課題に対して情報システム課が個別にシステムを内製し利用していました。
しかし各業務用にシステムがあるためそれぞれに入力を行う必要があり、情報をまとめたり部署間で情報共有・連携したりするのにも手間がかかり、情報を十分生かし切れていなかったとのこと。そのためこういった非効率的な体制を改善し、部署の垣根を越えてデータを活用するため、CRMを導入しました。
結果案件の進捗や失注リスクを、リアルタイムで共有できできるようになりました。また商談の提案書といった資料を共有できるようになり、全国の営業所間でコミュニケーションも取れるようになったとのこと。これによって導入から半年程度で、既存顧客への営業活動において、自社商品の採用率が約2倍にまで向上し、現在もこの効果を継続しています。
そのほか、生産部門に対する情報共有もスムーズになり、発注見込み数を感覚ではなく根拠をもって説明できるようになり、より成果を上げやすい環境が構築できているそうです。
※出典:Mazrica Sales「半年で商品採用率は約2倍に!Mazrica Sales導入で効率的かつ効果的なデータ利活用が実現」(2024年9月22日閲覧)
製造業におけるCRMの選び方
製造業でCRMを導入する際は、次のポイントに注意して選ぶことをおすすめします。
- 必要な機能を明確にする
- システム連携を確認する
- スモールスタートできるか
- セキュリティに問題はないか
- サポート体制は充実しているか
それぞれのポイントについて説明します。
必要な機能を明確にする
製造業でCRMを導入する際は、求める機能を明確にして、ツールを選ぶことが重要です。
営業支援ツールとしての効果を期待する場合は、全国の企業情報や企業リストが搭載され、随時担当者情報が更新される国産CRMを選ぶのがおすすめです。
たとえばツールの目的が生産管理を効率的に行いたい場合は、ERPとCRMが統合されたツールを選びます。また、新製品を新規顧客にアピールしたい場合は、メール配信やメルマガ配信といったMA機能のあるCRMツールを選んだ方がよいでしょう。
システム連携を確認する
すでにERPやMAツール、在庫管理システムなどを導入している製造業では、CRMツールがそれらのシステムとスムーズに連携できるかを確認しておきましょう。CRMは企業の根幹となる顧客情報を管理するシステムであり、情報を多く蓄積するほど正確なデータ分析ができるようになります。
一方で連携できるシステムはCRMによっても異なります。CRMの効果を最大限発揮するためにも、自社で連携したい既存システムを洗い出し、どこまで連携ができるかチェックしてください。
スモールスタートできるか
はじめてCRMを導入する製造業の場合は、初期投資が抑えられるスモールスタートできるツールを選ぶのがおすすめです。料金プランが1ユーザー単位ではなく、5ユーザー・10ユーザー単位でわかれているサービスであれば、拡張もしやすく導入しやすいでしょう。
ただし、スモールスタートできるサービスでも、かかる初期費用・月額料金や選択すべきプランは異なります。そのため候補となる製品をいくつか選んだうえで見積もりを依頼し、実際の総合的なコストを確認したうえで比較検討を行いましょう。
操作はしやすいか
CRMは営業部門や製造部門、カスタマーサービスなど多くの部門で利用するシステムであるため、誰でも簡単に操作できるかも重要なポイントです。とくにシステムに慣れていない高齢の従業員や、システム化に慣れておらず、Excelが中心の企業は使いづらく感じやすいでしょう。
そのためマニュアルがなくても直感的に操作できるか、画面は見やすいかなどを事前に確認してください。また営業部門の場合、外出・出張も多くなるため、外出先から利用できるアプリが使いやすいかもチェックします。候補となるCRMを検討する際は、無料トライアルを利用して、各部門の現場担当者にも体験してもらい実際の捜査官を確認しましょう。
セキュリティに問題はないか
CRMは膨大な量の個人情報を軸とするシステムであるため、セキュリティもしっかり確認する必要があります。とくにクラウド型のCRMはインターネットを介してシステムを利用するため、不正アクセスといったトラブルを防ぐためセキュリティ対策は重要です。
データ通信の暗号化や二段階認証、アカウントごとのアクセス権限付与といった各製品のセキュリティ対策をチェックしましょう。国際基準規格の認証を受けた製品であれば、より安心です。
サポート体制は充実しているか
CRMは導入時のサポートが充実しているかも重要です。CRMは導入の際にどのようなデータと連携させるかの判断や、項目の設定・カスタマイズなどをしっかり行う必要があります。またシステムの導入直後は、操作方法に戸惑うことやエラーの発生などが起こりやすいため、これをスムーズに解決してもらうためのサポートが必要です。
さらにシステムが現場に定着するまでをサポートしてもらうことで、CRMは効果を最大限に発揮できます。そのためベンダーがどこまでサポートをしてくれるか、またどこまでサポートしてもらいたいかはしっかり確認しましょう。
製造業におすすめのCRM8選
製造業がCRM導入で得られるメリットを考慮しながら、製造業におすすめのCRMを紹介します。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 世界中で豊富な導入実績を誇る人気のCRM/SFA
- 営業活動を見える化
- 優れた更新性
Salesforce Sales Cloudは、製造業も含め規模や業種、業態を問わず幅広く利用されているCRMです。売上分析・予測から、各営業担当の進捗レポートまで、営業の情報を可視化します。顧客情報の詳細な管理や、強固な情報管理体制を揃えているので、安心して顧客情報を預けられます。
※出典:セールスフォース・ジャパン「Salesforce - セールスフォース・ジャパン」(2023年12月13日閲覧)
無料トライアル | 月額料金 |
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30日間 | 3,000円~(税抜)/ユーザー(年間契約) |
- 膨大な数の企業情報を搭載した営業DXサービス
- 名刺や営業履歴を一元管理し売上アップとコスト削減を実現
- 情報から新たなビジネスチャンスに気づける
Sansanは、膨大な数の企業情報を搭載した営業DXサービスです。名刺を中心に顧客との接点に関する情報や企業情報などを全社で共有し、営業に活用できるようになります。
名刺情報のほかにもメールの署名やWebフォームの入力内容、商談のメモ、セミナーの参加者情報を共有可能です。膨大な企業情報の中には役職者情報や拠点情報、企業のリスク情報、人事異動情報が搭載されています。商談のキーとなる人物の異動や商談履歴などもわかるため、新たなビジネスチャンスの機会に気づけるようになるでしょう。
無料トライアル | 月額料金 |
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○(デモ) | 要問い合わせ |
eセールスマネージャーRemix - ソフトブレーン株式会社
- 製造業を含む企業の導入実績が豊富
- 充実したサポート
- 導入後も柔軟な設定変更
eセールスマネージャーRemixは、製造業を含む企業の導入実績が豊富なCRM/SFAシステムです。顧客情報の管理機能はもちろん、営業活動を支援するための機能も豊富に備わっており、幅広い業務をカバーできます。
導入後のシステム活用や運用体制といった面で、専任のアドバイザーからアドバイスを受けられるため、システムも現場に定着しやすいでしょう。国産CRMならではの、日本企業にあわせたインターフェースや操作性も大きな特徴で、誰でも使いやすいシステムです。
無料トライアル | 月額料金 |
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30日間 | 3,000円〜11,000円/ユーザー |
GENIEE SFA/CRM - 株式会社ジーニー
- スマートフォン対応の営業活動に役立つCRM
- 会社ページで顧客情報を集約し組織全体で共有
- 商談状況や営業活動の履歴データを数クリックでグラフ化
GENIEE SFA/CRMは、製造業での導入実績が豊富なCRM/SFAです。顧客情報や商談、営業活動などを一元管理できます。情報の入力は基本的に項目を選択するだけでできるため、記述入力やITに苦手意識をもつ従業員にも使いやすく、高い定着率を誇ります。
蓄積データをもとにしたグラフやレポートも、同様に項目を選択するだけで作成可能です。取引先ごとに過去の活動履歴やタスクを管理できるため、部門を横断し情報共有でき、クレーム防止やトラブルの早期解決にも役立ちます。
無料トライアル | 月額料金 |
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あり | 34,800円(税抜)~ |
※料金は10ユーザー分含む
Microsoft Dynamics 365 - 日本マイクロソフト株式会社
- ERPとCRMを統合
- 必要な情報を1か所で確認
- 顧客と市場の変化に対応
Microsoft Dynamics 365は、CRMとERPを組み合わせたサービスです。Dynamics 365内の7アプリを選択しカスタマイズすることでシステムを構築するため、多機能でありながら、必要な機能だけを搭載できます。企業規模に問わず利用できるのも特徴です。
無料トライアル | 月額料金 |
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30日間 | 9,745円/ユーザー〜 |
※Dynamics 365 Salesの料金
Mazrica Sales - 株式会社マツリカ
- AI搭載のクラウド営業支援ツール
- AIが営業案件のリスク分析や類似案件をアドバイス
- OCR機能とモバイルアプリでデータ入力も簡単
Mazrica Salesは、営業管理だけではなく営業プロセスを直接的に支援する、AI(人工知能)搭載のクラウド営業支援ツールです。AIが営業案件のリスク分析や類似案件を営業現場に直接アドバイスします。
OCR機能による名刺・議事録などのスキャンや、自動文字起こしが可能で、現場でのデータ入力もモバイルアプリからワンクリックで可能です。各営業担当の進捗状況を直感的に共有できる案件ボードを使って、営業組織のリモートワークを支援します。
無料トライアル | 月額料金 |
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○ | 27,500円(5人)~330,000円(20人) |
- クラウド型営業支援ツール
- 名刺管理・CRM・SFA・MA機能を搭載
- 予実管理を行いながら売上予測が可能
ホットプロファイルは、営業を強くし売上アップするための、クラウド名刺管理・営業支援ツールです。新規開拓・営業支援のための名刺管理・CRM・SFA・MA機能を搭載し、受注に必要な営業プロセスをワンストップで支援可能です。
CRM機能としては名刺データ化・名寄せや人脈可視化、企業属性情報の自動付与、人事異動・企業ニュース、反社チェックなどが搭載されています。SFA機能は営業報告や商談・案件管理、タスク管理、目標管理、レポートといった機能があります。企業情報と紐付けて営業担当別や部署別、商材別などさまざまなセグメントで売上を可視化し、予実管理を行いながら売上予測をしやすくできるでしょう。
無料トライアル | 月額料金 |
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○ | 要問い合わせ |
Salesforce Manufacturing Cloud
- Salesforceが製造業向けに開発したクラウドCRM
- AIによる数量や需要の予測で生産管理を自動化
- 製造業用ダッシュボードで迅速な意思決定を支援
Salesforce Manufacturing Cloudは、Salesforceが製造業向けに開発したクラウドCRMツールです。AIを活用したシステムで、製造業固有のプロセスをデジタルで自動化します。製造業向けデータモデルと予測フレームワークで、数量や需要の予測を包括的に把握し、生産管理と販売計画に役立ちます。
すぐに使える製造業用ダッシュボードで、取引先の健全性と価格設定に関する時系列の見通しと予測を提供し、情報にもとづく意思決定をスピーディに行えるようになるでしょう。
無料トライアル | 月額料金 |
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30日間 | 30,000 円~/ユーザー(年間契約) |
製造業の課題をCRMで解決!
CRMシステムは顧客データの一元管理やリアルタイムの市場分析が可能であり、製造業界で部門間の連携や在庫管理、人材不足に悩んでいる場合は、スムーズに整理・最適化できるでしょう。
またCRMシステムでは業界問わず自動化とデータ管理の機能で、カスタマーエクスペリエンスの向上や正確性の担保ができるメリットもあり、業務効率化につながります。
製造業界向けCRMシステムを導入する際には、製造プロセスの進捗管理や市場動向の分析機能が搭載されているか確認し、製造業界で導入実績の多いサービスを選びましょう。
製造業界ではCRMに関連して次のようなサービスも導入されています。あわせて検討してください。
- 製造業界向け生産管理システムの比較
- 製造業界向けERPの比較
- 製造業界向けMAツールの比較
- 製造業界向けSFAの比較
- 製造業界向けプロジェクト管理ツールの比較
- 製造業界向けeラーニングシステムの比較
- 製造業界向け勤怠管理システムの比較
- 製造業界向けRPAツールの比較
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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