CRMのシェア・市場規模を解説 | 注目システム19選も紹介

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CRMとは
CRMとは、顧客との関係を管理するという意味を持つ「Customer Relationship Management」の略称であり「顧客管理システム」のことを指します。
従来は高品質な製品やサービスを提供すればビジネスが成り立つ側面もありましたが、本来は顧客の存在があってこそ経済活動が成り立つものであり、少子高齢化の影響などで 市場規模が縮小している状況の中「顧客の囲い込み」が必要になっています。
そのため、顧客を中心に据えた戦略や営業プロセスを実行する、という「顧客志向マネジメント」という概念が生まれ、顧客情報をデータ化して共有し、可視化することによって関係性を深めていくCRMシステムが登場したのです。
以下の記事では、CRMの事例ついてより詳しく解説しています。
また、次の記事ではCRMツールについてまとめて紹介しています。
CRMが活用される部署
営業活動を効率的に行うことが求められる現代では、顧客管理システムであるCRMを営業支援システム(SFA)と組み合わせて活用することが多くなっていますが、営業部だけでなく、顧客が関連するさまざまな部署で活用されています。
セールス
営業活動を支援するために活用されるCRMで、一般的に営業部で使いやすいように設計されています。
顧客情報にリードや商談の履歴、案件の詳細情報などを紐付けて一元管理し、売上の確認や訪問スケジュールの調整を容易にします。
これによって現状をリアルタイムで把握可能となり、迅速な対応、的確な指示、情報の蓄積と応用によって生産性向上を実現します。
マーケティング
営業部がCRMを活用する前段階としてのリードのきっかけや、戦略の立案のために活用されるCRMで、マーケティング部で使いやすいように設計されています。
イベントの管理機能や一括でのメール配信機能を持つほか、それを分析してデータ化し、戦略立案に活かすことを容易にします。
カスタマーサービス
リード時やクロージング後の顧客フォローを行い、顧客満足度を確保するために活用されるCRMで、カスタマーサービス/サポート部署で使いやすいように設計されています。
問い合わせと同時に顧客情報を確認することにより、対応の迅速化や情報蓄積による柔軟性を確保できるほか、セルフサービス型のシステムを構築することも可能です。
コンタクトセンター
基本的にはカスタマーサービスと同様の機能を持つことになりますが、上述の機能を統合したCRMが存在するのに対し、CTIというコンタクトセンター独自のシステムに組み込まれたCRMもあります。
以下の記事では、CTIについてより詳しく解説しています。
CRMの市場規模
現代の企業活動において欠かすことのできない存在となったCRMですが、その市場規模とはどの程度のものなのでしょうか。CRMにはオンプレミス型やクラウド型を含め、上述したさまざまな部署に向けた個別サービスも存在しています。
「セールス」「マーケティング」「カスタマーサービス」「コンタクトセンター」それぞれの市場を合算した規模を紹介するとともに、それぞれの動向を解説します。
上図は、日本国内のCRMアプリケーション全体売上高を基準に、2016年の実績および、2021年までの予測をグラフ化したものです。
これによると、2016年の前年比3.7%増の約934億円の市場規模となっており、2017年には1,000億円に迫る勢いになっています。
CRM市場の動向
この成長はセールス・マーケティングアプリケーションがけん引しており、既存ユーザー企業のサービス更新時におけるユーザー数拡大、中堅・中小企業での導入が進んだセールスでは4.1%、消費者のデジタル化・オムニコマースが進行したマーケティングでは11.1%と、それぞれが高い成長率を達成しています。
これに対してカスタマーサービス・コンタクトセンターでは大型案件がなかったことも影響し、成長率はプラスであったものの伸びが鈍化しています。
2018年以降の見通し
インフラ基盤が整いつつある今後は、ITの浸透が人々の生活をよりよいものとする「デジタルトランスフォーメーション」を要因としたCRMの自動化が進むと見られ、2016年以降、年間平均成長率5.0%を維持、2021年には約1,193億円の市場規模になると予測されています。
CRMのシェアは?
CRM市場におけるシェアはどのような状況にあるか見ていきましょう。
まず、世界全体のCRM市場規模は、2015年で約260億ドル(2兆9,000億円)といわれており、2018年までに年間平均成長率は15%になると予測されています。
クラウドCRMの躍進
さまざまビジネスアプリケーションがクラウドへの移行を加速させるなか、CRMに関しても同様の傾向が見られることがデータにより鮮明となりました。
また、Salesforce、Microsoftのシェア拡大がCRMにおけるクラウドの比率を上げていることから、従来CRMを導入していなかった中堅・中小企業の採用が増加したことも推測され、これは市場規模が拡大していることとも合致する事実といえるでしょう。
今後もこの傾向は続くと見られ、大企業を含んだCRM全体のシェアでも、 クラウドがオンプレミスを逆転すると考えられています。
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注目CRMシステム紹介19選
CRM市場が拡大を続ける現在、新規での導入だけでなく、オンプレミスからクラウドへの移行など、新たなシステム導入を検討する企業も多いことでしょう。
代表的なクラウドCRMを紹介します。
Knowledge Suite - ナレッジスイート株式会社
画像出典:Knowledge Suite公式サイト
Knowledge Suiteは、クラウド型統合ビジネスアプリケーションです。営業支援(SFA)、顧客管理(CRM)、グループウェアというビジネスに必要な機能すべてが統合されており、社内文化に合わせて不必要な機能を減らすカスタマイズも可能です。また、「必要なときに必要な分だけ利用する」という容量課金制なので、アカウント数を気にせず利用できます。スマートフォンやタブレットにも最適化しているので、外出先でもオフィスと変わらない環境を実現します。
Eight(エイト) 企業向けプレミアム - Sansan株式会社
画像出典:Eight 企業向けプレミアム公式サイト
Eight 企業向けプレミアムは、社員全員の名刺交換による出会いを一括管理・共有し、有効活用できるサービスです。名刺情報を共有しておけば、退職や異動などがあっても築いた人脈を継承でき、同僚がすでにアプローチしている企業であれば、キーマンへのパスも見つかりやすく、効率的な営業活動を実現します。リストとして名刺情報をダウンロードすれば、展示会やセミナーの案内メール、DMの送付、年賀状の送付リスト作成にも利用でき、工数だけでなくコストの削減も可能です。
FreshworksCRM(旧Freshsales) - OrangeOne株式会社
画像出典:OrangeOne株式会社
- 顧客情報を1つの画面で俯瞰できる
- 顧客の見込み度合いや解約の可能性を可視化
- 営業上の課題を見やすいグラフで明確にする
FreshworksCRMは、顧客管理から営業力の向上まで、営業活動に役立つ機能を網羅したCRMです。顧客のプロフィールや現在までの接点履歴はもちろん、歴任の担当者が残した細かなメモまで、それぞれの情報を俯瞰しながら比較できるため、顧客1人1人に効果的なアプローチを検討できます。また、CRM内のデータにもとづき、それぞれの顧客の見込み度合いや解約の可能性を自動で可視化します。
サスケLead - 株式会社インターパーク
画像出典:サスケLead公式サイト
- 見込み客の育成に特化したCRM
- オンラインとオフライン、すべての見込み客データを統合
- 一括メール送信や行動解析など充実した機能
サスケLeadは、見込み客の育成に特化したCRMです。展示会や店舗などのオフライン、メールやWebサイトなどのオンライン、すべての見込み客データを統合し、一括管理できます。会社内の既存データをサスケLeadに集約することも可能です。CRMからメールの一括送信や、見込み客のWeb行動を解析など、マーケティングに役立つ機能が充実しています。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ドットコム
画像出典:Salesforce Sales Cloud公式サイト
- 非常に優れた分析・レポート機能
- 高いセキュリティ
世界で圧倒的なシェアを誇るSalesforce(セールスフォース)Sales Cloudは、拡張性が特徴のCRMです。売上の分析・予測から、各営業担当者の進捗状況のレポートまで細やかに営業部門を可視化します。
システム定着、運用の支援が充実。アンケートでは98%の企業がSalesforceを使い続けると回答しています。また新型コロナウイルス対策業務を支援するため、全国の保健所へ無償提供を行っています。
Salesforceの価格
プラン名 | 初期費用 | 月額利用料 | 概要 |
---|---|---|---|
Essentials | 無料 | 3,000円/人 | ユーザー数10名まで |
Professional | 無料 | 9,000円/人 | 基本機能を網羅 |
Enterprise | 無料 | 18,000円/人 | 細かいカスタマイズが可能 |
Unlimited | 無料 | 36,000円/人 | 24時間フルサポート |
スタートアップ、中小企業なら「Essentials」がおすすめ。ミニマムですぐ導入できるうえ、上位プランへスムーズに移行できるため、チーム単位でのスモールスタートにも最適です。
Microsoft Dynamics 365 - 日本マイクロソフト
Microsoft Dynamics 365は、Dynamics for Sale/Customer Service/Talentなどの複数のツールを統合したクラウド型顧客管理システム。個別または複数をニーズに合わせて組み合わせることが可能です。時間や場所を問わず、顧客の求める情報を提供し、最適な判断を可能にすることにより、顧客満足度を最大化します。
Oracle CRM On Demand
Oracle CRM On Demandは、オンプレミス・クラウドに対応する顧客管理システムであり、あらゆる業種・規模の企業にビジネス価値を提供しています。営業・マーケティング・サービス・コールセンターに対応する統合環境を持ち、マルチデバイスに対応する柔軟性と高度な分析により、判断を迅速にするデータをリアルタイムで共有します。
pipedrive - 株式会社Surpass
画像出典:pipedrive公式サイト
- シンプルな操作性と、効率的なタスク管理
- GoogleやMicrosoftカレンダーと同期
- 顧客とのコミュニケーションも一元管理
pipedriveは、営業活動のタスク管理に特化した営業支援ツールです。アポや商談など、タスク別に案件カードを作成し一覧表示。アポから商談成立へとタスクが進んだら、案件をドラッグ&ドロップで次のタスクへと移動させます。案件カードには次の予定や、訪問履歴を登録可能。顧客とのコミュニケーションを一元管理できます。GoogleやMicrosoftと同期できるので、スケジュールの登録や共有もスムーズに行えます。
eセールスマネージャーRemix Cloud - ソフトブレーン株式会社
画像出典:eセールスマネージャーRemix Cloud公式サイト
eセールスマネージャーRemix Cloudは、ニーズに応じてオンプレミス/クラウド/ホスティングと、導入形式を選ぶことが可能です。案件管理、スケジュール管理、日報管理、予実管理、顧客管理機能などを持ち、ダッシュボードでいつでもどこでも入力、確認が可能です。専任活用コンサルタントが、定着まで充実した支援を実施。機能を限定した数人のチームに最適なeセールスマネージャーnanoもラインアップ。
Zendesk(CRM)
Zendeskは、国内・グローバルにおいて圧倒的な支持を得ているカスタマーサービスの運用管理サービスです。電話やチャット、メール、ソーシャルメディアなど、マルチチャネルでの顧客とのやりとりを一元管理できます。複雑な設定は一切ないので簡単に導入でき、豊富に揃っている使いやすい機能によってサポートチームの業務効率化が可能です。柔軟性と拡張性に優れているので、スタートアップから大企業まで、あらゆる規模の組織に採用されています。
FreshworksCRM(旧Freshsales) - OrangeOne株式会社
画像出典:OrangeOne株式会社
- 360°カスタマービューでリードを特定
- ひと目でわかるセールスパイプライン
- 詳細なレポートによる営業内容の分析と予測
freshsalesは、営業で必要なツールすべてを1つにまとめたCRMツールです。
1つの画面上で顧客のプロフィールはもちろん、過去から現在に至るまでの顧客との接点を漏れなく割り出すことができます。これにより、Eメールや通話の履歴、関連取引、細かなメモなどのあらゆる情報を見逃すことなく、顧客へのアプローチが可能です。分かりやすいデザインの管理画面上で進行中の取引の進捗管理が行え、取引ダッシュボードから直接見込み客と繋がることも可能です。レポート作成機能により現状の営業上の課題が可視化されるので、適切な戦略を立ててチームのパフォーマンス向上も期待できます。
ちきゅう
ちきゅうは中小企業向けのCRM(顧客管理)&SFA(商談管理)ツールです。低価格で導入可能かつ必要な機能が揃っているため、専任担当者がいない場合でも導入が容易に行えます。また、スマホ対応などの運用のしやすさに加え、MAツールや社内チャットシステム(Slack、チャットワーク等)との連携も可能です。収集した情報を無駄なく活用することで、営業機会の損失を減らし日々業務改善を行うことが期待できます。
GRMarketing - 株式会社イーグリッド
画像出典:GRMarketing公式サイト
GRMarketingは、見積・請求・受注・売上・利益管理までできる顧客管理プラットフォームです。月次決算や入金状況を素早く確認できることで経営者のリスクマネジメントや、投資計画を立てるためのサポートにもなります。売上・利益集計、請求書発行・入金チェック作業にかかるチェック時間を減らすことで、経理担当者の負担も軽減させ、生産性を高めることが可能です。
やよいの顧客管理
やよいの顧客管理は、個人事業主や小規模企業などの顧客管理を劇的に改善するパッケージCRMソフトウェアです。豊富に用意されたテンプレートに従うだけで容易に顧客データを構築でき、シンプルなインターフェースで顧客の対応履歴や予定の管理が可能となります。メール送信や宛名ラベル印刷にも対応し、マーケティング活動にも利用可能なほか、クラウド環境の弥生ドライブにバックアップできるサービスも提供、サポートが付属する安心プランも用意されています。
Zoho CRM - ゾーホージャパン
画像出典:Zoho CRM公式サイト
- 圧倒的な機能と驚きの低価格
- 活動の見える化×分析レポート
- 業務の効率化を実現
Zoho CRM(ゾーホー・シーアールエム)は、世界5万社の導入実績を誇るクラウド型CRMツールであり、使いやすさと圧倒的な低価格から日本では特に中堅・中小企業から高い人気を集めています。基本的な顧客・商談などの管理はもちろん、ワークフローを利用した庶務の自動化など、人手不足に課題をもつ企業からの支持が高く、無料スマホアプリなども利用できます。
SAP Hybris Sales Cloud
SAP Hybris Sales Cloudは、バックオフィスにある顧客情報の縦割り構造を解消し、モバイルデバイスを介してフロントラインの営業チームに情報提供することを実現する顧客管理システムです。マルチデバイスによる顧客情報、リアルタイム分析、ソーシャルセールスソフトウェアなどへのアクセスをリアルタイムで提供することをクラウド環境で実現し、営業担当者が顧客をより深く理解し、それぞれの顧客に特有の課題を把握することを可能にします。
戦略箱ADVANCED
戦略箱ADVANCEDは、顧客管理を中心に、活動管理・商談管理・クレーム/サポート管理・分析機能を統合したシステムです。オンプレミス・クラウド・ホスティングでの運用が可能となっており、導入支援からカスタマイズ、データ移行・連携にいたるサポート体制が充実しています。顧客管理に限定しても、名刺取り込みなども可能となっており、柔軟なリレーションを行うことによって顧客の関連性を整理可能です。
BizMagic顧客
BizMagic顧客は、顧客情報、接点記録、気付かせ機能の3機能に特化することで、使いやすくコストパフォーマンスに優れるシステム中堅・中小企業向けに提供しています。顧客担当者情報、日報、外部帳票、自由コメントなどの各機能を3つのインターフェースに集約、マルチデバイス対応で入力を簡単にし、日々の営業活動を効率的にすることを実現します。
カスタマーリングス
カスタマーリングスは、あらゆる顧客情報やレスポンス情報を統合し「顧客を見える化」を実現する、クラウド型CRM・マーケティングオートメーションです。マーケティングに特化したメール配信、顧客・商品分析などの各機能を備え、わかりやすいインターフェースのダッシュボードで業務効率化を実現します。オプションでSMS、LINE対応やWeb管理も可能となっており、充実したサポート体制にも定評があります。
デジタルトランスフォーメーションを見据えた顧客管理を
アメリカではすでに、AIを活用したカスタマーサポートの普及が進んでおり、合理化と同時に顧客満足度の向上に力が入れられています。
その根幹をなすシステムがCRMであることは明白であり、インフラ基盤が整備され、デジタルトランスフォーメーションが加速すると見られる今後は、その存在がより重要になってくるでしょう。
すべての企業がIT化するといわれるトランスフォーメーションが実現した場合、最大のアドバンテージとなるのはデータです。そのためにも、顧客情報を正確に蓄積して活用していくことが求められているといえます。より柔軟で競争力あるCRM導入は、もはや必須の状況なのではないでしょうか。
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